睡眠中の呼吸と"朝の不調の関係"を整理する新たな取り組みを開始
近年、睡眠障害の相談件数は増え続けていますが、
その多くは「脳波」や「睡眠ステージ」の議論にとどまり、
睡眠中の“生理作用そのもの”に踏み込んだ議論はほとんど行われていません。
しかし、実際に多くの人が悩む
「朝起きても疲れが取れない」「頭が重い」「だるさが残る」
といった不調は、脳波だけでは説明しきれない現象です。
睡眠中の体は、脳だけでなく、
呼吸・血流・自律神経・酸素供給といった“体内環境の維持システム”が
静かに働き続けています。
ところが、この“体内環境の変化”に着目した睡眠研究は、
医学でも十分に整理されていません。
本稿では、
睡眠中の呼吸の浅さが、体内環境にどのような影響を与え、
翌朝の不調につながるのか
という視点から、見落とされてきた生理作用を整理します。
本取り組みでは、既存の生理学的知見を踏まえつつ、
睡眠中の呼吸の浅さが体内環境にどのように影響するかを整理することを目的としています。
本稿は研究成果の発表ではなく、既存知見と当社の取り組みをもとにした啓発的な解説です。
■ 健康の土台を支える「呼吸の質」という視点
健康の土台を支えるうえで、「質の良い呼吸」は重要な要素とされています。
呼吸が整うことで、自律神経や酸素バランスが安定し、
体内環境が整いやすくなる可能性が生理学的に指摘されています。
とくに、無意識の呼吸がわずかに深まるだけでも、
体にかかる負荷が軽減され、内臓が働きやすい状態がつくられるとされています。
人の呼吸の大半は無意識で行われており、
姿勢や環境のわずかな変化が呼吸の深さに影響することが報告されています。
こうした"呼吸の質の変化"は、
今回のテーマである 睡眠中の呼吸と朝の不調の関係 を理解するうえでも
欠かせない視点と考えられています。

■ 睡眠中の呼吸は、健康の"基盤"に関わる可能性
従来の睡眠研究では「睡眠の質=時間と脳波」とされることが多い一方、
近年では 呼吸の変化が体内環境に影響する可能性 が指摘されています。
睡眠中は呼吸が浅くなりやすく、
酸素が届きにくい時間帯であることが知られています。
しかし、この「睡眠中の呼吸の質」は医学的にも研究途上の領域であり、
社会的な認知は十分とは言えません。
私たちは毎日眠っていますが、
睡眠中にどのような呼吸変化が起きているかを自覚できている人は多くありません。
体の構造上、睡眠中には次のような状態が
誰にでも起こりうるとされています。
息苦しくても気づきにくい
呼吸が止まっても自覚しにくい
浅い呼吸が続いても気づけない
こうした「軽度〜中等度の低呼吸」は、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)ほど自覚されにくい一方で、
体内環境に影響する可能性が指摘されています。
この "無自覚の酸素不足の積み重ね" が、
長期的に健康へ影響する可能性があると考えられています。

■ 人は睡眠中の呼吸を自分で守れない
健康の基盤には、質の良い呼吸による
酸素供給・血流・自律神経バランスの安定が関わる可能性が
複数の研究で指摘されています。
私たちは人生の3分の1を
「呼吸が浅く、酸素が届きにくい」状態で過ごしています。
この時間に呼吸が浅く、胸郭の動きが小さい状態が続くと、
静脈還流が低下し、全身の酸素供給が揺らぐ可能性があります。
こうした夜間の酸素不足は、
脳や心臓を含む臓器の血流に影響する可能性があり、
長期的な健康リスクとの関連も報告されています。
■ 呼吸の質(深さ・胸郭・横隔膜・姿勢)は"重要な要素"
現在の医療機器では、睡眠中の「呼吸の質」を詳細に測定することは
難しいとされています。
SAS検査で分かるのは、
呼吸が止まったかどうか
何秒止まったか
といった量的な情報が中心です。
しかし、睡眠中の呼吸で重要とされるのは、
呼吸の深さ
胸郭の動き
頭の角度
舌根の位置
姿勢との連動
といった質的な要素です。
現状、これらを正確に測定できる装置は限られており、
■ 枕と呼吸の関係
睡眠中の呼吸に影響する要因の一つとして、
枕の高さや角度が挙げられています。
頭の角度が変わることで、
顎が下がる
舌根が落ち込みやすくなる
気道が狭くなる
といった変化が起こりやすいとされています。
つまり、枕の構造が呼吸に影響する可能性があるということです。

頭部と姿勢の連動
頭部と仙骨(骨盤の中心)の連動は、
呼吸のしやすさに関わる可能性があると指摘されています。
当社では、長年の観察を通じて、
頭部のわずかな固定が呼吸に影響する可能性に着目しています。
■ なぜ「枕」が呼吸に影響するのか
複数の要因が重なることで、
睡眠中の呼吸は弱まりやすくなると考えられています。
頭の角度が固定される
顎が下がりやすい
舌根沈下が起きやすい
胸郭の動きが制限される
横隔膜が十分に動かない
姿勢の連動が途切れる
これらが重なると、
無自覚のまま酸素不足の夜を過ごす可能性があります。
■ 当社の取り組み
当社では、睡眠中の呼吸の深さや胸郭の動きが
酸素供給や自律神経にどのように影響するかを整理するため、
バンドー化学社製の ResMo(テレメトリー式生体信号測定装置)を用い、
成人数名の仰臥位・覚醒状態で12分間の呼吸・姿勢の変化を観察する取り組みを継続しています。
少人数での観察であり、統計的な有意性を示すものではありません。
研究論文としての発表を目的としたものではなく、
呼吸の変化を理解するための社内の取り組みです。
■ まとめ
睡眠中の呼吸は自分で守れないため、
まずはその特性を知ることが重要です。
当社は今後も、
気道の構造・寝姿勢・呼吸の関係について
既存知見を踏まえた整理を続けていきます。
■ 締め
医学は「壊れた後」を治す力に優れていますが、
その根幹にあるのが、無意識で続く "呼吸の質" です。
当社は、体にわずかな物理的負荷がかかるだけで
呼吸が自然に深くなる仕組みを発見しました。
呼吸が整うと、酸素・血流・毛細血管が開き、
睡眠・代謝・免疫など、生命の土台が静かに整っていきます。
当社はアパレル3D設計で培った立体構造の知見をもとに、
この"呼吸の物理学"を体系化し、体内環境の改善に応用しています。
【会社情報】
トラタニ株式会社
代表:虎谷 生央
所在地:石川県かほく市
事業内容:
・ショーツ(アパレル)の企画・製造・販売
・睡眠中の呼吸・酸素環境・身体構造に関する研究
・寝具および関連技術の開発
特徴:
ショーツ開発で培った立体構造技術を応用し、
24時間の「呼吸の質を高め」体内環境適正化する。特許技術を30件以上保有。
公式サイト:https://toratani-kokyu.jp/




