FMCG(消費財)の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「FMCG(消費財)の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan FMCG Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、FMCG(消費財)の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本のFMCG(Fast Moving Consumer Goods)市場は、2025年時点で3,865億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)3.4%で拡大し、2035年には5,399.5億米ドルに達すると予測されている。成熟市場であるため成長率自体は比較的緩やかだが、高齢化、健康・ウェルネス志向、プレミアム化、EC拡大、デジタル決済、企業の構造改革が市場価値を押し上げる構図である。
市場の大きな構造変化は人口動態にある。日本では少子高齢化によって、ベビーケアの比重が低下する一方、成人用失禁ケア、健康関連商品、機能性食品、ウェルネス、エイジングケアなどへの支出が増えている。レポートでは、機能性食品やプレミアム美容分野が相対的に好調で、FMCG企業が商品ポートフォリオを高齢者・健康志向へ移しているとしている。
日本市場は約1億2,400万人の人口、高いインターネット普及率、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、ECを組み合わせた高度な小売インフラを持つ成熟消費市場として位置付けられている。近年の物価上昇によって消費者は価格に敏感になった一方、品質や機能性が明確な商品には引き続き支出する傾向があり、「節約」と「プレミアム消費」が共存している。
商品別ではFood and Beveragesが最大セグメントである。Packaged Foods、Dairy Products、Beverages、Confectioneryなどが中心で、日本の高頻度な購買習慣とコンビニ・スーパー網が市場を支えている。加工食品や飲料では、小容量、新鮮さ、期間限定、健康機能などを組み合わせた継続的な商品刷新が需要維持に重要となっている。
Personal Careは成長率の高いカテゴリーの一つで、予測期間中CAGR4.2%とされている。スキンケア、ヘアケア、オーラルケア、化粧品が含まれ、プレミアムコスメ、機能性スキンケア、アンチエイジング需要が成長を支える。日本の美容市場は、単なる外見改善から敏感肌、バリア機能、エイジング、医療隣接型の機能訴求へ広がっている。
高齢化による衛生用品市場の転換も重要である。UnicharmやKaoはベビー用紙おむつだけでなく、成人用失禁ケアや介護関連商品への開発・供給を強化している。2026年3月にはUnicharmが「Lifree Teishigeki Anshin」尿取りパッドを発売し、皮膚摩擦低減や尿戻り抑制を特徴としているとされる。こうした製品は、高齢化による需要構造の変化を直接反映している。
健康・機能性商品も市場の主要テーマである。長期的な物価上昇で消費者の選別は厳しくなっているが、健康効果、栄養、利便性などが明確な商品にはプレミアム価格が受け入れられやすい。2026年6月にはMeijiが、15gのタンパク質と乳酸菌を組み合わせた「SAVAS BIOPRO Yogurt Flavor」を発売したとされ、機能性飲料の需要拡大を象徴する事例として紹介されている。
流通チャネルでは、Supermarkets and Hypermarketsが依然として最大である。食品、飲料、日用品を広範囲に扱う規模の大きさが強みで、AEONは2025年8月に小型スーパー「My Basket」を約1,200店舗から2030年までに約2,500店舗へ拡大する計画を示したとされる。都市部では、大型店舗だけでなく小型・高頻度購買型のスーパーが重要になっている。
一方、E-commerceは予測期間中CAGR7.4%で、流通チャネルの中で最も高い成長が見込まれている。高いインターネット普及率、QRコード・モバイル決済、ライブコマース、動画コマースの普及が成長を後押ししている。
2026年2月にはRakuten IchibaとYouTube Shoppingの連携が例として挙げられ、コンテンツ視聴から商品購入へ直接つなぐ販売モデルが拡大している。また、TikTok Shop Japanでは最初の6カ月のGMVの約70%がクリエイター動画やライブ配信などコンテンツ起点の購入だったとされ、FMCG販売でも「検索して買う」だけでなく「動画を見てそのまま買う」モデルが重要になっている。
コンビニも依然として日本FMCG市場の特徴的なチャネルである。高密度な店舗網によって、食品、飲料、日用品を高頻度で購入できる。2026年4月にはSeven-Eleven Japanが「7NOW Mobile Ordering」を全国展開し、アプリ注文後に店頭で受け取る仕組みを導入したとされる。リアル店舗とモバイル注文を組み合わせることで、コンビニ自体がデジタル流通拠点へ変化している。
Drug Stores and Pharmaciesも健康、美容、パーソナルケア分野で存在感を高めている。Welcia Holdingsは2026年3月に200店舗の新規出店計画を示したとされ、食品、OTC、化粧品、日用品を一か所で購入できる業態として競争力を強めている。
生産形態ではIn-house Manufacturingが主流である。国内大手企業は品質管理、短納期、高頻度補充に対応するため、自社工場網を活用している。一方、Contract Manufacturingはより高い伸びが期待され、PB商品の拡大や、新興美容・ウェルネスブランドが設備投資を抑えながら迅速に商品化する手段として利用が増えている。
プレミアム化だけでなく、商品開発そのもののAI活用も進んでいる。Shiseidoは2026年1月、独自のVOYAGERプラットフォームを用いて多数の配合候補を自動生成・評価し、初のAI処方サンケア製品を開発したとされる。FMCG市場でも、AIがマーケティングだけでなく処方開発やR&Dの高速化に使われ始めている。
サステナビリティも重要な競争軸である。Unicharmは2025年12月、使用済み紙おむつを従来法の約50分の1の水使用量で処理する「Dry Washing Method」を発表し、2028年から本格工場建設、2029年から稼働予定としている。紙おむつのように廃棄量の大きいFMCGカテゴリーでは、循環型生産技術そのものがブランド価値やコスト競争力に関わる可能性がある。
近年はサプライチェーンのデジタルレジリエンスも経営課題となっている。大手消費財・飲料企業へのランサムウェアなどを受け、製造・受発注・物流を止めないためのサイバー対策が重要になった。レポートではAsahi Group Holdingsが2025年のランサムウェア被害後、2026年2月にVPN廃止、ゼロトラスト、ログ分析、ペネトレーションテストなどを含む対策強化を発表したとしている。
地域別ではKantoが2025年に38.4%のシェアを占めて最大である。東京圏に人口、所得、企業本社、物流拠点、小売施設が集中していることから、新商品やプレミアム商品の主要市場となっている。
一方、予測期間中の地域別成長率ではKansaiがCAGR3.7%で最も高いとされ、Kantoの3.5%を上回る。大阪・京都を中心とする高密度消費、観光、小売・製造基盤が成長を支えるとされる。Chubuは3.3%、Kyushu and Okinawaは3.4%、Hokkaidoは3.1%、TohokuとChugokuは3.0%、Shikokuは2.9%となっている。
競争環境では、Kao、Unicharm、Ajinomoto、Shiseidoが主要国内企業として紹介され、このほかAsahi Group Holdings、Suntory、Nestlé、P&G、Unileverなどが挙げられている。市場は完全な寡占ではなく、国内大手、グローバル企業、PB、地域チェーンが競争する「中程度に集中した」構造とされる。
大手各社では、国内市場の低成長を前提とした構造改革が進んでいる。KaoはK27、Shiseidoは2030年中期戦略などを通じて、低採算事業の見直し、コスト効率化、高収益カテゴリーへの集中、海外展開を進めている。市場シェアの量的拡大よりも、利益率やブランド価値を重視する戦略へ移っている。
KaoはBeauty、Skin & Hair Care、Home Care、Hygieneなどを幅広く持ち、Biore、Attack、Merries、Laurier、Kaneboなどを展開している。UnicharmはMamyPoko、Lifree、Sofyなどを通じて乳幼児、成人失禁、女性衛生、ペットケアまでカバーしており、高齢化に対応した成人ケアが一段と重要になっている。
Ajinomotoは調味料、加工食品、冷凍食品に加えてAminoScience関連事業へ多角化しており、食品FMCGだけでなく健康・高付加価値分野への展開を進めている。ShiseidoはShiseido、Clé de Peau Beauté、NARSなどのプレミアムブランドを持ち、構造改革と中国・トラベルリテール回復を通じて収益改善を狙っている。
なお、資料内にはFMCG市場としてやや範囲外に見える記述もある。たとえばAjinomoto Build-up Filmの生産拠点投資は電子材料事業に関するもので、FMCGのIn-house Manufacturingを直接説明する事例としては不適切である。またTobacco ProductsもFMCG分類には含まれているが、規制・税制・年齢制限など一般消費財とは異なる市場要因を持つため、食品・日用品と同じ構造で評価するべきではない。
総合すると、日本のFMCG市場は2025年の3,865億米ドルから2035年には5,399.5億米ドルへ拡大し、CAGR3.4%の緩やかな成長が見込まれる。市場は人口減少による数量拡大の限界を抱える一方、健康・ウェルネス、成人ケア、プレミアム美容、機能性食品、ECによって一人当たり・一商品当たりの付加価値を高める方向へ進んでいる。
2035年に向けた主要テーマは、「高齢化」「成人ケア」「機能性食品」「プレミアム美容」「Personal Care」「EC・ライブコマース」「モバイル決済」「ドラッグストア」「PB・委託生産」「AI商品開発」「サステナビリティ」「サプライチェーン強靭化」に集約できる。日本のFMCG市場は、人口増加に依存する量的成長市場ではなく、高機能化、デジタル化、プレミアム化、ポートフォリオ改革によって成長する成熟型高付加価値市場へ移行していくと考えられる。
※目次構成
エグゼクティブサマリー
1.1 市場規模(2025~2026年)
1.2 市場成長予測(2026~2035年)
1.3 主な需要促進要因
1.4 主要企業と競争構造
1.5 業界のベストプラクティス
1.6 最新動向と最近の展開
1.7 業界見通し市場概要およびステークホルダー分析
2.1 市場動向
2.2 主要産業分野
2.3 主要地域
2.4 サプライヤーの交渉力
2.5 買い手の交渉力
2.6 主な市場機会とリスク
2.7 ステークホルダーによる主要施策経済概要
3.1 GDP見通し
3.2 一人当たりGDPの成長
3.3 インフレ動向
3.4 民主主義指数
3.5 政府総債務比率
3.6 国際収支(BoP)の状況
3.7 人口見通し
3.8 都市化動向カントリーリスク分析
4.1 カントリーリスク
4.2 ビジネス環境アジア太平洋地域のFMCG市場分析
5.1 主要業界ハイライト
5.2 FMCG市場の過去実績(2019~2025年)
5.3 FMCG市場予測(2026~2035年)日本のFMCG市場分析
6.1 主要業界ハイライト
6.2 日本のFMCG市場の過去実績(2019~2025年)
6.3 日本のFMCG市場予測(2026~2035年)
6.4 製品タイプ別・日本のFMCG市場
6.4.1 食品・飲料
6.4.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.1.3 カテゴリー別内訳
6.4.1.3.1 包装食品
6.4.1.3.2 乳製品
6.4.1.3.3 飲料
6.4.1.3.4 菓子類
6.4.1.3.5 その他
6.4.2 パーソナルケア
6.4.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.2.3 カテゴリー別内訳
6.4.2.3.1 スキンケア
6.4.2.3.2 ヘアケア
6.4.2.3.3 オーラルケア
6.4.2.3.4 化粧品
6.4.2.3.5 その他
6.4.3 ホームケア
6.4.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.4 ヘルスケア(OTC)
6.4.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.4.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.5 たばこ製品
6.4.5.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.5.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.6 その他
6.5 生産タイプ別・日本のFMCG市場
6.5.1 自社製造
6.5.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.2 受託製造
6.5.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.6 流通チャネル別・日本のFMCG市場
6.6.1 スーパーマーケット/ハイパーマーケット
6.6.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.2 コンビニエンスストア
6.6.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.3 食料品店
6.6.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.4 専門店
6.6.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.4.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.5 ドラッグストア・薬局
6.6.5.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.5.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.6 Eコマース
6.6.6.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.6.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.7 その他
6.7 地域別・日本のFMCG市場
6.7.1 北海道
6.7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.2 東北
6.7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.3 関東
6.7.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.4 中部
6.7.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.4.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.5 関西
6.7.5.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.5.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.6 中国
6.7.6.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.6.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.7 四国
6.7.7.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.7.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.8 九州・沖縄
6.7.8.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.8.2 予測推移(2026~2035年)
- 市場ダイナミクス
7.1 SWOT分析
7.1.1 強み
7.1.2 弱み
7.1.3 機会
7.1.4 脅威
7.2 ポーターの5フォース分析
7.2.1 サプライヤーの交渉力
7.2.2 買い手の交渉力
7.2.3 新規参入の脅威
7.2.4 競争の激しさ
7.2.5 代替品の脅威
7.3 主要需要指標
7.4 主要価格指標
- 競争環境
8.1 サプライヤー選定
8.2 日本の主要企業
8.3 主要地域企業
8.4 主要企業の戦略
8.5 企業プロファイル
8.5.1 Kao Corporation(花王株式会社)
8.5.1.1 企業概要
8.5.1.2 製品ポートフォリオ
8.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.1.4 認証
8.5.2 Unicharm Corporation(ユニ・チャーム株式会社)
8.5.2.1 企業概要
8.5.2.2 製品ポートフォリオ
8.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.2.4 認証
8.5.3 Ajinomoto Co., Inc.(味の素株式会社)
8.5.3.1 企業概要
8.5.3.2 製品ポートフォリオ
8.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.3.4 認証
8.5.4 Shiseido Company, Limited(株式会社資生堂)
8.5.4.1 企業概要
8.5.4.2 製品ポートフォリオ
8.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.4.4 認証
8.5.5 Asahi Group Holdings, Ltd.(アサヒグループホールディングス株式会社)
8.5.5.1 企業概要
8.5.5.2 製品ポートフォリオ
8.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.5.4 認証
8.5.6 Suntory Holdings Limited(サントリーホールディングス株式会社)
8.5.6.1 企業概要
8.5.6.2 製品ポートフォリオ
8.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.6.4 認証
8.5.7 Nestle S.A.
8.5.7.1 企業概要
8.5.7.2 製品ポートフォリオ
8.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.7.4 認証
8.5.8 The Procter and Gamble Company
8.5.8.1 企業概要
8.5.8.2 製品ポートフォリオ
8.5.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.8.4 認証
8.5.9 Unilever PLC
8.5.9.1 企業概要
8.5.9.2 製品ポートフォリオ
8.5.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.9.4 認証
8.5.10 その他
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