日経BPコンサルティング調べ 「企業メッセージ調査2025」報告書、9月25日発行・発売 [ブランドメッセージ部門] メッセージ好感度は、「こころとからだに、おいしいものを。」 (ダイドードリンコ)が2年連続で首位 [パーパス部門] パーパス実践度は、大創産業(ダイソー)が首位。 第2位にワークマン、第3位にタカラトミーが続く
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は「企業メッセージ調査 2025」の結果をまとめ、9月25日に調査結果報告書を発行・発売した。国内239社の企業メッセージ318件について、認知率、理解度、好感度のほか、17項目のイメージなど様々な観点から、一般生活者が評価した。今回で、20回目の実施となる。本調査では、パーパス(存在意義やミッションを含む)とブランドメッセージ(タグラインやスローガンなどに類するもの)の2部門に分けて集計を実施している。
調査結果データ
■[ブランドメッセージ部門]メッセージ好感度は、ダイドードリンコの「こころとからだに、おいしいものを。」が2年連続首位
メッセージに対して好感が持てるかどうかを尋ねる「メッセージ好感度」では、「こころとからだに、おいしいものを。」(ダイドードリンコ)が昨年に続き2年連続で首位(表1)を獲得。第2位は「ココロも満タンに」(コスモエネルギーホールディングス)とトップ2は前回と同様の結果。第3位は前回から16ランク上昇した「愛は食卓にある。」(キユーピー)が入った。
各メッセージの印象を分析すると、首位となった「こころとからだに、おいしいものを。」(ダイドードリンコ)は、「親近感(73.3pt)」とともに「信頼感(59.9pt)」のスコアが高い。一方、第2位の「ココロも満タンに」(コスモエネルギーホールディングス)は「親近感(90.5pt)」のスコアだけが突出している。第3位の「愛は食卓にある。」(キユーピー)は「親近感(77.3pt)」に次いで「信頼感(54.1pt)」「躍動感(53.6pt)」のスコアが高い。このように、一言で「好感度が高い」といってもその背景にある印象は様々である。しかし、好感度上位メッセージは総じて「親近感」が高く、親しみやすさや覚えやすさが、好感度向上の必須条件であると考えられる。
■[パーパス部門]パーパス実践度は、大創産業(ダイソー)の「自由な発想で、楽しさと豊かさを提供し続ける なんだ!ダイソーにあったんだ、こんなものまであったんだ!の感動の追求」が首位
企業のメッセージ(パーパス)を各企業が実践していると感じるかを尋ねた「パーパス実践度」では、大創産業(ダイソー)の「自由な発想で、楽しさと豊かさを提供し続ける なんだ!ダイソーにあったんだ、こんなものまであったんだ!の感動の追求」(表2)が前回2位から順位を上げ首位を獲得。第2位は前回1位のワークマン「機能と価格に、新基準」、第3位には前回同様タカラトミー「アソビへ懸ける品質は、世界を健やかに、賑やかにできる。」が入った。
トップ3のパーパスに共通する特徴は「躍動感」の印象が強いこと。メッセージ(パーパス)自体にユニークさやインパクトがあり、かつその内容を企業が体現しているとみなされている。このことから、社会的な存在価値が高い企業と認識されていると言える。
■印象度4つの指標。「信頼感」は日立製作所、「期待感」は伊藤忠テクノソリューションズ、「親近感」はコスモエネルギーホールディングス、「躍動感」は亀田製菓・ダイソーがトップ
ブランドメッセージ部門とパーパス部門を合算した合計318のメッセージのなかで印象度4つの指標それぞれのトップは以下の結果となっている。
・「信頼感」:日立製作所のパーパス「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」が79.8pt(表3)。パーパス部門からは唯一の指標別トップ。
・「期待感」:伊藤忠テクノソリューションズのブランドメッセージ「その未来図を、共に現実にする。」が81.2pt(表4)。
・「親近感」:コスモエネルギーホールディングスのブランドメッセージ「ココロも満タンに」が90.5pt(表5)。4つの指標の中で唯一9割台。
・「躍動感」:亀田製菓のブランドメッセージ「NICE! RICE!」とダイソーのブランドメッセージ「だんぜん!ダイソー」が85.3pt(表6)の同点で首位。
ちなみに、この4つの指標の合計得点では、ロッテのブランドメッセージ「お口の恋人」が242.8ptで首位である。次いで、第2位はサントリーホールディングスのブランドメッセージ「水と生きる SUNTORY」(235.7pt)、第3位は日本航空(JAL)のブランドメッセージ「明日の空へ、日本の翼」(235.2pt)が入った。この3メッセージを印象度チャート(図1)で見ると、その特徴は異なっている。企業が伝えたいブランドイメージと、こうした印象評価の傾向が一致することが、“優れた印象に残るメッセージ”といえるだろう。







調査概要
企業メッセージ調査は、2002年に第1回を実施
過去、「お口の恋人」(ロッテ)、「あなたと、コンビに、ファミリーマート」(ファミリーマート)、「ココロも満タンに」(コスモエネルギーホールディングス)のようなメッセージが高評価だった。このような企業メッセージに対して、毎年、2万人以上の一般生活者が評価している
調査名称:「企業メッセージ調査2025」
調査機関:日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
調査目的:
・一般生活者の企業メッセージへの認知、理解、好感、実践、事業との親和性、イメージを測定する
・企業メッセージがその企業を象徴したもの、代表性のあるものになっているか、また、効果的で適切なものかを判断する指標を提供する
・効果を上げている企業メッセージに共通する要素や使用法を明らかにする
・基本的なデータと、効果的な企業メッセージの選定、使用を考える上で役立つ情報を提供する
※企業メッセージについて
企業や企業グループが、自社のコンセプトや理念、姿勢、方針などを社外(消費者や取引先など)や社内(自社及びグループ企業の従業員)に伝え、浸透させるために全社的に一貫して使用しているフレーズや文言を、ここでは「企業メッセージ」と定義します
※本調査では主に、パーパス、ミッション、ブランドメッセージに該当するものをノミネート
調査内容:
・各企業メッセージに対応する企業名を自由記入式で尋ねる設問
・各企業メッセージの認知、理解、好感、イメージなどの設問
・一般生活者の属性(年齢、性別、職業)
調査対象メッセージ:
318メッセージ(企業数:239社)。弊社で、上記定義に当てはまると判断した国内主要なメッセージをノミネート。
※特定の事業のメッセージを含む場合もある。調査票及び報告書では、調査時点での企業名を用いた
調査方法 :インターネット調査
調査対象者:全国の一般生活者(インターネットユーザー)
調査期間 :2025年7月16日~7月31日
告知方法 :調査協力依頼メールを配信
回収数 :21,942件
企業メッセージ調査について
日経BPコンサルティング:日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)