ウェルネスツーリズムの日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「ウェルネスツーリズムの日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Wellness Tourism Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、ウェルネスツーリズムの日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本のウェルネスツーリズム市場は、2025年時点で286.7億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)6.7%で拡大し、2035年には548.4億米ドルに達すると予測されている。市場成長を支える主な要因は、ホリスティックな健康体験への国際的関心の高まり、国内スパ・リゾートインフラの拡充、観光振興政策、日本独自の温泉・食・自然・リラクゼーション文化、さらにメンタルウェルビーイングを目的とする旅行需要の増加である。
日本は歴史的に世界のウェルネスツーリズム市場売上の約4%を占めたとされる。市場は単なるスパ旅行にとどまらず、健康・栄養、フィットネス、予防・個別化医療、補完・代替医療、メンタルケアなどを旅行体験に組み込む方向へ広がっている。
サービス別では、健康・栄養分野が予測期間中に最大シェアを占める見通しである。日本食、発酵食品、地域食材、健康的な食事設計などを旅行体験と組み合わせる余地が大きく、宿泊施設やリゾートにとっても、食事を単なる付帯サービスではなくウェルネス価値の一部として提供する動きが重要になる。
また、美容・アンチエイジング、フィットネス・体重管理、予防・個別化医療、補完・代替医療、スパなども主要カテゴリーに含まれる。特に日本では、温泉、自然環境、伝統的な入浴文化などを健康・リラクゼーション体験として再構成しやすい点が、市場競争力につながる。
市場の大きな成長要因の一つが、高付加価値リゾートへの投資である。2024年11月にはMitsubishi CorporationがThe Ritz-Carltonと提携し、北海道・Nisekoに新たなラグジュアリーリゾートを開業する計画を発表したとされる。2027年の開業を予定し、自然と高級ウェルネスサービスを組み合わせることで、富裕層の国際旅行者を取り込む狙いがある。
Nisekoのような自然観光地では、スキーなど従来のレジャーに、スパ、食、リカバリー、メンタルウェルビーイング、自然体験を組み合わせることで、旅行単価を高めやすい。こうした高級ウェルネス施設への投資は、訪日旅行者の滞在日数や支出額の増加にもつながる可能性がある。
旅行タイプ別では国内と国際に分類され、国際旅行セグメントが今後大きく伸びるとされる。日本の文化、温泉、自然、食、美容・健康サービスに対する海外旅行者の関心が高まれば、ウェルネスを主目的または副目的とする訪日需要が拡大しやすい。
一方、国内旅行も重要である。都市部の生活者が短期間でストレスを軽減し、温泉、スパ、森林、食事療法、運動などを体験する近距離ウェルネス旅行は、長期休暇を必要としないため利用層を広げやすい。
目的別では、「Secondary Travel」、すなわちウェルネスを旅行の主目的にはせず、通常の観光旅行の一部として健康・リラクゼーション体験を取り入れるカテゴリーが市場を主導するとされる。これはウェルネスツーリズムの裾野を広げる重要な要素である。
たとえば、観光や出張を主目的として訪れた旅行者が、宿泊先でスパ、ヨガ、健康食、フィットネス、温泉などを追加利用するケースが該当する。専用ウェルネスリトリートよりも費用や日程のハードルが低いため、より幅広い旅行者を取り込める。
一方、「Primary Travel」は健康改善やリラクゼーションそのものを旅行目的とするカテゴリーであり、専門スパ、リトリート、長期滞在型施設などとの親和性が高い。高価格帯では、睡眠改善、栄養指導、運動、メンタルケアなどを複合的に提供するプログラムが重要になる可能性がある。
デジタル技術との融合も市場のトレンドである。2024年5月のInternational Tourism Trade Show Tokyoでは、ウェルネスとDXが観光再生の主要テーマとして扱われたとされる。デジタルデトックス型リトリートやAIを用いた健康トラッキングなど、テクノロジーを活用した新しい旅行体験が例として挙げられている。
ただし、「デジタルデトックス」と「AI健康トラッキング」は方向性が異なる。前者はデジタル機器から距離を置く体験であり、後者はデジタル技術を積極利用するものである。市場としては、利用者のニーズに応じて両方のアプローチが共存する可能性がある。
メンタルウェルビーイングも重要性を増している。旅行者が観光だけでなく、ストレス軽減、睡眠改善、マインドフルネス、自然との接触などを目的に旅行する傾向が高まれば、静かな環境、少人数プログラム、ヨガ、瞑想などを組み込んだ宿泊プランへの需要が広がる。
日本では伝統文化そのものをウェルネス体験として活用できる余地が大きい。温泉、禅、森林環境、地域食、静養型宿泊などを組み合わせることで、海外の一般的なスパリゾートとの差別化が可能になると考えられる。
また、政府による観光支援や地方創生との連携も重要である。ウェルネスツーリズムは大都市だけでなく、温泉地、山間部、沿岸地域など地方の観光資源と組み合わせやすく、地域観光の高付加価値化に利用できる。
2024年6月にはAviationPros Inc.とSaujana Hotel Kuala Lumpurの提携が紹介され、日本人旅行者向けにマレーシアの高級ウェルネス体験やクロスカルチャー型スパサービスを提供するとされる。ただし、これは日本国内へのウェルネス旅行を直接促進するというより、日本発の海外ウェルネス旅行需要に関連する事例として見る方が自然である。
この点から、レポートの「Japan wellness tourism market」は、日本を旅行先とするインバウンドだけではなく、日本居住者による海外ウェルネス旅行も一定程度含んでいる可能性がある。市場定義を確認する際には注意が必要である。
競争環境では、Radisson Hotel Group、Omni Hotels & Resorts、Rosewood Hotel Group、InterContinental Hotels Group(IHG)が主要企業として紹介され、このほかAccor、Hilton、Four Seasonsなどが挙げられている。
ホテル各社は、スパ、フィットネス、健康的な食事、ヨガ、リラクゼーションなどを宿泊体験へ組み込み、単なる宿泊から高付加価値なウェルネス体験へ差別化を進めている。
Rosewoodは、スパ、ヨガ、マインドフルネスなどを組み合わせた個別化ウェルネスを強みとして紹介されている。高級宿泊施設では、施設そのものよりも、旅行者ごとにプログラムを設計するパーソナライズ化が競争要素になりやすい。
IHGもスパ、フィットネス、健康志向の食事などを提供するとされる。また、ウェルネスをブランドコンセプトに組み込むホテルブランドを持つことが、健康志向旅行者への訴求につながる。
ただし、企業説明には注意が必要である。RadissonやOmniについて「日本でプレゼンスを拡大している」とされているものの、今回の概要では具体的な日本国内施設や新規開業案件が十分に示されていない。そのため、日本市場における実際のシェアや競争力をこの記述だけで判断することはできない。
総合すると、日本のウェルネスツーリズム市場は2025年の286.7億米ドルから2035年には548.4億米ドルへ約1.9倍に拡大し、CAGR6.7%の成長が見込まれる。サービス別では健康・栄養が主要分野となり、旅行タイプでは国際旅行の成長が期待される一方、目的別では一般旅行にウェルネス体験を追加するSecondary Travelが市場を主導する。
市場の本質的な変化は、「ウェルネス旅行」という独立したニッチ市場から、一般観光、ラグジュアリー宿泊、食、自然、スパ、デジタルサービスなどにウェルネス要素が広く組み込まれる方向への移行にある。これにより、ウェルネス専用旅行者だけでなく、通常の観光客も市場参加者になる。
2035年に向けた主要テーマは、「健康・栄養」「温泉・スパ」「メンタルウェルビーイング」「高級リゾート」「国際旅行」「Secondary Travel」「自然体験」「デジタルウェルネス」「地方観光」に集約できる。日本のウェルネスツーリズム市場は、伝統的な温泉・静養文化と、高級宿泊、予防健康、デジタルサービスを組み合わせることで、より高付加価値な観光市場へ発展していくと考えられる。
※目次構成
序文
1.1 調査目的
1.2 主要前提条件
1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
1.4 調査方法エグゼクティブサマリー
ウェルネスツーリズム市場概要
3.1 アジア太平洋地域のウェルネスツーリズム市場概要
3.1.1 アジア太平洋地域のウェルネスツーリズム市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.1.2 アジア太平洋地域のウェルネスツーリズム市場予測(2026~2035年)
3.2 日本のウェルネスツーリズム市場概要
3.2.1 日本のウェルネスツーリズム市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.2.2 日本のウェルネスツーリズム市場予測(2026~2035年)
ベンダーポジショニング分析
4.1 主要ベンダー
4.2 将来有望なリーダー企業
4.3 ニッチ市場のリーダー企業
4.4 ディスラプター/市場変革企業日本のウェルネスツーリズム市場ランドスケープ
5.1 日本のウェルネスツーリズム市場:開発企業ランドスケープ
5.1.1 設立年別分析
5.1.2 企業規模別分析
5.1.3 地域別分析
5.2 日本のウェルネスツーリズム市場:サービスランドスケープ
5.2.1 サービスタイプ別分析
5.2.2 旅行タイプ別分析
- 日本のウェルネスツーリズム市場ダイナミクス
6.1 市場促進要因および制約要因
6.2 SWOT分析
6.2.1 強み
6.2.2 弱み
6.2.3 機会
6.2.4 脅威
6.3 PESTEL分析
6.3.1 政治的要因
6.3.2 経済的要因
6.3.3 社会的要因
6.3.4 技術的要因
6.3.5 法的要因
6.3.6 環境要因
6.4 ポーターの5フォース分析
6.4.1 サプライヤーの交渉力
6.4.2 買い手の交渉力
6.4.3 新規参入の脅威
6.4.4 代替品の脅威
6.4.5 競争の激しさ
6.5 主要需要指標
6.6 主要価格指標
6.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
6.8 バリューチェーン分析
- 日本のウェルネスツーリズム市場セグメンテーション(2019~2035年)
7.1 サービスタイプ別・日本のウェルネスツーリズム市場(2019~2035年)
7.1.1 美容・アンチエイジング
7.1.2 健康・栄養
7.1.3 フィットネス・体重管理
7.1.4 予防医療・個別化医療
7.1.5 補完・代替医療
7.1.6 スパ
7.1.7 職場ウェルネスツーリズム
7.1.8 その他
7.2 旅行タイプ別・日本のウェルネスツーリズム市場(2019~2035年)
7.2.1 国内旅行
7.2.2 海外旅行
7.3 目的別・日本のウェルネスツーリズム市場(2019~2035年)
7.3.1 主目的型旅行
7.3.2 副次目的型旅行
規制枠組み
資金調達・投資分析
9.1 資金調達件数別分析
9.2 資金調達タイプ別分析
9.3 資金調達額別分析
9.4 主要企業別分析
9.5 主要投資家別分析
9.6 地域別分析戦略的取り組み
10.1 パートナーシップ件数別分析
10.2 施策タイプ別分析
10.3 主要企業別分析
10.4 地域別分析サプライヤーランドスケープ
11.1 国別市場シェア分析(上位5社)
11.2 Radisson Hotel Group
11.2.1 財務分析
11.2.2 製品ポートフォリオ
11.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.2.4 企業ニュースおよび事業展開
11.2.5 認証
11.3 Rosewood Hotel Group
11.3.1 財務分析
11.3.2 製品ポートフォリオ
11.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.3.4 企業ニュースおよび事業展開
11.3.5 認証
11.4 InterContinental Hotels Group PLC ADR
11.4.1 財務分析
11.4.2 製品ポートフォリオ
11.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.4.4 企業ニュースおよび事業展開
11.4.5 認証
11.5 Accor SA
11.5.1 財務分析
11.5.2 製品ポートフォリオ
11.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.5.4 企業ニュースおよび事業展開
11.5.5 認証
11.6 Hilton Worldwide Holdings Inc
11.6.1 財務分析
11.6.2 製品ポートフォリオ
11.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.6.4 企業ニュースおよび事業展開
11.6.5 認証
11.7 Omni Hotels & Resorts
11.7.1 財務分析
11.7.2 製品ポートフォリオ
11.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.7.4 企業ニュースおよび事業展開
11.7.5 認証
11.8 Four Seasons Hotels and Resorts
11.8.1 財務分析
11.8.2 製品ポートフォリオ
11.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
11.8.4 企業ニュースおよび事業展開
11.8.5 認証
日本のウェルネスツーリズム市場 ― 流通モデル(追加分析)
12.1 概要
12.2 潜在的な販売・流通事業者
12.3 流通パートナー評価の主要項目キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)
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