金属スクラップの資源循環トレーサビリティを行うプラットフォーム「STELLAR HUB(TM)」サービス提供を開始
~解体工事等で発生する金属スクラップのトレーサビリティ情報の可視化~
エムエム建材株式会社(以下 MMK)とNTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)は、鉄鋼業・建設業・自動車生産等の製造業の資源循環業務における効率化や企業の環境価値創造に貢献するIT基盤である資源循環プラットフォーム「STELLAR HUB(TM)」※1(以下 本サービス)の提供を開始します。
本サービスは、MMKが事業主体として提供するものであり、建築物の解体工事や金属製品の製造・加工過程で発生する金属スクラップの資源循環に求められるトレーサビリティ※2を確立します。
- 背景
日本の鉄鋼業はCO2の排出量が多く、カーボンニュートラルの実現に向け、鉄鋼・建設・製造業界では、鉄鋼生産時のCO2排出量削減が期待できる電炉※3鋼材の活用と、主原料である金属スクラップ※4の調達に関心が高まっています。
一方で、金属スクラップから鋼材製品に至る資源循環は従来から確立しているものの、金属スクラップから鋼材製品までを一貫して俯瞰できるデータ基盤はまだ十分に整っておらず、流通・リサイクルの情報は点在しています。
そのため、資源循環性などの環境価値をより客観的に示す余地が大きく、金属スクラップの資源循環の透明性と信頼性を一層高めるために、サプライチェーン全体でデータを取得・共有できる仕組みづくりが期待されています。
また、品質の高い再生材が安定供給されるよう、再資源化の取り組みを高度化し、資源循環産業の発展をめざして制定された「再資源化事業等高度化法※5」が2025年11月21日に施行され、再生材の品質保証・不正防止と信頼性向上・環境負荷評価の観点から、再資源化プロセス※6におけるトレーサビリティは、より一層の注目を浴びています。
こうした状況を踏まえ、MMKとNTTドコモビジネスは、建築物の解体工事や金属製品の製造・加工過程で発生する金属スクラップの再資源化フローの可視化と資源流通に着目し、業界全体のDX実現に向けた共創事業として、本サービスの提供を開始します。
- 本サービスの概要

資源循環プラットフォーム「STELLAR HUB(TM)」概要図
「STELLAR HUB(TM)」は、建設業界などで発生する金属スクラップの取引情報を追跡する資源循環プラットフォームです。本サービスでは、各プレイヤー(施主、デベロッパー、総合建設業者、解体工事業者、金属リサイクル事業者、鉄鋼メーカー、ファブリケーター※7、鉄筋・金属加工業者等)間のサプライチェーン横断での金属スクラップ発生から、再資源化された電炉鋼材供給までのトレーサビリティを実現します。また、本サービスのシステム仕様・運用において、トレーサビリティの適切性に関して第三者認証機関からの認証取得を予定しており、資源循環性を裏付けることができる鋼材「STELLAR HUB STEEL(TM)」を展開します。
初期段階として、MMKが取り扱う資源の流れの可視化や認証の導入を通じて、流通形態の透明化を目指すことをSTEP1と位置づけ、サプライチェーンの透明性向上による資源の適正管理と健全な流通促進へ繋げつつ、段階的な機能拡張を行います。STEP2以降において順次機能を拡張し、本サービスをサプライチェーン上のユーザーの皆さまに広くお使いいただけるよう発展させていきます。
なお、本サービスのICT基盤には、NTTドコモビジネスが提供する再生資源循環プラットフォーム「CEMPF(R)(Circular Economy Management Platform)」を採用しています。
CEMPF(R)は、資源循環に必要なデータを一元管理し、トレーサビリティの確保や認証対応の機能を備えており、さらに排出事業者と需要企業をつなぐマッチング機能などの機能拡張を予定しており、サーキュラーエコノミーを加速させる多様な機能を備えた次世代ICT基盤です。
本サービス開始時期
2026年3月(予定)
- 両社の役割
(1) MMK
・NTTドコモビジネスと共同での事業検討
・建設鋼材・製鋼原料専門商社としての業界知見・ノウハウの提供
・「STELLAR HUB(TM)」の事業主体として、対象企業のニーズに応じたプロモーション、および業界内での資源循環に関するコンセプトの普及
・対象企業の要望・市場動向を踏まえ、サービス拡充に向けた新機能・追加要件をNTTドコモビジネスと共同で検討
(2) NTTドコモビジネス
・MMKと共同での事業検討
・「STELLAR HUB(TM)」のシステム開発と本サービスの運用
・サービス拡充に向けた新機能・追加要件をMMKと共同で検討し、追加機能の要件整理・実装を主導
・将来的なシステム拡張やサービス拡充に向けて技術的な検証を行い、最新のICTソリューションを提供
- 今後の展開
両社は、本サービスにおける共創事業を更に進め、企業のサプライチェーン全体のデータ連携を強化し、グリーン戦略の推進を加速します。本サービスにより、業界全体での持続可能なビジネスモデルの構築、新たな提供価値の創出、そしてカーボンニュートラル社会の実現に向けた変革を牽引します。
さらに、情報基盤のみにとどまらず、「循環型鉄鋼エコシステムの中核」として、透明性・信頼性・効率性を兼ね備えた未来志向のプラットフォームの実現を追求します。
エムエム建材株式会社は、2014年11月に、メタルワングループと三井物産グループの、建設鋼材事業と製鋼原料事業の統合により誕生した国内最大級の建設鋼材及び製鋼原料を取扱う鉄の専門商社です。三井物産株式会社、三菱商事株式会社、双日株式会社の各グループが持つ総合力を背景に、グループ会社と連携しながら、国内外での建設鋼材の販売や在庫・加工、各種工事の施工を行い、建造物等社会インフラの整備に携わっています。また、これら社会インフラの老朽化に伴う解体や製造工場等より発生するスクラップを回収・選別し、製鋼原料として国内外の鉄鋼メーカーに販売する循環型ビジネスも大きく展開しており、脱炭素時代に適応したビジネスに取り組んでおります。
詳細はhttps://www.mokmbs.com/をご確認ください。
「NTTコミュニケーションズ株式会社」は2025年7月1日に社名を「NTTドコモビジネス株式会社」に変更しました。法人向け総合ICT事業を担うNTTドコモビジネスは、企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として「つなごう。驚きを。幸せを。」をスローガンに、人と人をつなぎ、コミュニティをつなぎ、さまざまなビジネスをつなぐことで、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現をめざします。
詳細はhttps://www.ntt.com/をご確認ください。
※1 STELLAR HUB(TM)(ステラ ハブ)とは、STEEL CIRCULAR HUB(スチール サーキュラー ハブ)の名称を基にした造語であり、プラットフォーム上で多様な資源を効率的に取り扱い、循環を促進する仕組みを表現しています。
※2 トレーサビリティとは、原材料・部品の調達から加工・組立、流通、販売の各工程で製造者・仕入先・販売元などを記録し、履歴を追跡可能な状態にすることです。本サービスにおいては、製品寿命を終えた金属スクラップが新たな鋼材製品として生まれ変わるまでの、資源循環におけるトレーサビリティを行います。
※3 電炉とは、鉄スクラップを、電気炉で溶かして製鋼する手法や設備のことです。鉄スクラップを主原料とするため、環境負荷軽減の観点において重要な役割を果たします。また、電炉で作られる鋼材を「電炉鋼材」といいます。
※4 金属スクラップとは、建築物等の解体工程や、不要になった金属製品、製造工程で出る金属くずのことで、鉄スクラップをはじめとして銅、アルミニウムなど様々な種類があります。鉄スクラップは特に代表的な存在であり、再生資源として重要な役割を担っています。
※5 再資源化事業等高度化法とは、正式名称を「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」といい、「高度化法」と略されることもあります。効率的な再資源化の実施、再資源化の生産性の向上等による温室効果ガス排出量の削減効果が高い資源循環の促進を図り、環境の保全および国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした法律です。
※6 再資源化プロセスとは、使用済み製品をそのまま廃棄するのではなく、資源や材料として再利用できる状態に変換する一連の工程のことを指します。
※7 ファブリケーターとは、建築物の鉄骨部材を制作する会社や工場のことです。建築設計図面・仕様に基づき、鉄骨材料の調達から切断・溶接、表面処理、組立、品質管理までを一貫して担い、建設現場で用いる鉄骨を提供しています。


