医療用ウェアラブルの日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「医療用ウェアラブルの日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Medical Wearables Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、医療用ウェアラブルの日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の医療用ウェアラブル市場は、2025年時点で11億1,747万米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)20.8%という非常に高いペースで拡大し、2035年には73億9,444万米ドルに達すると予測されている。成長の中心には、高齢化、慢性疾患の増加、遠隔患者モニタリング(RPM)の普及、AIを組み込んだヘルスケア機器、政府によるデジタルヘルス推進、そして医療機器の小型化・常時接続化がある。
日本は歴史的に世界の医療用ウェアラブル市場売上の約4%を占めたとされる。今後は単なるフィットネス用途ではなく、心血管疾患、糖尿病、呼吸器疾患、がん、在宅療養など、より医療色の強い用途が成長を牽引する見通しである。
市場の最大の構造要因の一つが高齢化である。高齢者では心拍、血圧、酸素飽和度、血糖などを継続的に把握する必要性が高く、頻繁な通院を避けながら日常生活中のデータを取得できるウェアラブル機器との相性が良い。これにより、医療機関内の単発測定から、家庭や日常生活での連続モニタリングへと診療モデルが変化しつつある。
慢性疾患管理も重要である。特に心血管疾患や糖尿病では、一時点の測定値よりも、時間経過に伴う変化を追跡することに臨床的な価値がある。ECGモニター、連続血糖測定器、血圧モニター、パルスオキシメーター、各種バイオセンサーの普及は、こうした継続管理需要を取り込む。
用途別では遠隔患者モニタリングが最も収益性の高いカテゴリーで、歴史的には市場売上の約41%を占めたとされる。さらに予測期間中も最も高い成長が見込まれており、日本の医療用ウェアラブル市場を象徴する分野となっている。
RPMでは、患者が装着したウェアラブルから心電図、血糖、酸素飽和度、活動量などのデータを継続取得し、必要に応じて医療従事者が遠隔で確認する。これにより、異常兆候の早期把握や再入院リスク低減、外来受診の効率化などにつなげることが期待される。
遠隔医療との統合も市場拡大を後押しする。ウェアラブルが単独でデータを記録するだけではなく、そのデータをオンライン診療や病院のシステムへ共有できれば、診断や治療判断に利用しやすくなる。今後の競争では、デバイス性能だけでなく、データ連携、クラウド基盤、医療機関との接続性が重要になる。
製品タイプ別では、診断機器と治療機器が主要カテゴリーであり、予測期間中は診断機器が最大シェアを占めると見込まれている。診断機器には、心拍モニター、活動量計、心電計、パルスオキシメーター、スパイロメーター、血圧計などのバイタルサイン測定機器が含まれる。
睡眠モニタリングも診断ウェアラブルの重要領域である。睡眠トラッカー、リストアクチグラフ、ポリソムノグラフなどを利用し、睡眠時間、活動、呼吸状態などを記録する。高齢化や生活習慣病対策の観点から、睡眠の質を健康指標として扱う動きは今後も強まる可能性がある。
神経モニタリングでは、脳波や筋電図などを取得するウェアラブル機器も含まれる。従来は大型医療機器が中心だった分野でも、小型センサーや無線通信技術が進歩することで、より長時間・自然な環境でデータを取得できるようになる可能性がある。
治療機器では、疼痛管理、インスリン・血糖関連、リハビリテーションなどが含まれる。単なるモニタリングだけでなく、得られたデータに基づいて治療や刺激、薬剤投与を行う機器が増えることで、医療用ウェアラブルの市場価値はさらに高まる。
特に糖尿病分野では、連続血糖測定(CGM)が代表的なウェアラブル医療技術である。AbbottのFreeStyle Libreのように、頻繁な指先採血を減らしながらリアルタイムに近い形で血糖変動を把握できるシステムは、慢性疾患管理を大きく変えている。
呼吸器治療機器では、人工呼吸器、PAP機器、携帯型酸素濃縮器などが分類されている。すべてが一般的な意味での「ウェアラブル」と言えるかには幅があるものの、携帯性や在宅利用を重視した機器として市場に含められている。
機器形態別では、パッチ、スマートウォッチ、活動量モニター・リストバンド、ヘッドバンドなどに分類される。パッチ型は身体に密着して長時間データを取得でき、心電図や体温、その他バイオシグナルの連続測定に適している。
スマートウォッチは、一般消費者にも普及しているため医療用ウェアラブルへの入口として重要である。心拍、活動量、睡眠、場合によっては心電図など複数の情報を一台で取得でき、日常生活に自然に組み込める点が強みである。
一方、医療用途では、一般向けウェルネス機能と医療機器として承認された診断機能を区別する必要がある。高精度な医療判断に利用する場合、測定精度、アルゴリズムの妥当性、規制承認などが重要になる。
規制面では、2025年5月に日本の医薬品医療機器等法(PMD Act)が改正され、製造販売業者(MAH)に対する責任強化が進んだとされる。品質上の問題が生じた場合、厚生労働省が主要責任者の変更を求められる仕組みが導入され、医療機器の安全性と品質管理に対する要求が高まった。
この規制強化は短期的にはメーカーの負担を増やす可能性がある一方、医療用ウェアラブルの信頼性を高める点では市場の健全な成長につながる。特に連続測定データを治療判断に使う機器では、不具合や誤測定の影響が大きいため、品質管理が重要になる。
2025年8月にはNovocureのOptune Luaが日本で承認されたとされる。これは非小細胞肺がん向けのウェアラブルTumor Treating Fields(TTFields)システムで、電場を利用してがん細胞の分裂を妨げる非侵襲的治療機器として紹介されている。
この事例は、医療用ウェアラブルが「計測する機器」だけでなく、「治療する機器」へ広がっていることを示している。今後は、薬剤や手術を補完するウェアラブル治療デバイスが新しい高付加価値市場を形成する可能性がある。
用途別では、スポーツ・フィットネス、RPM、在宅医療などに分類される。今回の資料では「Sensitive Skin」も用途カテゴリーに含まれているが、これは一般的な医療用ウェアラブル市場の用途分類としては不自然であり、別市場の分類が混在している可能性があるため注意が必要である。
在宅医療も重要な成長領域である。高齢者や慢性疾患患者が自宅にいながら状態を測定し、必要に応じて医療機関へデータを送信できれば、通院回数を減らしながら継続的に状態を把握できる。
AIは、ウェアラブルから取得される膨大な時系列データを解析するうえで重要になる。単に心拍数などを表示するだけでなく、異常傾向を抽出し、医療従事者に注意を促す機能が実用化されれば、ウェアラブルの臨床価値が高まる。
ただし、AIによる異常検知や診断支援では、誤検知や見逃しのリスク、患者データのプライバシー、アルゴリズムの説明可能性なども課題になる。そのため、AI搭載をそのまま臨床的優位性と見なすのではなく、規制承認や臨床検証の有無を確認する必要がある。
流通チャネル別では、病院薬局、小売薬局、オンラインチャネルに分類される。医療機関を通じて導入する高度なモニタリング機器がある一方、CGMやスマートウォッチ型などではオンライン販売との親和性も高い。
オンラインチャネルは、デバイス販売に加えてクラウドサービスやサブスクリプションを組み合わせやすい。今後はハードウェア販売だけでなく、データ分析、遠隔モニタリング、医療機関向け管理ソフトウェアなど継続課金型のビジネスモデルが増える可能性がある。
競争環境では、Google、Abbott、Philips、GE Healthcareが主要企業として紹介され、このほかOMRON Healthcare、Apple、Dexcom、Fresenius Medical Care、Sotera、Boston Scientificなどが挙げられている。
GoogleはFitbitを通じて、活動量、睡眠、心拍などのデータ取得とAI活用を進めている。ただし、Fitbit製品のすべてが医療機器というわけではないため、日本の「医療用」ウェアラブル市場における具体的な位置付けは、製品ごとに区別して見る必要がある。
AbbottはFreeStyle Libreを中心に糖尿病管理分野で強い存在感を持つ。CGMは患者が日常生活の中で血糖変動を継続確認できるため、医療用ウェアラブル市場の中でも実用性と臨床価値が明確なカテゴリーである。
Philipsは、遠隔患者モニタリング、テレヘルス、接続型医療プラットフォームなどを展開している。特に高齢者や心疾患患者向けに、在宅と病院をつなぐモニタリング基盤との親和性が高い。
GE Healthcareも遠隔モニタリング、ウェアラブルセンサー、AI診断などに関与するとされる。今回の資料では具体的な日本向け製品名は示されていないため、日本市場での詳細なポジションについては断定できない。
OMRON Healthcareは日本企業として、血圧管理や循環器関連の家庭用・デジタルヘルス機器で重要な存在である。日本では高血圧や心血管リスク管理との接点が大きく、ウェアラブル・遠隔モニタリングへの展開余地がある。
Appleもスマートウォッチを通じて健康モニタリング市場へ影響を与えているが、一般向け機能と医療機器機能を分けて評価する必要がある。同様に、DexcomはCGM分野で医療用途との直接的な関連が強い。
総合すると、日本の医療用ウェアラブル市場は2025年の11億1,747万米ドルから2035年には73億9,444万米ドルへ約6.6倍に拡大し、CAGR20.8%という極めて高い成長が見込まれている。中でもRPMが歴史的に約41%を占め、今後も最重要用途となる見通しである。
市場の本質的な変化は、医療データを「病院で測る」モデルから「日常生活の中で常時取得する」モデルへの移行にある。ウェアラブルを通じて連続データを取得し、AIで解析し、遠隔診療や在宅ケアにつなげることで、予防・早期介入型の医療が実現しやすくなる。
2035年に向けた主要テーマは、「RPM」「CGM」「ECG」「スマートパッチ」「医療用スマートウォッチ」「AI解析」「在宅医療」「テレヘルス連携」「ウェアラブル治療機器」「高齢者モニタリング」に集約できる。日本の医療用ウェアラブル市場は、単なる健康計測機器市場から、診断・治療・遠隔管理を一体化する常時接続型のデジタル医療基盤へ急速に発展していくと考えられる。
※目次構成
序文
1.1 調査目的
1.2 主要前提条件
1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
1.4 調査方法エグゼクティブサマリー
医療用ウェアラブル市場概要
3.1 アジア太平洋地域の医療用ウェアラブル市場概要
3.1.1 アジア太平洋地域の医療用ウェアラブル市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.1.2 アジア太平洋地域の医療用ウェアラブル市場予測(2026~2035年)
3.2 日本の医療用ウェアラブル市場概要
3.2.1 日本の医療用ウェアラブル市場の過去市場規模(2019~2025年)
3.2.2 日本の医療用ウェアラブル市場予測(2026~2035年)
- 日本の医療用ウェアラブル市場ランドスケープ
4.1 日本の医療用ウェアラブル市場:開発企業ランドスケープ
4.1.1 設立年別分析
4.1.2 企業規模別分析
4.1.3 地域別分析
4.2 日本の医療用ウェアラブル市場:製品ランドスケープ
4.2.1 製品タイプ別分析
4.2.2 デバイスタイプ別分析
4.2.3 用途別分析
- 日本の医療用ウェアラブル市場ダイナミクス
5.1 市場促進要因および制約要因
5.2 SWOT分析
5.2.1 強み
5.2.2 弱み
5.2.3 機会
5.2.4 脅威
5.3 PESTEL分析
5.3.1 政治的要因
5.3.2 経済的要因
5.3.3 社会的要因
5.3.4 技術的要因
5.3.5 法的要因
5.3.6 環境要因
5.4 ポーターの5フォース分析
5.4.1 サプライヤーの交渉力
5.4.2 買い手の交渉力
5.4.3 新規参入の脅威
5.4.4 代替品の脅威
5.4.5 競争の激しさ
5.5 主要需要指標
5.6 主要価格指標
5.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
5.8 バリューチェーン分析
- 日本の医療用ウェアラブル市場セグメンテーション(2019~2035年)
6.1 製品タイプ別・日本の医療用ウェアラブル市場(2019~2035年)
6.1.1 診断用デバイス
6.1.1.1 バイタルサインモニタリングデバイス
6.1.1.1.1 心拍数モニター
6.1.1.1.2 活動量モニター
6.1.1.1.3 心電計
6.1.1.1.4 パルスオキシメーター
6.1.1.1.5 スパイロメーター
6.1.1.1.6 血圧モニター
6.1.1.1.7 その他
6.1.1.2 睡眠モニタリングデバイス
6.1.1.2.1 睡眠トラッカー
6.1.1.2.2 手首装着型アクチグラフ
6.1.1.2.3 睡眠ポリグラフ
6.1.1.2.4 その他
6.1.1.3 心電計・胎児/産科用デバイス
6.1.1.4 神経モニタリングデバイス
6.1.1.4.1 脳波計
6.1.1.4.2 筋電計
6.1.1.4.3 その他
6.1.2 治療用デバイス
6.1.2.1 疼痛管理デバイス
6.1.2.2 インスリン/血糖モニタリングデバイス
6.1.2.3 リハビリテーションデバイス
6.1.2.3.1 加速度計
6.1.2.3.2 センシングデバイス
6.1.2.3.3 超音波プラットフォーム
6.1.2.3.4 その他
6.1.2.4 呼吸療法デバイス
6.1.2.4.1 人工呼吸器
6.1.2.4.2 陽圧呼吸療法(PAP)デバイス
6.1.2.4.3 携帯型酸素濃縮器
6.1.2.4.4 その他
6.2 デバイスタイプ別・日本の医療用ウェアラブル市場(2019~2035年)
6.2.1 パッチ
6.2.2 スマートウォッチ
6.2.3 活動量モニター・リストバンド
6.2.4 ヘッドバンド
6.2.5 その他
6.3 用途別・日本の医療用ウェアラブル市場(2019~2035年)
6.3.1 スポーツ・フィットネス
6.3.2 遠隔患者モニタリング
6.3.3 在宅医療
6.3.4 敏感肌
6.4 流通チャネル別・日本の医療用ウェアラブル市場(2019~2035年)
6.4.1 病院薬局
6.4.2 小売薬局
6.4.3 オンラインチャネル
規制枠組み
資金調達・投資分析
8.1 資金調達件数別分析
8.2 資金調達タイプ別分析
8.3 資金調達額別分析
8.4 主要企業別分析
8.5 主要投資家別分析
8.6 地域別分析戦略的取り組み
9.1 パートナーシップ件数別分析
9.2 施策タイプ別分析
9.3 主要企業別分析
9.4 地域別分析サプライヤーランドスケープ
10.1 ベンダーポジショニング分析
10.1.1 主要ベンダー
10.1.2 将来有望なリーダー企業
10.1.3 ニッチ市場のリーダー企業
10.1.4 ディスラプター/市場変革企業
10.2 国別市場シェア分析(上位5社)
10.3 Google
10.3.1 財務分析
10.3.2 製品ポートフォリオ
10.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.3.4 企業ニュースおよび事業展開
10.3.5 認証
10.4 Abbott
10.4.1 財務分析
10.4.2 製品ポートフォリオ
10.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.4.4 企業ニュースおよび事業展開
10.4.5 認証
10.5 Koninklijke Philips N.V.
10.5.1 財務分析
10.5.2 製品ポートフォリオ
10.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.5.4 企業ニュースおよび事業展開
10.5.5 認証
10.6 GE Healthcare
10.6.1 財務分析
10.6.2 製品ポートフォリオ
10.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.6.4 企業ニュースおよび事業展開
10.6.5 認証
10.7 OMRON Healthcare, Inc.
10.7.1 財務分析
10.7.2 製品ポートフォリオ
10.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.7.4 企業ニュースおよび事業展開
10.7.5 認証
10.8 Apple Inc.
10.8.1 財務分析
10.8.2 製品ポートフォリオ
10.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.8.4 企業ニュースおよび事業展開
10.8.5 認証
10.9 Dexcom, Inc.
10.9.1 財務分析
10.9.2 製品ポートフォリオ
10.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.9.4 企業ニュースおよび事業展開
10.9.5 認証
10.10 Fresenius Medical Care AG
10.10.1 財務分析
10.10.2 製品ポートフォリオ
10.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.10.4 企業ニュースおよび事業展開
10.10.5 認証
10.11 Boston Scientific Corporation
10.11.1 財務分析
10.11.2 製品ポートフォリオ
10.11.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.11.4 企業ニュースおよび事業展開
10.11.5 認証
10.12 Sotera, Inc.
10.12.1 財務分析
10.12.2 製品ポートフォリオ
10.12.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
10.12.4 企業ニュースおよび事業展開
10.12.5 認証
日本の医療用ウェアラブル市場 ― 流通モデル(追加分析)
11.1 概要
11.2 潜在的な販売・流通事業者
11.3 流通パートナー評価の主要項目キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)
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