家庭用診断検査の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表

2026-08-20 15:00
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「家庭用診断検査の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Home Diagnostic Testing Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、家庭用診断検査の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

日本の在宅診断検査市場は、2025年時点で4億4,820万米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)5.2%で拡大し、2035年には7億4,410万米ドルに達すると予測されている。市場成長の中心には、慢性疾患の増加、高齢化、迅速かつ正確な自宅検査への需要、予防医療意識の高まり、AIや遠隔医療との連携がある。

在宅診断検査は、病院や検査センターへ行かず、自宅で血液、尿、唾液などを用いて健康状態や疾患リスクを確認する検査を指す。糖尿病、感染症、妊娠、排卵、尿路感染症など、比較的簡便に測定できる分野を中心に普及している。日本では、高齢者が通院負担を減らしながら健康状態を継続的に確認できる手段として重要性が高まっている。

市場構造では、高齢者層が歴史的に約60%の売上シェアを占め、予測期間中も最も高い成長率を示すとされている。高齢者では糖尿病や心血管疾患など継続管理が必要な疾患が多く、頻繁な通院を避けながら自宅で検査できることの価値が大きい。

慢性疾患の増加も主要な需要要因である。糖尿病では血糖値の継続的な測定が必要であり、家庭用の血糖測定器や検査ストリップは在宅診断市場の代表的な製品となる。心血管リスク管理でも、コレステロールや中性脂肪などを簡便に測定できる検査への需要が見込まれる。

感染症検査は、検査タイプ別で歴史的に最大のセグメントで、約40%の売上シェアを占めたとされる。インフルエンザ、COVID-19、HIVなどについて、早期に感染の可能性を把握したいという需要が高く、病院へ行かずに短時間で結果を得られる利便性が市場を支えている。

レポートでは、2024年に日本でHIV/AIDSの新規報告が994件あり、前年から34件増えて2年連続の増加となったとしている。こうした状況は、匿名性やプライバシーを保ちながら検査できる在宅HIV検査への需要を高める要因とされている。

感染症検査では、利便性に加えて「検査を受ける心理的ハードルを下げる」ことも重要である。特にHIVなどでは、医療機関での対面検査に抵抗を感じる人でも、自宅検査であれば利用しやすい可能性がある。早期検査が普及すれば、早期受診や感染拡大抑制にもつながると考えられる。

サンプル別では、尿検査が歴史的に最大の売上シェアを占めている。尿は採取が容易で侵襲性が低く、妊娠、排卵、尿路感染症など複数の検査で利用できるため、在宅診断との相性が良い。

唾液も、自宅で簡単に採取できることから重要性が高い。採血を必要としないため、検査への心理的負担が小さく、感染症や遺伝子関連検査などで利用される可能性がある。

血液検査は採取のハードルがやや高い一方、血糖、コレステロール、中性脂肪など慢性疾患管理に不可欠である。このため、少量の指先採血で測定できる機器やストリップの使いやすさが市場拡大の鍵になる。

製品形態別では、ストリップ、カセット、テストパネル、ミッドストリーム、ディップカードなどに分類される。ストリップ型は簡便で低コストな検査に適し、カセット型やテストパネルは感染症検査などで視認性や操作性を高めやすい。

ミッドストリーム型は妊娠検査や排卵検査など、尿を直接利用する製品で使いやすい。一方、複数項目を一度に確認する検査ではテストパネル型の利便性が高い。

AIを組み込んだ診断技術も市場の成長テーマである。スマートフォンで検査結果を読み取り、AIが画像や数値を判定する仕組みを導入すれば、利用者の読み間違いを減らしやすい。また、過去の検査結果を蓄積して傾向を分析することで、単発検査から継続的な健康管理へ発展させることも可能になる。

遠隔医療との統合も重要である。在宅検査で異常が出た場合、その結果をオンライン診療で医師と共有し、追加検査や治療につなげることができれば、在宅診断の臨床的価値は高まる。特に高齢者や地方居住者にとって、移動負担を抑えられる点が大きい。

政府による予防医療や遠隔モニタリングの推進も市場を支えている。高齢化が進む日本では、病気になってから治療するだけでなく、自宅で健康状態を確認し、早期に異常を発見する仕組みへの需要が高まりやすい。

企業による買収・提携も活発化している。2024年7月にはMEDIROM Healthcare TechnologiesがJapan Gene Medicine Corporationの株式70%を取得し、ウェルネス・予防医療分野の事業を拡大した。レポートでは、この買収が在宅診断ソリューションの拡充につながる動きとして位置付けられている。

2024年8月にはHitachi High-TechとGencurixが、日本で高度な分子診断サービスを開発するため戦略提携を締結した。特にがん領域に重点を置き、HitachiのIVD製造能力とGencurixのバイオマーカー・デジタル技術を組み合わせるとしている。

ただし、このHitachi High-TechとGencurixの事例は、直接的には在宅検査キットそのものより、がん分子診断や個別化医療サービスとの関連が強い。したがって、在宅診断市場への直接的な寄与というより、将来的に在宅採取や遠隔モニタリングへ応用される可能性を示す周辺トレンドとして見るのが適切である。

検査タイプ別では、HIV検査、糖尿病・血糖検査、コレステロール・中性脂肪検査、妊娠検査、感染症検査、尿路感染症検査、排卵予測検査などに分類される。

この中で感染症検査が歴史的に約40%を占めて最大である。感染症は流行時に検査需要が急増しやすく、迅速性が特に重視されるため、自宅検査の利便性が顕著に表れる分野である。

糖尿病・血糖検査も重要なカテゴリーである。糖尿病では継続的な自己管理が必要なため、検査回数が多く、消耗品であるストリップなどの反復需要が発生しやすい。

妊娠検査や排卵予測検査は、在宅検査が既に一般化しやすいカテゴリーである。利用者が自分のタイミングで検査でき、結果をすぐ確認できることが大きな利点となる。

年齢別では、小児、成人、高齢者に分類される。高齢者が約60%のシェアを持つ一方、成人では妊娠・排卵、性感染症、生活習慣病、健康管理など幅広い用途があるため、安定した需要が見込まれる。

小児向けでは、感染症や一部の家庭用検査が中心となる。ただし、小児では検査結果の解釈や治療判断を保護者だけで行うことには限界があるため、医療機関との連携が重要になる。

流通チャネル別では、小売薬局・ドラッグストア、病院薬局、オンライン薬局に分類される。ドラッグストアは、検査キットを実際に見ながら購入でき、薬剤師へ相談できる点が強みである。

オンライン薬局は今後の成長チャネルとして重要である。プライバシーを重視するHIV検査などでは、自宅配送との相性が良く、地方でも幅広い製品へアクセスできる。また、定期購入やデジタル健康管理サービスとの組み合わせも可能である。

競争環境では、Becton, Dickinson and Company、Abbott、Quidel、Rocheが主要企業として紹介され、このほかNova Biomedical、ACON Laboratories、OraSure Technologies、BTNX、ARKRAY、Siemens Healthcareなどが挙げられている。

ただし、資料内ではAbbottの企業説明部分がBDの説明とほぼ同一になっており、編集上の誤りがあるとみられる。そのため、この部分からAbbottの日本市場での具体的な製品やポジションを判断することはできない。

BDは、POC検査や診断関連製品を幅広く扱うグローバル医療技術企業として位置付けられている。レポートでは血糖モニタリングや迅速検査などへの関与が挙げられているが、在宅向けの具体的市場シェアは示されていない。

Quidelは迅速診断、分子診断、免疫測定に強みを持ち、主として専門診断向け技術を展開している。その技術が在宅用迅速検査へ応用される可能性がある点で関連企業として挙げられている。

Rocheは血糖測定器や凝固モニタリングシステムなど、患者が自宅で使用する診断製品を提供している。慢性疾患を長期間自己管理する用途との親和性が高い。

日本企業ではARKRAYも重要で、血糖測定など慢性疾患管理に関連する診断機器で国内市場との接点を持つ。今回の資料では詳細な企業説明はないものの、在宅診断市場における国内プレイヤーとして挙げられている。

総合すると、日本の在宅診断検査市場は2025年の4億4,820万米ドルから2035年には7億4,410万米ドルへ拡大し、CAGR5.2%の安定成長が見込まれる。最大の構造的需要源は高齢者であり、歴史的に約60%の市場を占める一方、検査タイプでは感染症が約40%、検体では尿が最大となっている。

今後の主要テーマは、「高齢者の自己管理」「感染症迅速検査」「血糖・慢性疾患管理」「尿・唾液など低侵襲検体」「AI判定」「遠隔医療」「オンライン販売」「プライバシー重視の検査」に集約できる。日本の在宅診断市場は、単発の自己検査キット市場から、在宅検査、デジタル解析、オンライン診療、継続モニタリングをつなぐ分散型ヘルスケア市場へ発展していくと考えられる。

※目次構成

  1. 序文
    1.1 調査目的
    1.2 主要前提条件
    1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
    1.4 調査方法

  2. エグゼクティブサマリー

  3. 在宅診断検査市場概要

3.1 アジア太平洋地域の在宅診断検査市場概要
 3.1.1 アジア太平洋地域の在宅診断検査市場の過去市場規模(2019~2025年)
 3.1.2 アジア太平洋地域の在宅診断検査市場予測(2026~2035年)

3.2 日本の在宅診断検査市場概要
 3.2.1 日本の在宅診断検査市場の過去市場規模(2019~2025年)
 3.2.2 日本の在宅診断検査市場予測(2026~2035年)

  1. 日本の在宅診断検査市場ランドスケープ

4.1 日本の在宅診断検査市場:開発企業ランドスケープ
 4.1.1 設立年別分析
 4.1.2 企業規模別分析
 4.1.3 地域別分析

4.2 日本の在宅診断検査市場:製品ランドスケープ
 4.2.1 検査タイプ別分析
 4.2.2 製品別分析
 4.2.3 検体別分析

  1. 日本の在宅診断検査市場ダイナミクス
    5.1 市場促進要因および制約要因

5.2 SWOT分析
 5.2.1 強み
 5.2.2 弱み
 5.2.3 機会
 5.2.4 脅威

5.3 PESTEL分析
 5.3.1 政治的要因
 5.3.2 経済的要因
 5.3.3 社会的要因
 5.3.4 技術的要因
 5.3.5 法的要因
 5.3.6 環境要因

5.4 ポーターの5フォース分析
 5.4.1 サプライヤーの交渉力
 5.4.2 買い手の交渉力
 5.4.3 新規参入の脅威
 5.4.4 代替品の脅威
 5.4.5 競争の激しさ

5.5 主要需要指標
5.6 主要価格指標
5.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
5.8 バリューチェーン分析

  1. 日本の在宅診断検査市場セグメンテーション(2019~2035年)

6.1 検査タイプ別・日本の在宅診断検査市場(2019~2035年)
 6.1.1 HIV検査キット
 6.1.2 糖尿病・血糖検査
 6.1.3 コレステロール・中性脂肪検査
 6.1.4 妊娠検査
 6.1.5 感染症検査
 6.1.6 尿路感染症検査
 6.1.7 排卵予測検査キット
 6.1.8 その他

6.2 製品別・日本の在宅診断検査市場(2019~2035年)
 6.2.1 試験紙/ストリップ
 6.2.2 カセット
 6.2.3 テストパネル
 6.2.4 ミッドストリーム型
 6.2.5 ディップカード
 6.2.6 その他

6.3 検体別・日本の在宅診断検査市場(2019~2035年)
 6.3.1 尿
 6.3.2 唾液
 6.3.3 血液
 6.3.4 その他

6.4 年齢層別・日本の在宅診断検査市場(2019~2035年)
 6.4.1 小児
 6.4.2 成人
 6.4.3 高齢者

6.5 流通チャネル別・日本の在宅診断検査市場(2019~2035年)
 6.5.1 小売薬局/ドラッグストア
 6.5.2 病院薬局
 6.5.3 オンライン薬局

  1. 規制枠組み

  2. 資金調達・投資分析
    8.1 資金調達件数別分析
    8.2 資金調達タイプ別分析
    8.3 資金調達額別分析
    8.4 主要企業別分析
    8.5 主要投資家別分析
    8.6 地域別分析

  3. 戦略的取り組み
    9.1 パートナーシップ件数別分析
    9.2 施策タイプ別分析
    9.3 主要企業別分析
    9.4 地域別分析

  4. サプライヤーランドスケープ

10.1 ベンダーポジショニング分析
 10.1.1 主要ベンダー
 10.1.2 将来有望なリーダー企業
 10.1.3 ニッチ市場のリーダー企業
 10.1.4 ディスラプター/市場変革企業

10.2 国別市場シェア分析(上位5社)

10.3 Becton, Dickinson and Company
 10.3.1 財務分析
 10.3.2 製品ポートフォリオ
 10.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.3.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.3.5 認証

10.4 Abbott
 10.4.1 財務分析
 10.4.2 製品ポートフォリオ
 10.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.4.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.4.5 認証

10.5 Quidel Corporation
 10.5.1 財務分析
 10.5.2 製品ポートフォリオ
 10.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.5.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.5.5 認証

10.6 F. Hoffmann La Roche
 10.6.1 財務分析
 10.6.2 製品ポートフォリオ
 10.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.6.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.6.5 認証

10.7 Nova Biomedical
 10.7.1 財務分析
 10.7.2 製品ポートフォリオ
 10.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.7.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.7.5 認証

10.8 Siemens Healthcare GmbH
 10.8.1 財務分析
 10.8.2 製品ポートフォリオ
 10.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.8.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.8.5 認証

10.9 ACON Laboratories, Inc.
 10.9.1 財務分析
 10.9.2 製品ポートフォリオ
 10.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.9.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.9.5 認証

10.10 OraSure Technologies, Inc.
 10.10.1 財務分析
 10.10.2 製品ポートフォリオ
 10.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.10.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.10.5 認証

10.11 BTNX, Inc.
 10.11.1 財務分析
 10.11.2 製品ポートフォリオ
 10.11.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.11.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.11.5 認証

10.12 ARKRAY Inc.(アークレイ株式会社)
 10.12.1 財務分析
 10.12.2 製品ポートフォリオ
 10.12.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.12.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.12.5 認証

  1. 日本の在宅診断検査市場 ― 流通モデル(追加分析)
    11.1 概要
    11.2 潜在的な販売・流通事業者
    11.3 流通パートナー評価の主要項目

  2. キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)

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