iPhoneが身分証明書になる時代

本人確認の社会実装を支える「myVerifist」とは

株式会社フライトソリューションズ
2025-07-04 13:00

■iPhoneで本人確認ができる社会が到来

2025年6月24日、「マイナンバーカードのiPhone搭載が開始」、「いよいよiPhoneにマイナンバーカードが!」という文字が各メディアを賑わせ、マイナンバーカードを持ち歩く時代からスマホに入れる時代が始まりました。
とはいえ、iPhoneにマイナンバーカードが搭載できるようになったことで、「わたしたちの生活はどう便利になるの?」、「実際に何ができるの?」と、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
本レターでは、「iPhone搭載によってマイナンバーカードの活用に何が起こるのか」を解説しながら、生活の中での具体的な利用シーンと、新たな本人確認の社会実装を支える当社の技術基盤をご紹介します。iPhoneで本人確認が完結する時代の到来に向け、IT技術を社会に実装するための「見えないインフラ」の進化に迫ります。

■そもそもiPhoneにマイナンバーを入れるとは?

「iPhoneにマイナンバーカードを搭載する」とは、マイナンバーカードの中にある「電子証明書」をiPhoneのウォレットアプリに登録し、スマホで本人確認ができるようになることです。
従来はマイナンバーカード本体(以下、板カード)を用いて暗証番号入力が必要でしたが、iPhone*と生体認証(Face ID<顔認証>、Touch ID<指紋認証>)の活用でより手軽で安全な本人確認ができるようになります。
また、iPhoneに登録された電子証明書は、物理カードの状態と連動しており、カード失効・廃止、券面情報の更新時には、iPhone 上の証明書も自動的に失効または更新が行われます。これまで紛失や盗難によるリスクから板カードの持ち歩きに抵抗があった方も、iPhone内で高度なセキュリティによって管理されることで、情報保護の観点から安心感が格段に高まります。
iPhoneへのマイナンバーカード搭載は、「持ち歩き」への心理的ハードルを下げる大きな効果があるのです。
*対応機種は「iPhone XS以降」、OSは「iOS18.5以上」が対象です。iPad等は非対応です(2025年6月時点)。

■でもiPhoneでどうやって本人とわかるの?

iPhoneには、Face ID(顔認証)やTouch ID(指紋認証)など、端末所有者本人しか解除できない高度なセキュリティ機能が備わっています。登録された電子証明書が第三者に悪用されるリスクは、板カードと比べても格段に低く抑えられます。生体情報は端末の中だけで管理されるため、「iPhoneが身分証になる」時代にふさわしい、安全性と利便性の両立が実現できるのです。

■公的個人認証を簡単に言うと…

公的個人認証とは、マイナンバーカードに内蔵された「電子証明書」を用いて、デジタルに「自分が本人であること」を証明するための仕組み、いわばスマホ時代の「デジタル身分証」とも言えるものです。
たとえば、これまでマイナポータルへのログイン時には、板カードと4桁の暗証番号入力が必要でしたが、iPhone上の電子証明書であれば、生体認証により4桁の暗証番号の入力なしでログインが可能となります。公的個人認証は、セキュリティと信頼性を両立させるインフラとして、今後のデジタル社会の基盤を支える不可欠な存在です。

今後、マイナンバーカードやiPhoneの電子証明書を読み取るカードリーダーの普及が進むことで、行政や民間事業者(携帯ショップ、不動産契約、金融機関など)の窓口で、iPhoneによる本人確認が広がることが期待されます。

■裏側を支える技術「myVerifist」

さらに、iPhoneから本人確認を実現するには、それを読み取るための「仕組み」が民間サービス側に必要となります。その裏側を支える技術として、当社の本人確認ソリューション「myVerifist(マイ・ベリフィスト)*」をご紹介します。

当社の「myVerifist」は、マイナンバーカードをはじめとする身分証明書を読み取り、電子署名・署名検証・公的個人認証を実現するシンクライアント型の認証基盤です。ソフトバンクショップや高額な商品を扱う高級宝飾店など、正確かつ迅速な本人確認が求められる現場において、そのオペレーションを支えるIT技術として採用されています。

そして2024年12月より、マイナンバーカードのiPhone搭載対応を見据えた機能拡張の開発を実施。2025年7月3日よりApple Wallet上の公的個人認証に対応できるようになり、次世代型本人確認のインフラとして、実用フェーズへと進化を遂げつつあります。

【myVerifistによる認証対応表】

*myVerifistの利用には読み取り端末の「Incredist Premium Ⅱ/Ⅲ(インクレディスト・プレミアム・ツー/スリー)」と操作用端末としてiPadが必要となります。
詳しくはこちら:https://www.myverifist.com/index.html

■本人確認の社会実装を官民一体で目指す

iPhoneで完結する本人確認が広まることで、これまで「店舗や窓口で印鑑を押す」「紙の書類を集めて提出する」、といった多くの手続きがデジタル化により大幅に効率化されます。このような新しい本人確認の仕組みを実現するには、myVerifistのようにサービスの裏側を支える技術基盤が不可欠です。myVerifistの認証インフラは、本人確認の精度と安全性を担保しながら、その社会実装を力強く後押しします。こうした技術を通じて、健全な社会の根幹を支える本人確認の仕組みを、官民一体で着実に社会実装していくことができます。

当社は今後も、myVerifistをスマホ時代の本人確認インフラとして進化させながら、「誰もが安心してサービスを受けられる社会」の実現を目指してまいります。

・「Apple」「iPhone」「Apple Wallet」「Face ID」「Touch ID」「iPad」は、米国およびその他の国で登録された Apple Inc.の商標です。