日本オラクル、SPARCのテクノロジーをクラウドにも展開する新たな「SPARC S7」製品群を提供開始
日本オラクル株式会社(本社:東京都港区北青山、代表執行役社長 兼 CEO:杉原 博茂)は本日、SPARCプラットフォームの新製品・サービスを提供開始すると発表しました。今回提供開始するのは、新しい「SPARC S7」マイクロプロセッサをベースに構築されたエンジニアド・システム、サーバー製品、およびSPARCベースのクラウド・サービスです。これにより、SPARCの製品ポートフォリオが強化され、さらにSPARCの特長である優れたセキュリティ、効率性、シンプルさが初めてクラウドでも利用可能になります。
パブリック・クラウドのメリットに対する企業のニーズが高まる一方で、パフォーマンスやセキュリティ、管理性に対する新たな課題が発生してきています。新しいSPARCプラットフォームは、これらの課題を解決するため一から設計されたもので、重要な業務アプリケーションやスケールアウト型のアプリケーション環境をクラウド上で安心して実行できるようソリューションを提供します。
今回SPARCプラットフォーム群に追加されるサーバー製品は、シリコン・セキュアド・メモリやデータ・アナリティクス・アクセラレータなどのソフトウェア・イン・シリコン機能を備えた、革新的な4.27 GHz、8コア/64スレッド「SPARC S7」マイクロプロセッサをベースに構成されています。これにより、さまざまな規模のアプリケーションをSPARCプラットフォーム上で、業界最高のコアあたりの効率で、かつ手頃な価格で実行できるようになります。これにより、既存の商用およびカスタム・アプリケーションが新しいSPARCベースのサーバー上で実行でき、セキュリティ、効率性、シンプルさが飛躍的に向上します。
新しいSPARCプラットフォームの主な特長は次のとおりです。
・容易なセキュリティ設定:SPARCプラットフォームに新たに追加される製品・サービスは、セキュリティとコンプライアンスを前提に設計されており、シリコン・セキュアド・メモリ機能を利用してマルウェア攻撃やプログラミング・エラーに対応します。2パーセント未満のパフォーマンス・オーバーヘッドで、幅広い種類の暗号化方式とハッシュを使った完全に暗号化されたクラウドが構築できます。これ以外にも、検証済みブート、未承認の変更を防止する変更不可能なコンテンツ、セキュアなアップデートの適用、ハードウェアとソフトウェアの一体的な提供によってセキュリティはさらに強化されます。
・飛躍的な効率向上:プロセッサに実装されたデータ・アナリティクス・アクセラレータと、それを使うためのオープンなAPIを利用することで、業務システムにおける分析やビッグデータ分析、クラウド・アプリケーションでの分析性能を10倍()まで向上させます。これにより、SPARCプラットフォーム群に新たに追加される製品・サービスは、レイテンシーとコストを低減させることができます。最適化された「SPARC S7-2サーバー」および「SPARC S7-2Lサーバー」は、x86サーバーとの比較で、コアあたりの効率で2倍()、コアあたりのJavaパフォーマンスの効率で1.7倍()、コアあたりのデータベースOLTPパフォーマンスの効率で1.6倍()の性能と、トラフィックを多用する分析およびクラウド・アプリ向けに2~3倍(*)の帯域幅を提供します。
- オラクル調べ
・明快なシンプルさ:オラクルのエンジニアド・システム製品群に新たに加わった「Oracle MiniCluster S7-2 Engineered System」は、基幹システムで最も困難な課題となるセキュリティとコンプライアンス、高可用性、パッチ適用と管理、パフォーマンス・チューニングを大幅に簡略化します。標準プラットフォームやOSの必要性を排除し、セキュリティおよびデータベース管理に要する時間と労力を削減できるエンジニアド・システムを利用することで、企業に以下のメリットを提供します。
-セキュリティの専門知識を必要とせずに、システムのセキュリティをデフォルトで確保
-コンプライアンスの監視と監査を自動化することで、長期間にわたってシステムを安全な状態で維持
-ハードウェアとソフトウェアに組み込まれた高可用性オペレーションのメリットを活用することで、サービスを容易に回復
-シンプルなフルスタックのパッチ適用によって、最新のソフトウェアとセキュリティ強化を実装し、プラットフォームを常に最新の状態に維持
-自動パフォーマンス・チューニングにより、データベースとアプリケーションのパフォーマンスを強化
今回提供を開始する、「SPARC S7」マイクロプロセッサを搭載した「Oracle MiniCluster S7-2 Engineered System」、「SPARC S7-2/2L」、「Netra SPARC S7-2」サーバーシステムは、一般的なx86サーバーを上回る経済性と、ソフトウェア・イン・シリコンによるセキュリティ、そしてアナリティクスのためのエンタープライズクラスの機能を提供します。これらの新製品は、既存のインフラストラクチャとシームレスに統合できるように設計されており、クラウド向けの完全統合型の仮想化と管理ソフトウェアが含まれます。
「Oracle MiniCluster S7-2」は、「Oracle SuperCluster」の性能とセキュリティのメリットを中規模コンピューティングにまで拡張する、ミッドレンジのエンジニアド・システムです。「Oracle SuperCluster M7」との間でアプリケーションとデータベースの完全な互換性を持つ「Oracle MiniCluster」を導入することで、コモディティ・ソリューションと同等のコストで、コストパフォーマンスに優れたシステムを構築できます。「Oracle MiniCluster S7-2」は、マルチテナント・アプリケーションおよびデータベース集約、リモート・オフィスや支社オフィスでの利用、テスト・開発環境などの多岐にわたるニーズに対応するように設計されています。
「SPARC S7-2/2L」サーバーは、「SPARC M7」および「SPARC T7」のポートフォリオを拡充するローエンドのサーバー製品群です。これにより、魅力的な低価格でスケールアウトとクラウド・ワークロードに対応できるようになります。2ソケットの新しい「SPARC S7」サーバーには、コンピュート、またはストレージとI/O密度のいずれかに最適化された異なる構成オプションが用意されており、マルウェア攻撃防止、暗号化、データ分析の高速化を実現するソフトウェア・イン・シリコンによるオフロード機能が搭載されています。また、同時に発表された「Netra SPARC S7-2」は、新しい「SPARC S7」マイクロプロセッサのテクノロジーを通信業界向けに適用した新製品です。
さらに、SPARCテクノロジーをクラウドでも利用できる、SPARCベースの新たなクラウド・サービス「Oracle SPARC Cloud Service」の提供も開始されました。「Oracle SPARC Cloud Service」は、シンプルでセキュア、効率的なコンピューティング・プラットフォームをクラウドで提供することを目的に設計されています。オラクルのInfrastructure as a Service (IaaS)の新サービスとして提供される「Oracle SPARC Cloud Service」により、企業はエンタープライズグレードのクラウド・プラットフォーム上で、多様なアプリケーションを迅速に開発・導入できるようになります。
本発表に向けたパートナー各社のコメント(五十音順)
・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称CTC)は、SPARCプラットフォームの新製品発表を歓迎いたします。これまでCTCは、SPARC製品のPOCから構築・保守・運用まで、お客様に安心して導入・運用いただくための様々なサービスを提供してまいりました。今回発表されたSPARC製品は、SPARCの信頼性にx86サーバ並みの経済性がもたらされ、より多くのお客様に利用していただくことが可能になります。SPARC S7を搭載したSPARC製品群と弊社ソリューション/サービスの組み合わせが、お客様の最適なIT投資をご支援するものと確信しております。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
取締役 兼 常務執行役員
ITサービス事業グループ担当役員 兼 CTO
大久保 忠崇
・株式会社東芝
「SPARC S7」マイクロプロセッサ搭載製品群の発表を歓迎します。東芝では、長年に渡りSPARC/Solarisの技術を蓄積しており、
社会インフラを支えるミッションクリティカルシステムに多数採用されています。
お客様のアプリケーション資産を保護しながら、データベースの高速化、セキュリティの強化等の新たな価値を、高いコストパフォーマンスで提供可能となることにより、SPARC/Solarisによるシステム提供の機会が広がることを確信しています。
株式会社東芝
インダストリアルICTソリューション社
統括技師長
山口 晶嗣
・富士通株式会社
富士通株式会社は、日本オラクルのSPARC/Solarisサーバラインナップ強化を歓迎します。
富士通とオラクルの長年に渡る強力なパートナーシップのもと進化を続けてきたSPARC/Solaris は、両社のミッションクリティカルサーバ戦略の礎を担う重要なテクノロジーです。
今回の日本オラクルの「SPARC S7」販売開始は、富士通の「SPARC M10」と同様に、オラクルにおける SPARC/Solaris 開発投資へのコミットメントの象徴と確信しています。
富士通株式会社
エンタプライズシステム事業本部長
坂井 賢一
参考価格
最小構成参考価格(税抜)
-Oracle SPARC S7-2 (1 CPU) : 約132万円~
-Oracle SPARC S7-2L (2 CPU): 約186万円~
-Netra SPARC S7-2 (1 CPU): 約173万円~
-Oracle MiniCluster S7-2 Engineered System (4CPU): 約1,548万円
-Oracle SPARC Cloud Service (SPARC Model 300): 月額$100 (300 OCPU)、月額$50 (1TB、最低契約期間1年)
- OCPU : Oracle CPU, 1 OCPU=2 vCPU
参考リンク
・「Oracle MiniCluster S7-2 Engineered System」製品写真
http://www.oracle.com/us/assets/cw20-minicluster-s7-2-01-3075304.jpg
・「SPARC S7-2サーバー」製品写真
https://www.oracle.com/us/assets/cw20-sparc-s7-2-left-1-3067725.jpg
・「SPARC S7-2Lサーバー」製品写真
https://www.oracle.com/us/assets/cw20-sparc-s7-2l-center-2-3067734.jpg
・「Netra SPARC S7-2サーバー」製品写真
http://www.oracle.com/us/assets/cw20v1-netrasparcs72-3-3075316.jpg
日本オラクルについて
日本オラクル株式会社は、オラクル・コーポレーションの日本法人として1985年に設立されました。
「No.1クラウドカンパニー」を目標に掲げ、広範かつ最大限に統合されたクラウド・アプリケーションおよびクラウド・プラットフォーム、ビッグデータから情報価値を創出する製品群の提供と、それらの利用を支援する各種サービスの事業を展開しています。2000年に東証一部上場(証券コード:4716)。URL http://www.oracle.com/jp
日本オラクル公式ソーシャルメディアチャネル
・Facebook http://www.facebook.com/OracleJP
・Twitter https://twitter.com/Oracle_Japan
オラクルについて
オラクルは、クラウド・アプリケーションおよびクラウド・プラットフォームの広範なサービス群を最大限に統合し提供しています。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、www.oracle.com をご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
日本オラクル株式会社 広報室 坂元
Tel: 03-6834-4837 / Fax: 03-6834-6129/ E-mail: pr-room_jp@oracle.com
プレスルーム http://www.oracle.com/jp/corporate/press/
- OracleとJavaは、Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。本文書は情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことはできません。
<参考資料>
「SPARC S7」搭載システムを推進するパートナー企業一覧(10月12日時点。五十音順)
・株式会社アズム
・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
・SCSK株式会社
・エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社
・沖電気工業株式会社
・兼松エレクトロニクス株式会社
・新日鉄住金ソリューションズ株式会社
・ソフトバンク コマース&サービス株式会社
・ダイワボウ情報システム株式会社
・TIS株式会社
・株式会社ティ・アイ・ディ
・株式会社東芝
・日本NCR株式会社
・日本電気株式会社
・株式会社日立システムズ
・富士通株式会社
・菱洋エレクトロ株式会社
以上