Hiroshima Peace Program TSSアーカイブプロジェクト アイダホ大学&TSS 次世代継承プロジェクト2025
『切明千枝子さん被爆証言』『マレーシア人被爆2世と被爆者との約束』 9月3日世界配信開始!

被爆地にあるテレビ新広島(TSS)が取材した被爆証言などを若い世代の人たちと共に英訳し、世界へ向けて発信していくTSSアーカイブプロジェクトの関連企画「次世代継承プロジェクト」。
2024年1月からアメリカにあるアイダホ大学がこの企画を大学の日本語プログラム(担当講師:東條 梓さん)の公式教材として採用しており、今年は16名の学生が2作品の英訳に取り組んだ。これらの作品は、TSSアーカイブプロジェクト公式サイトで、9月3日から世界に向けて配信する。

英訳に参加した学生代表の感想
レニー・キニック
このプロジェクトに携わることができたのは本当に光栄であり、生涯忘れることのない貴重な機会となりました。日本語のスキルをみがけたし、何よりとても特別で大切なプロジェクトに貢献できました。
被爆者の皆さんが自分たちの経験を語る時に見せてくださった強さと勇気に心を打たれ、とても感動しました。今後もTSSが東條先生とともにこうしたプロジェクトに取り組み続けることを願っています。
このプロジェクトを通して、核戦争についての考え方や見方が大きく変わりました。そして、被爆者の証言を翻訳して誰もが読めるようにすることは非常に重要なことだと思います。被爆者の証言は、核兵器がもたらす身体的・精神的な被害の証であり、それを翻訳することで彼らの記憶や教訓を未来に伝えていくことができるからです。


ケーシー・グレーディ
この翻訳プロジェクトに携わることができたことを、心から光栄に思います。切明さんやラザクさんからのメッセージを聞く中で、戦争や第二次世界大戦中に広島で起きた出来事に対する新たな視点を持ちました。
このプロジェクトに取り組む前は、戦争についての知識はアメリカ側の視点から得たものでした。しかし、戦争に何の関わりもなかった人々の人生が、どれほど深く変えられてしまったかという個人的な体験を聞くことで、戦争に対する理解が大きく変わりました。
今回学んだメッセージをこれからも大切にし、できるだけ多くの人々と共有していきたいと思います。そして、平和のバトンを次の世代へとつなげていけるよう願っています。
ミア・ロレンジーニ
この翻訳プロジェクトに取り組む前は、広島や長崎の歴史について何も知りませんでした。歴史の教科書の中の数字でしかなかったものが、本当の人生を生きた人々の姿へと変わりました。この翻訳プロジェクトを通して、戦争の恐ろしさを広く伝えていかなければならないと思いました。原爆投下は過去に起きた出来事だけではなく、人々の人生を変え、そして今なお多くの人々に影響を与え続けています。だから被爆者の方々の体験を語り継いでいくことがとても重要だと思います。
過去を忘れないで、そして同じ過ちを繰り返さないために。そして原爆の被害者の方々に対する深い敬意を示したいです。あのような経験を、幼い年齢で乗り越えなければいけなかったことは想像できません。
この翻訳プロジェクトを通じて、核兵器のない未来を信じることができるようになりましたし、平和に向けて私たちが何をすべきかを考える貴重な視点を持つことができました。

オークレー・クロワード
このプロジェクトに取り組めたことは、本当に光栄でした。被爆証言を読み、英語話者の方々にも伝えられるよう日本語の知識を使って翻訳するという貴重な経験ができました。このプロジェクトに関わる前は、「原爆投下が第二次世界大戦を終結させた」という知識しかありませんでした。しかし今では、原爆が広島とその市民に与えた影響について、より深く理解することができました。それによって、核兵器の恐ろしさがより明確に感じられるようになりました。
多くの人は、原爆そのものの破壊力に注目するばかりで、広島で暮らしていた人々が実際にどのような体験をしたのかを考えることを忘れてしまいがちです。だからこそ、被爆者の証言を通じて、声を上げ語ってくださる方々の体験に耳を傾けることが非常に重要だと思います。そして、このような悲劇を二度と繰り返さないために、記録として残し続けていくことが必要だと思います。



アイダホ大学
1889年創立。米国アイダホ州北西部に位置する州立の研究型総合大学。州内トップの研究機関として地元の雇用や経済に大きく貢献している。多様な視点、革新的で創造的な考え方を育くむことに重点を置き、学部生および大学院生を対象に200以上の専攻科目を提供している。
モスコー市のメインキャンパスの他、州内各地にキャンパスと研究施設を備えている。
TSS アーカイブプロジェクト公式ホームページ
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