【名城大学】建築学科・谷田研究室「食のコミュニティ空間」をテーマにひと・本・コトがつながり、共創する場をプロデュース


名城大学理工学部建築学科・谷田真准教授研究室は、本学天白キャンパス近隣の飲食店「シオガマグチ・バル LUDENS」で「食のコミュニティ空間」をテーマにした空間づくりを進めています。本プロジェクトは、飲食を中心としながらも、ひと・本・コトがつながり、共創する場をデザインすることを目的としています。

【1.ポイント】
・名城大学天白キャンパス近隣の飲食店でスペインバル×発酵料理が楽しめる「シオガマグチ・バル LUDENS」で「食のコミュニティ空間」をテーマにした共創空間づくりが進行中。
・店内には段状のベンチを兼ねた本棚「ブックステップ」が設けられ、腰かけると視線の先に本が入り、食事中の会話の中で偶然の本との出会いが生まれる。さらに、ここに集うお客同士の距離は近く、偶然居合わせた他人と本を通じた新たなコミュニティの広がりが期待できる設計。
・置かれている書籍は鶴舞中央図書館の協力で、50冊程度が並び、その選書は本学学生グループ「サカバンブックス」が担当。書籍は定期的に入れ替えられ、食やお酒に関する本のほか、同店舗が発酵食材にも力を入れているため、発酵に関する書籍も設置。
・9月27日には本学公開講座『発酵ランチを食べて学ぶ!~カラダにも美味しい麹の魅力~』を同店舗で初開催し、「コトのつながり」もデザイン中。
【2.背景と設計デザインの意図】
本学のメインキャンパスがある名古屋市天白区塩釜口は、市内東部に位置し、住宅、商業施設、大学、病院などが立地する市街地と郊外地の風景が混在する。人によりそのイメージは様々だが、ポジティブに捉えれば「多様性のある街」とも言える。
本プロジェクトは、すでに散在する飲食店群の中に、新たな選択肢として「食のコミュニティ空間」を加えることで、この街の多様性をさらに加速させることを目指している。
2025年4月にオープンしたスペインバル×発酵料理が楽しめる「シオガマグチ・バル LUDENS」が入るテナントは、何世代にも渡り更新されてきた空間であり、消せぬ痕跡が良くも悪くもあちらこちらに散見される。それらをポジティブに受け止め、無垢の素材を用いて新旧のレイヤー化と統合化を図ることで、多様性に対して私たちなりの解き方を思考し、空間デザインを仕上げた。
また同店舗のオーナーは、本プロジェクトを契機にエリア内の同業者や学生たちと広く繋がることを望んでおり、この場所をコミュニティのハブとして機能させる目的で4つの仕掛けをデザインした。
①格子スリット
エントランスエリアを囲むように立つ格子スリット。幅広の面を使ってモノを並べたり、引っ掛けたりすることが可能で、そのモノが発する背景から、コトが生まれるキッカケをつくる。
②対話ベンチ(今後、整備予定)
ベンチに座りながら、背面に貼られたボードと対話できる場所。掲示されたカード類から発せられるメッセージが、ヒトとつながるキッカケをつくる。
③ブックステップ
段状に積まれたポーラスなベンチには、様々な本が立ち並ぶ。鶴舞中央図書館の協力のもと、本学学生グループが選書した本を通して新しい世界との出会いをつくる。
④チャレンジコーナー(今後、整備予定)
店の最深部、スリットで囲まれたコーナは、自らの思いをプレゼンしたり、アイデアを披露したり、企画を実験したりできる場所。スタートアップのキッカケをつくる。

【3.今後について】
書籍は、引き続き鶴舞中央図書館の協力を得て、本学学生グループ「サカバンブックス」が担当します。また、9月27日の同店舗での本学公開講座をはじめ、今後、本学と連携したイベント開催も検討中。ひと・本・コトがつながり、共創する場として継続的に仕掛けを展開予定です。
【4.シオガマグチ・バル LUDENS】
「LUDENS(ルーデンス)」はラテン語で“遊ぶ”を意味する言葉。その名の通り、LUDENSは誰もが遊び心を持って、気軽に楽しめるスペイン居酒屋。2025年4月にオープンし、発酵食品を取り入れたタパス(おつまみ)と、おいしいお酒を提供。あたたかな木のぬくもりに包まれた空間で、心と身体が喜ぶ美味しい「遊び」を、ゆったりと楽しめる飲食店。音楽や作品の発表など、様々なイベント・展示も開催可能で、地域に発信したい人たちが利用しやすい空間としての機能も持ち合わせている。
住所:〒468-0073 名古屋市天白区塩釜口2丁目1501 フェイム塩釜2F
営業時間:月~土、祝日、祝前日17:30~23:00(定休日:日 ※一部不定休)
【5.本件に関するお問い合わせ】
社会連携センター(白川)MAIL:ccr@ccml.meijo-u.ac.jp
●学生たちによる選書の様子


●ガジェットの作成・本の配置の様子



