結核治療の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表

2026-08-20 15:00
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「結核治療の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Tuberculosis Treatment Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、結核治療の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

日本の結核治療市場は、2025年時点で4億6,657万米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)4.8%で拡大し、2035年には7億4,564万米ドルに達すると予測されている。市場成長の主因は、高齢化による結核感受性の上昇、診断需要の増加、長期治療の必要性、迅速診断・分子検査の普及、潜在性結核を含む高リスク層への公衆衛生対策の強化である。

結核はMycobacterium tuberculosisによる感染症で、主に肺を侵すが、肺外臓器にも影響する。治療には通常、複数の抗結核薬を数カ月にわたって併用する必要があり、不十分な治療は薬剤耐性の出現につながるため、診断から服薬継続まで一貫した管理が重要になる。

日本市場では、高齢化が特に重要な構造要因である。高齢者は免疫機能が低下しやすく、過去の感染が再活性化するリスクもあるため、結核の早期発見、治療開始、服薬管理への需要が高まりやすい。したがって、市場は新規感染だけでなく、高齢者における潜在感染や再活性化への対応にも支えられている。

レポートでは、2023年の日本の結核罹患率は人口10万人当たり9.3人とされている。日本では結核の公衆衛生負担は過去に比べ低下しているものの、完全に排除されたわけではなく、特に高齢者や高リスク層への継続的な監視と治療が必要である。

近年のトレンドとしては、迅速診断と分子検査の導入が挙げられる。従来の培養検査だけでは結果が得られるまで時間がかかるため、分子診断を組み合わせてMycobacterium tuberculosisを早期に検出し、場合によっては薬剤耐性も迅速に評価することが、適切な治療開始につながる。

また、政府や公衆衛生機関による結核スクリーニング、服薬遵守支援、潜在性結核感染への介入も市場を支えている。感染拡大を防ぐには、症状がある活動性結核だけでなく、高リスク者の潜在感染を発見して治療することも重要である。

2024年8月には、日本がODAの一環としてフィリピンのOlongapo Cityへ移動式X線装置を提供した事例が挙げられている。これは日本国内の治療市場を直接押し上げる事例ではないが、日本の結核診断技術や公衆衛生協力の国際展開を示すものと捉えられる。

疾患タイプ別では、活動性結核と潜在性結核に分類される。市場では活動性結核が大きなシェアを占める見込みである。活動性結核は感染性が高く、症状が明確で、速やかな薬物治療や感染管理が必要になるため、治療単価や医療資源投入が大きくなりやすい。

一方、潜在性結核も重要な市場である。潜在感染では症状がなくても、免疫低下などを契機に活動性結核へ移行する可能性があるため、高齢者、免疫抑制治療患者、濃厚接触者などに対するスクリーニングと予防的治療が重要になる。

治療別では、第一選択治療と第二選択治療に分類される。第一選択治療では、通常、標準的な抗結核薬を複数併用し、十分な期間治療を継続する。市場の大半は薬剤感受性結核向けの標準治療によって構成されると考えられる。

第二選択治療は、多剤耐性結核など第一選択薬が十分に効かないケースで重要になる。この分野では症例数自体は限定的でも、治療が長期化しやすく、薬剤費やモニタリング負担が大きくなるため、高付加価値市場になりやすい。

特に多剤耐性結核では、新規抗結核薬の役割が大きい。Otsuka PharmaceuticalのDeltyba(delamanid)は、多剤耐性結核治療に用いられる薬剤として紹介されている。Otsukaは日本企業として、耐性結核というアンメットニーズの大きい領域で研究開発を進めている。

Johnson & JohnsonのSirturo(bedaquiline)も、多剤耐性結核治療における重要な薬剤として挙げられている。レポートでは、2024年7月に米FDAと欧州委員会による承認に関する記述があるが、この説明は日本での承認状況を直接示すものではないため、日本市場での位置付けについてはレポート記載として慎重に見る必要がある。

SanofiはPriftin(rifapentine)を通じて潜在性結核治療に関与しているとされる。rifapentineとisoniazidを組み合わせた短期療法は、潜在感染者の服薬負担軽減につながる可能性があり、治療完遂率の向上という点でも重要である。

GSKはPAN-TB collaborationに参加し、より簡便で耐性リスクの低い新規治療レジメンの開発に取り組んでいるとされる。結核治療では複数薬剤を長期間使用する必要があるため、治療期間短縮や服薬回数削減は患者負担と医療負担の双方を軽減する可能性がある。

剤形別では、錠剤、カプセル、注射剤、その他に分類される。抗結核治療は長期にわたることが多いため、外来で継続しやすい経口剤が中心になりやすい。服薬しやすさは治療効果そのものだけでなく、治療完遂率にも大きく影響する。

投与経路別では、経口、非経口、その他に分類される。標準治療では経口薬が重要である一方、重症例や耐性例では注射剤などが用いられることもある。今後は経口で使用できる新規薬剤が増えるほど、患者負担軽減につながる可能性がある。

エンドユーザー別では、病院薬局、小売薬局、オンライン薬局、その他に分類される。活動性結核の診断・治療開始は病院や専門医療機関が中心となるため、病院薬局の重要性が高いと考えられる。

一方、治療が長期化することから、症状安定後の継続処方や服薬支援では地域薬局も重要である。結核治療では途中で服薬を中断すると再発や薬剤耐性のリスクが高まるため、薬剤供給だけでなくアドヒアランス管理が市場の重要な要素となる。

オンライン薬局についてもセグメントとして挙げられているが、結核のように医師による厳密な診断・治療管理が必要な疾患では、一般的なOTC医薬品ほど単純なオンライン販売モデルにはなりにくい。むしろ処方管理や服薬フォローとの連携が重要になる。

地域別では、東日本と西日本が主要市場とされている。東日本では東京および周辺地域の高度な医療インフラ、専門医療機関、診断設備が需要を支えている。

西日本では大阪を中心に、公衆衛生施策やスクリーニング、治療啓発が市場を支えているとされる。人口密度の高い都市部では、早期発見と接触者管理が感染拡大防止のうえで重要になる。

競争環境では、Sanofi、Johnson & Johnson、Otsuka Pharmaceutical、GSKが主要企業として紹介され、このほかPfizer、Novartis、Merck、Teva、AstraZeneca、Eli Lillyなどが挙げられている。

ただし、この企業一覧については注意が必要である。Otsukaのように結核治療薬との直接的な関連が明確な企業がある一方、Pfizer、Novartis、AstraZeneca、Eli Lillyなどについては、この概要だけでは日本の結核治療市場における具体的な製品やシェアが示されていない。そのため、現在の主要シェア企業一覧としてそのまま解釈するのは適切ではない。

市場全体を見ると、日本では結核罹患率が比較的低い一方、高齢化や潜在感染、薬剤耐性症例によって一定の治療需要が残る。このため、爆発的な患者数増加よりも、診断精度向上、潜在感染対策、耐性結核への新薬、服薬継続支援などによって市場価値が伸びる構造である。

総合すると、日本の結核治療市場は2025年の4億6,657万米ドルから2035年には7億4,564万米ドルへ拡大し、CAGR4.8%の安定成長が見込まれる。市場の中心は活動性結核の標準治療だが、今後は潜在性結核の早期介入、多剤耐性結核向けの新規薬剤、迅速分子診断の重要性が高まる。

2035年に向けた主要テーマは、「高齢化」「活動性結核」「潜在性結核」「迅速分子診断」「第一選択療法」「多剤耐性結核」「delamanid・bedaquilineなどの新規治療」「服薬アドヒアランス」「全国スクリーニング」に集約できる。日本の結核治療市場は、患者数そのものの増加を追う市場というより、残存する高リスク層をより早く発見し、より確実に治療完遂へ導く精密な公衆衛生・治療市場へ移行していくと考えられる。

※目次構成

  1. 序文
    1.1 調査目的
    1.2 主要前提条件
    1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
    1.4 調査方法

  2. エグゼクティブサマリー

  3. 日本の結核治療市場概要
    3.1 結核治療市場の過去市場規模(2019~2025年)
    3.2 結核治療市場予測(2026~2035年)

  4. ベンダーポジショニング分析
    4.1 主要ベンダー
    4.2 将来有望なリーダー企業
    4.3 ニッチ市場のリーダー企業
    4.4 ディスラプター/市場変革企業

  5. 結核治療市場:疾患概要
    5.1 ガイドラインおよび病期
    5.2 病態生理
    5.3 スクリーニングおよび診断
    5.4 治療経路

  6. 患者プロファイル
    6.1 患者プロファイル概要
    6.2 患者心理および情緒的影響要因
    6.3 リスク評価および治療成功率

  7. 日本の結核治療市場 ― 疫学動向および予測
    7.1 日本の疫学動向の概要(2019~2035年)
    7.2 国別有病率
    7.3 国別診断症例数
    7.4 国別治療受診率

  8. 日本の結核治療市場ランドスケープ

8.1 結核治療市場:開発企業ランドスケープ
 8.1.1 設立年別分析
 8.1.2 企業規模別分析
 8.1.3 地域別分析

8.2 結核治療市場:製品ランドスケープ
 8.2.1 疾患タイプ別分析
 8.2.2 治療法別分析
 8.2.3 投与経路別分析
 8.2.4 剤形別分析

  1. 臨床試験およびパイプライン分析
    9.1 試験登録年別分析
    9.2 試験ステータス別分析
    9.3 試験フェーズ別分析
    9.4 治療領域別分析
    9.5 地域別分析
    9.6 医薬品パイプライン分析

  2. 結核治療市場の課題およびアンメットニーズ
    10.1 治療経路における課題
    10.2 治療遵守および脱落分析
    10.3 疾患認知・予防におけるギャップ

  3. 治療費

  4. 結核治療市場ダイナミクス
    12.1 市場促進要因および制約要因

12.2 SWOT分析
 12.2.1 強み
 12.2.2 弱み
 12.2.3 機会
 12.2.4 脅威

12.3 PESTEL分析
 12.3.1 政治的要因
 12.3.2 経済的要因
 12.3.3 社会的要因
 12.3.4 技術的要因
 12.3.5 法的要因
 12.3.6 環境要因

12.4 ポーターの5フォース分析
 12.4.1 サプライヤーの交渉力
 12.4.2 買い手の交渉力
 12.4.3 新規参入の脅威
 12.4.4 代替品の脅威
 12.4.5 競争の激しさ

12.5 主要需要指標
12.6 主要価格指標
12.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
12.8 バリューチェーン分析

  1. 日本の結核治療市場(2019~2035年)

13.1 疾患タイプ別・日本の結核治療市場(2019~2035年)
 13.1.1 市場概要
 13.1.2 活動性結核
 13.1.3 潜在性結核

13.2 治療法別・日本の結核治療市場(2019~2035年)
 13.2.1 市場概要
 13.2.2 第一選択治療
 13.2.3 第二選択治療

13.3 剤形別・日本の結核治療市場(2019~2035年)
 13.3.1 市場概要
 13.3.2 錠剤
 13.3.3 カプセル
 13.3.4 注射剤
 13.3.5 その他

13.4 投与経路別・日本の結核治療市場(2019~2035年)
 13.4.1 市場概要
 13.4.2 経口投与
 13.4.3 非経口投与
 13.4.4 その他

13.5 エンドユーザー別・日本の結核治療市場(2019~2035年)
 13.5.1 市場概要
 13.5.2 病院薬局
 13.5.3 小売薬局
 13.5.4 オンライン薬局
 13.5.5 その他

  1. 規制枠組み

  2. 特許分析
    15.1 特許タイプ別分析
    15.2 公開年別分析
    15.3 特許発行機関別分析
    15.4 特許年齢別分析
    15.5 CPCコード別分析
    15.6 特許価値評価別分析

  3. 助成金分析
    16.1 年別分析
    16.2 助成金額別分析
    16.3 助成機関別分析
    16.4 助成金申請別分析
    16.5 資金提供機関別分析
    16.6 NIH部門別分析
    16.7 受給組織別分析

  4. 資金調達・投資分析
    17.1 資金調達件数別分析
    17.2 薬剤クラス別・資金調達分析
    17.3 資金調達額別分析
    17.4 主要企業別分析
    17.5 主要投資家別分析
    17.6 地域別分析

  5. 戦略的取り組み
    18.1 パートナーシップ件数別分析
    18.2 薬剤クラス別・パートナーシップ分析
    18.3 主要企業別分析
    18.4 地域別分析

  6. サプライヤーランドスケープ
    19.1 市場シェア分析(上位5社)

19.2 Sanofi
 19.2.1 財務分析
 19.2.2 製品ポートフォリオ
 19.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.2.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.2.5 認証

19.3 Pfizer Inc.
 19.3.1 財務分析
 19.3.2 製品ポートフォリオ
 19.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.3.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.3.5 認証

19.4 Johnson and Johnson Services Inc.
 19.4.1 財務分析
 19.4.2 製品ポートフォリオ
 19.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.4.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.4.5 認証

19.5 Otsuka Pharmaceutical, Inc(大塚製薬株式会社)
 19.5.1 財務分析
 19.5.2 製品ポートフォリオ
 19.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.5.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.5.5 認証

19.6 Novartis AG
 19.6.1 財務分析
 19.6.2 製品ポートフォリオ
 19.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.6.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.6.5 認証

19.7 GlaxoSmithKline plc
 19.7.1 財務分析
 19.7.2 製品ポートフォリオ
 19.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.7.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.7.5 認証

19.8 Merck & Co., Inc.
 19.8.1 財務分析
 19.8.2 製品ポートフォリオ
 19.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.8.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.8.5 認証

19.9 Teva Pharmaceutical Industries Ltd
 19.9.1 財務分析
 19.9.2 製品ポートフォリオ
 19.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.9.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.9.5 認証

19.10 AstraZeneca plc
 19.10.1 財務分析
 19.10.2 製品ポートフォリオ
 19.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.10.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.10.5 認証

19.11 Eli Lilly and Company
 19.11.1 財務分析
 19.11.2 製品ポートフォリオ
 19.11.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 19.11.4 企業ニュースおよび事業展開
 19.11.5 認証

  1. 結核治療市場 ― 流通モデル(追加分析)
    20.1 概要
    20.2 潜在的な販売・流通事業者
    20.3 流通パートナー評価の主要項目

  2. キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)

  3. 支払方法(追加分析)
    22.1 公的資金による支払い
    22.2 民間医療保険
    22.3 自己負担

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