PL・BS・CFの「三表連動」から資本効率まで一気通貫で管理経営資源の戦略的な投資判断を支える経営管理プラットフォーム「Diggle」、経営指標を自動算出する新機能をリリース

2026-08-26 10:00
ディグル株式会社

経営資源の戦略的な投資判断を支えるエンタープライズ企業向け経営管理プラットフォーム「Diggle」を提供するディグル株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山本 清貴)は、「Diggle予実管理」において、PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)・CF(キャッシュフロー計算書)の三表を連動させ、ROE・ROICといった経営指標を自動算出する新機能をリリースしたことをお知らせします。本機能により、企業は月次の利益管理にとどまらず、資本効率までを一気通貫でシミュレーション・分析できるようになります。

■背景:東証要請が問う経営管理体制づくりとは

東京証券取引所(以下「東証」)は2023年3月31日、プライム市場・スタンダード市場の全上場会社を対象に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請しました※1。この要請は法令上の義務ではなく、①自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し取締役会で現状を分析・評価すること(現状分析)、②改善に向けた方針や目標・具体的な取り組みを取締役会で検討・策定し投資家に分かりやすく開示すること(計画策定・開示)、③計画に基づき経営を推進し、開示をベースに投資者と積極的に対話すること(取り組みの実行)という3段階を、上場会社に継続的に実施するよう求めるものです※2。
東証が要請しているのは、資本コストそのものの引き下げではなく、①自社の資本コストを把握し、②ROIC・ROEがそれを上回っているか比較・可視化し、③その状況を開示・対話することです※2。つまり本質は「資本コストを下げる」ことではなく、「ROIC・ROEという資本収益性の実績値を資本コストと比較できる経営管理体制を作る」ことにあります。

要請から約3年が経過した2026年2月末時点で、プライム市場の93%、スタンダード市場の51%の企業が何らかの開示を実施しており、特にプライム市場では71%が初回開示後に内容をアップデート済みです※3。一方で、PBR1倍割れの企業はプライムで27%(2022年7月比−23pt)、スタンダードで49%(同−15pt)、ROE8%未満の企業はプライムで43%(同−4pt)、スタンダードで60%(同−3pt)と、改善傾向にあるものの依然として高い水準にとどまっています※3。
こうした状況を踏まえ、東証は2026年4月28日、これまでの要請内容をアップデートし、「経営資源の適切な配分」を中心とした投資家の期待や取り組みのポイントを新たに取りまとめました※4。あわせて、コーポレートガバナンス・コードに基づく独立社外取締役の選任(プライム市場では3分の1以上、必要な場合は過半数)※5や、2025年7月から義務化されたIR体制整備※6など、経営の実効性を高めるための関連制度も段階的に強化されています。
つまり企業には、これまでのPL(損益計算書)中心の経営管理に加えて、BS(貸借対照表)やCF(キャッシュフロー計算書)まで含めた管理体制と、ROIC・ROEを資本コストと比較・開示できる状態にするための体制整備が、制度面からも強く求められる時代になっています。なお、業績予想の着地精度を高めること自体も、投資家のリスク認識を下げ、結果として資本コストの低下につながりうる間接的な経路として近年注目されています。

※1 日本取引所グループ「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」(2023年3月31日) https://www.jpx.co.jp/news/1020/20230331-01.html
※2 東京証券取引所「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」通知文書(2023年3月) https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/cg27su00000041xg.pdf
※3 東京証券取引所「『資本コストや株価を意識した経営』に関する4年目の取組み」(2026年4月7日 市場区分の見直しに関するフォローアップ会議第27回資料)
https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/jr4eth0000004vj2-att/t13vrt0000013v5w.pdf
※4 日本取引所グループ「『資本コストや株価を意識した経営』に関する要請のアップデートについて」(2026年4月28日) https://www.jpx.co.jp/news/1020/20260428-01.html
※5 日本取引所グループ 市場区分の見直しに関するフォローアップ会議資料(2025年10月21日)
https://www.fsa.go.jp/singi/revision_corporategovernance/siryo/20251021/05.pdf
※6 東京証券取引所 市場区分の見直しに関するフォローアップ会議資料(2025年9月2日)
https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/um3qrc0000022flw.pdf

Diggleが行った自社調査でも、こうした制度対応の実態が裏付けられています。資本効率指標を導入・目標化したきっかけを尋ねたところ、上位を占めたのは「東証要請」(37.5%)、「株主・投資家からの要望」(34.4%)、「同業他社の取り組みを参考にした」(25.0%)、「親会社・グループ会社からの要請」(21.9%)など、いずれも外部からの要請・影響を理由とする回答でした。一方、「以前から継続して管理しており、特定のきっかけはない」という自主的な取り組みは12%にとどまり、多くの企業にとって資本効率指標への対応が【外圧】を起点に始まっている実態がうかがえます※7。

※7 Diggle自社調査「資本効率指標の活用についてのアンケート」(https://corp.diggle.jp/news/20260826-2)(2026年7月実施、有効回答70件。うち経営者・役員20名、非経営者50名。設問により回答者数は異なる)なお、本調査はN数が限定的であり、統計的な代表性を示すものではなく、あくまで参考値としての位置づけです。

■わかりやすくおむすび屋さんの例で解説

おむすび屋さんの例で解説します。
どちらも1日の利益は同じ5,000円だったとします。
A店は、欠品を避けるために米や海苔、具材を多めに仕入れ、設備投資も積極的に行った結果、在庫と設備の合計で50,000円の元手を投じています。

B店は、日々の需要を見ながら必要な分だけ仕入れ、設備投資も最小限に抑えることで、25,000円の元手で同じ運営を実現しています。

利益の金額だけを見れば、A店とB店はいずれも「1日5,000円の利益を生むお店」であり、差はありません。しかし、投じた元手に対する利益の割合で比較すると、次のような違いが表れます。

A店:利益5,000円 ÷ 元手50,000円 = 10%
B店:利益5,000円 ÷ 元手25,000円 = 20%

同じ利益を生み出すために、B店はA店の半分の元手しか必要としていません。これは、投じた資本をどれだけ効率的に利益へ転換できているかという「資本効率」の差を示しています。

利益の金額が同じでも、その利益を生み出すためにどれだけの資本を投じているかによって、経営の効率性には大きな差が生まれます。利益だけを見る経営管理では、この差を見抜くことはできません。貸借対照表(BS)まで含めて資本の使い方を可視化して初めて、「効率よく利益を生み出せているか」という経営の実態を正しく評価できるようになります。

しかし、実際の企業経営はおむすび屋さん1軒よりもはるかに複雑です。日々の利益(PL)に加えて、在庫・設備・売掛金といった資本の使われ方(BS)、さらに実際の現金の動き(CF)までを継続的に把握して初めて、資本効率を正確に評価できます。Diggleが上場企業を中心に13社の経営企画・財務経理・事業企画担当者へ実施したヒアリングでは、この難しさを裏付ける共通の課題が浮かび上がりました。管理はExcelに依存し、手入力や更新漏れのリスクを抱えている実態が明らかになっています。

さらに根本的な課題として、経営企画や財務・経理といった本社側と、事業部長クラスの現場側とで、日頃見ている数字の粒度にギャップがあることも浮き彫りになりました。経営企画やCFOはROIC・ROEといった全社の資本効率を日常的に追いかけていますが、現場の事業部長は日々の売上や利益(PL)の管理に多くの時間を割いており、自部門にどれだけの資本(在庫や設備)が投じられているかを示すBSや、キャッシュの動きを示すCFまで作成・把握する機会は多くありません。その結果、経営側が「資本効率を上げてほしい」と求めても、現場側には「自部門にどれだけの元手が配分されているか」という判断材料自体が届いておらず、両者の目線がなかなか揃わないという実態があります。

この「目線が揃わない」実態は、Diggleの自社調査でも顕著に表れています。資本効率指標を目標として管理していない非経営層の回答者のうち76.2%が、その理由として「経営層から求められていない」を挙げました。一方、資本効率指標を運用している非経営層の回答者に経営層との連携状況を尋ねたところ、52.4%が「経営層は重視しているが、事業部への浸透は十分ではない」と回答しています。経営陣は資本効率を重視しているつもりでも、その意図や判断材料が現場まで届いていない――という構造的なギャップが、数字の上でも裏付けられた形です※7。

■新機能の概要:三表連動から資本効率まで一気通貫でシミュレーション

今回リリースした新機能では、以下の3つを実現します。

① PL・BS・CFの三表連動によるシミュレーション
PL・BS・CFの三表を連動させることで、メンテナンスコストを減らして、キャッシュの動きまで含めたシミュレーションが可能になります。これまで個別に管理・更新する必要があったBSやCFを、PLの予実管理と同じ枠組みの中で自動的に反映できます。

② 勘定科目より細かい単位で指標を自動計算
勘定科目単位よりも細かい項目で資産を管理し、売上や利益を個別の資産に紐づけることができます。これにより、事業や商品ごとの資本効率性を具体的に把握できるようになります。

③ 事業部レベルまでブレイクダウンした指標ツリーでの予実管理
全社のROICを、事業別・商品別・拠点別の資産回転率までブレイクダウンしたツリー構造で管理できます。経営企画やCFOだけでなく、事業部の現場担当者が自ら実行可能な粒度で指標を追いかけ、改善に向けたアクションにつなげられる設計です。

■想定される導入効果

本機能により、企業は次のような変化を期待できます。

・BSやCFの管理に追加工数をかけることなく、資本効率までを含めた経営管理体制を構築できる
・経営陣が求めるROIC・ROEといった指標を、事業部が日々コントロールできる具体的な数字にブレイクダウンして共有できる
・属人化していたシミュレーションや表計算ソフトへの依存から脱却し、指標改善に向けた分析・示唆出しを組織全体で行えるようになる

Diggleの自社調査では、資本効率指標の運用における課題として「データ収集に時間がかかる」(41.2%)がもっとも多く挙げられ、次いで「B/S計画の作成が難しい」(38.2%)が続きました。事業部への展開や改善施策への接続といった、データを"集める・作る"段階でのハードルの高さが、資本効率指標の定着を阻む要因になっていることがうかがえます※7。

Diggleは今後も、「Dig the Potential テクノロジーで、企業の成長可能性を掘り起こす」をミッションに、企業のありたい姿の実現とコーポレートガバナンス改革の実践を、経営管理基盤の面から支援してまいります。

■「Diggle」について

Diggleは、ヒト・モノ・カネの最適配分を支えるプロダクトシリーズと、企業の経営ステージを進化させる伴走型経営コンサルティングサービスを提供しています。
プロダクトは予実管理を中核に、人員や設備投資など全社領域から、売上予実・リベートなど業界特有の管理領域まで幅広く網羅しており、「FP&Aエージェント®※」をはじめとするAIを通じて経営の意思決定を高度化します。経営と現場が同じデータをもとに意思決定できる環境を実現しており、上場企業やエンタープライズ企業を中心に導入されています。https://diggle.jp

※「FP&Aエージェント®」はディグル株式会社の登録商標です

■ディグル株式会社について

ディグル株式会社は、「Dig the Potential テクノロジーで、企業の成長可能性を掘り起こす。」をMissionに、ヒト・モノ・カネの最適配分を支えるプロダクトシリーズと、企業の経営ステージを進化させる伴走型の経営コンサルティングサービスを提供しています。「経営の動脈になる。━━組織に数字と意思を張り巡らせ、未来を動かす循環をつくる。」をCorporate Visionに、今後成長が見込まれる経営管理市場を牽引する会社として、企業成長に貢献します。
https://corp.diggle.jp

【会社概要】
会社名:ディグル株式会社
所在地:東京都渋谷区恵比寿1丁目19−19 恵比寿ビジネスタワー12F
代表者:代表取締役 山本 清貴
設立日:2016年6月9日
事業内容:経営管理プラットフォーム「Diggle」の開発・提供
URL:https://diggle.jp/

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
ディグル株式会社 広報担当宛
pr@diggle.team
080-4740-7189(上砂かみさご)/070-1306-6893(嶋田)