ファン付き作業着(空調服)だけで大丈夫?現場作業員が知っておきたい冷却グッズの選び方
2026-08-24 17:00

夏の現場作業の定番として広く普及しているファン付き作業着(空調服)。ファンで空気を循環させて汗を蒸発させる仕組みは多くの現場で導入されていますが、「風が当たっているのに汗が止まらない」「湿度が高い日は効果を感じにくい」「バッテリー管理や充電が手間」といった声も現場からは少なくありません。
ファン付き作業着の仕組みとメリット
ファン付き作業着は、服の内側に取り付けたファンで外気を取り込み、体の表面を流れる空気によって汗を気化させ、その気化熱で体温を下げる仕組みです。風を感じられる爽快感があり、体全体を包み込むように冷却できる点は大きなメリットといえます。近年はバッテリーの小型化・長寿命化も進み、多くの現場で標準的な暑さ対策として定着しています。
発生時期・時間帯から見えるパターン
2025年の死傷者1,803人のうち約72%が7月と8月に集中しており、特に7月は718人、8月は583人にのぼっています。時間帯別では15時台が233人、14時台が226人と、日中の暑さがピークに達する時間帯に集中している傾向が見られます。一方で、気温が下がった17時台や18時台以降に死亡に至るケースも少なからずみられ、作業終了後や帰宅後に体調が悪化した事案が含まれている点は注意すべきポイントです。業種別では製造業・建設業が突出
2025年の死傷者数を業種別に見ると、製造業365人、建設業292人、商業237人、運送業220人、警備業199人の順となっています。屋外作業が中心の建設業だけでなく、製造業でも被害が多いことは、現場ごとの暑熱環境に応じた対策の必要性を示しています。年齢層別のリスクの違い
熱中症の死傷者数を年齢別に見ると、50歳代以上が占める割合が高く、特に死亡者数に限れば高齢層の割合がさらに高くなる傾向が指摘されています。建設業界をはじめとする現場作業では就業者の高齢化が進んでおり、年齢によるリスクの違いを踏まえた対策の重要性が増しています。若手作業員であっても油断はできませんが、特にベテラン層への配慮が求められるデータといえます。
ファン付き作業着が抱える課題
一方で、気化熱を利用する仕組みである以上、湿度が高い日には汗が蒸発しにくく、効果を感じにくいという弱点があります。梅雨明け直後や海沿いの現場など湿度の高い環境では、ファンを回していても思ったほど涼しく感じられないことがあります。また、バッテリーの充電・交換の手間や、ファンの駆動音、コードやバッテリーの重量が気になるという声も一定数あります。さらに、体質的に汗をかきにくい方にとっては、気化熱による冷却効果自体を得にくいという課題も指摘されています。ファン付き作業着とアイスベストは仕組みが異なる
ファン付き作業着は空気の流れによって汗を蒸発させ、気化熱で体を冷やす仕組みです。一方、Mr. NomadsのPCM搭載アイスベストはPCM(相変化材料)が体温そのものを直接吸収する仕組みのため、発汗量や湿度に左右されにくいという違いがあります。どちらが優れているというより、環境や体質によって向き不向きがあると考えるのが実情に近いでしょう。設計温度は28℃で、室温35℃の環境でも最大4.5〜5時間の持続冷却を実現しています。併用という選択肢もある
実際には、ファン付き作業着と冷却ウェアを併用する現場も見られます。電源不要のPCM搭載アイスベストであれば、ファン付き作業着のバッテリーが切れた場面や、湿度が高くファンの効果を感じにくい日の補助的な対策としても活用しやすい設計です。設計温度28℃で長時間の着用でも体への負担を抑えられる点も、併用のしやすさにつながります。ファン付き作業着の内側にアイスベストを重ねて着用するといった使い方をしている現場も見られます。