水産飼料(アクアフィード)の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「水産飼料(アクアフィード)の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Aquafeed Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、水産飼料(アクアフィード)の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本の水産飼料(aquafeed)市場は、2025年時点で3.96トン規模とされ、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)6.2%で拡大し、2035年には7.23トンに達すると予測されている。レポートでは、魚粉・魚油への依存低減、昆虫タンパクや藻類由来オメガ3など代替原料への移行、RAS(循環式陸上養殖)や沖合養殖の拡大、高付加価値魚種向けの精密栄養設計が市場成長の主要因として挙げられている。なお、市場規模が「3.96 Tons」「7.23 Tons」とされている点は、水産飼料市場全体の規模としては極めて小さく見えるため、単位表記または元データのスケールに誤りがある可能性には注意が必要である。
成長率では、形態別のPelletsが予測期間中CAGR7.1%、ライフサイクル別のStarterがCAGR6.9%と、市場全体の6.2%を上回る伸びが見込まれている。これは、養殖現場で扱いやすく栄養組成を均一化しやすいペレットと、稚魚・幼生段階で生存率や初期成長を高める精密飼料への需要が強いことを示している。
日本市場の構造的なテーマは、魚粉・魚油を中心とする従来型原料からの転換である。レポートでは、魚粉・魚油供給網の不安定化を背景に、飼料メーカーや商社が次世代原料の確保を進めているとしている。2023年3月にはMarubeniが昆虫タンパク企業Ÿnsectと協力し、日本の養殖飼料市場への昆虫ミール導入を進めたとされる。
さらに2023年4月にはSumitomo CorporationがNutrition Technologiesと提携し、ブラックソルジャーフライ由来タンパク質の日本での独占販売権を取得したとされる。藻類由来原料ではVeramarisが2023年に生産量を50%増やしたと報告されており、昆虫タンパクと藻類オイルの双方が、魚粉・魚油代替の柱として位置付けられている。
RASの普及も市場を大きく変えている。陸上の閉鎖型・循環型養殖では、水質や飼育密度を細かく管理できる一方、成長速度、排泄量、水中安定性などを考慮した専用飼料が必要になる。2024年10月にはSkrettingがImari工場へ1,000万~1,500万ユーロを投資し、ブリやマダイ向けを含むRAS用飼料の製造能力を拡張する計画を発表したとされる。
2024年12月にはNTT CommunicationsがNTT Aquaを設立し、ICTを活用した陸上養殖システムを展開した。高密度飼育、遠隔モニタリング、魚種別飼料を組み合わせ、grower・finisher段階の生産効率向上を狙う仕組みとして紹介されている。これは、飼料市場が単独で成長するというより、デジタル養殖システムや陸上養殖インフラと連動して高度化していることを示している。
2026年2月にはFeed One、Dai Nippon Printing、Ehime Universityが、マダイ向けのミールワーム由来飼料を共同試験したとされる。こうした産学連携は、単に魚粉を代替するだけでなく、成長性能、疾病抵抗性、消化性などを維持しながら、代替タンパクを商業レベルまで引き上げるための重要な取り組みである。
生産能力増強も進んでいる。2025年8月にはFeed Oneが愛知県に8,970万米ドル規模の新しい水産飼料工場を計画したとされ、気候変動、海水温上昇、天然資源減少に対応した高性能配合飼料の供給力を高める狙いが示されている。別の箇所では2025年6月にToyokawaで9,100万米ドルの大型工場投資が発表されたとあり、金額・時期に若干の違いがあるため、同一案件の記載揺れか別案件かは元資料の確認が必要である。
サステナビリティ認証も競争力を左右し始めている。2025年3月にはSkrettingのImari工場が、日本で初めてASC承認を受けた飼料工場になったとされる。これにより、サーモンやマダイなど高付加価値魚種向け飼料について、原料の責任ある調達やトレーサビリティを訴求しやすくなり、輸出やプレミアム市場への対応力も高まる。
魚種別では、Fish Feedが市場成長を主導している。特にサーモン、ブリ、マダイの生産増加と、RAS・陸上養殖の拡大が需要を押し上げている。一方、ホタテやカキ向けのMollusk Feed、カニやエビ向けのCrustacean Feedも、魚種別に最適化された配合飼料の開発によって拡大している。
魚用飼料では、魚粉削減と高性能化が同時に進んでいる。Feed Oneは2023/24年の統合報告書で、マダイ向け魚粉不使用飼料を開発したとされ、Nissuiもブリなどの沖合・陸上養殖で遠隔給餌システムを進めている。高級魚市場では、飼料コストだけでなく、肉質、成長安定性、歩留まり、フードセーフティまで含めた性能が重要になっている。
添加剤別では、アミノ酸、ビタミン・ミネラル、プロバイオティクス、酵素、抗酸化物質などに分類される。アミノ酸やビタミン・ミネラルは成長や飼料効率の基本要素として重要で、プロバイオティクスや酵素は消化性や腸内環境改善の観点から需要が高まっている。2024年4月にはAjinomotoがサーモン・ブリ飼料向けの飼料用リジン製品を投入したとされる。
特にプロバイオティクスは、魚や甲殻類の腸内環境、免疫応答、ストレス耐性を改善する目的で採用が増えている。BacillusやLactobacillus系を用いた製品が、稚魚・稚エビの生存率や生産性改善を狙って導入されているとされ、単なる成長促進から「健康維持型飼料」への転換を示している。
形態別では、Pellets、Extruded Feed、Powder、Liquidに分類される。このうちPelletsは大規模養殖で主流になっており、扱いやすさ、栄養の均一性、飼料ロス低減が強みである。特にブリ養殖では、生魚をそのまま餌として使う方式からペレットへ移行することで、品質の均一化や腐敗リスク低減を図る動きが進んでいる。
Extruded Feedも高付加価値魚種で重要性を増している。Skrettingは日本のクロマグロ向けにMaGroというソフト押出ペレットを開発し、従来の餌魚よりも嗜好性や取り扱い性を高める製品として展開している。押出飼料は水中安定性や消化性の面で利点があり、高級魚養殖での効率化につながる。
ライフサイクル別では、Starter、Grower、Finisher、Broodstockに分類される。Starterは微細ペレットや粉末状で、幼生・稚魚の初期生存と成長を支える。Growerはタンパク質とエネルギーを最適化して成長速度を高め、Finisherは最終的な肉質や商品価値、Broodstockは繁殖能力や卵質を重視する。
StarterではFeed OneのAmbroseシリーズが例として挙げられ、超微粒子、DHA、強化油脂、タウリンなどを組み合わせて消化性と嗜好性を高めているとされる。この分野では魚粉を低減・不使用とする処方も進み、幼魚段階から資源効率の高い飼料へ移行する流れが強まっている。
競争環境では、Feed One、Marubeni Nisshin Feed、DAINICHI、Nissuiが主要企業として紹介され、このほかNosan、Nutreco傘下のSkretting、ADM傘下のBern Aquaなどが挙げられている。各社の競争軸は、魚種別・成長段階別の処方開発、魚粉削減、マイクロペレット、プロバイオティクスなどの機能性添加剤、RAS向け飼料、トレーサビリティに集約されている。
Feed Oneは魚類・甲殻類向けの幅広い飼料を展開し、陸上・沖合養殖向けのステージ別処方と持続可能原料の開発を進めている。Marubeni Nisshin Feedはサーモン、ブリ、甲殻類向けに栄養効率を重視した製品を供給し、DAINICHIは機能性添加剤と魚種別処方、Nissuiはペレット・押出飼料・特殊飼料と養殖事業を組み合わせている。
総合すると、日本の水産飼料市場は、単純な「養殖量の増加」で伸びるというより、「高付加価値魚種」「RAS・陸上養殖」「魚粉代替」「機能性添加剤」「成長段階別精密栄養」によって高性能化する市場といえる。特にPelletsのCAGR7.1%、StarterのCAGR6.9%は、効率と精密栄養が市場全体を上回る速度で伸びることを示している。
2035年に向けた主要テーマは、「昆虫タンパク」「藻類由来オメガ3」「魚粉フリー飼料」「RAS専用飼料」「Pellets・Extruded Feed」「Starter Feed」「プロバイオティクス」「トレーサビリティ」「ASC認証」「ICT連携養殖」に集約できる。日本のaquafeed市場は、従来の魚粉依存型飼料市場から、原料調達の持続可能性、魚種・成長段階別の精密栄養、デジタル養殖との統合を重視する高機能飼料市場へ移行していくと考えられる。
※目次構成
エグゼクティブサマリー
1.1 市場規模(2025~2026年)
1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
1.3 主な需要促進要因
1.4 主要企業と競争構造
1.5 業界のベストプラクティス
1.6 最新動向と最近の展開
1.7 業界見通し市場概要およびステークホルダー分析
2.1 市場動向
2.2 主要産業分野
2.3 主要地域
2.4 サプライヤーの交渉力
2.5 買い手の交渉力
2.6 主な市場機会とリスク
2.7 ステークホルダーによる主要施策経済概要
3.1 GDP見通し
3.2 一人当たりGDPの成長
3.3 インフレ動向
3.4 民主主義指数
3.5 政府総債務比率
3.6 国際収支(BoP)の状況
3.7 人口見通し
3.8 都市化動向カントリーリスク分析
4.1 カントリーリスク
4.2 ビジネス環境アジア太平洋地域の水産養殖飼料市場概要
5.1 主要業界ハイライト
5.2 アジア太平洋地域の水産養殖飼料市場の過去実績(2019~2025年)
5.3 アジア太平洋地域の水産養殖飼料市場予測(2026~2035年)日本の水産養殖飼料市場概要
6.1 主要業界ハイライト
6.2 日本の水産養殖飼料市場の過去実績(2019~2025年)
6.3 日本の水産養殖飼料市場予測(2026~2035年)
6.4 魚種別・日本の水産養殖飼料市場
6.4.1 魚類用飼料
6.4.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.2 軟体動物用飼料
6.4.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.3 甲殻類用飼料
6.4.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.4 その他
6.5 添加物タイプ別・日本の水産養殖飼料市場
6.5.1 アミノ酸
6.5.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.2 ビタミン・ミネラル
6.5.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.3 プロバイオティクス
6.5.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.4 酵素
6.5.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.4.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.5 抗酸化剤
6.5.5.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.5.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.6 その他
6.6 形状別・日本の水産養殖飼料市場
6.6.1 ペレット
6.6.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.2 エクストルーダー飼料
6.6.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.3 粉末
6.6.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.6.4 液体
6.6.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.6.4.2 予測推移(2026~2035年)
6.7 成長段階別・日本の水産養殖飼料市場
6.7.1 初期育成用
6.7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.2 育成用
6.7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.3 仕上げ用
6.7.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.7.4 親魚用
6.7.4.1 過去の推移(2019~2025年)
6.7.4.2 予測推移(2026~2035年)
- 市場ダイナミクス
7.1 SWOT分析
7.1.1 強み
7.1.2 弱み
7.1.3 機会
7.1.4 脅威
7.2 ポーターの5フォース分析
7.2.1 サプライヤーの交渉力
7.2.2 買い手の交渉力
7.2.3 新規参入の脅威
7.2.4 競争の激しさ
7.2.5 代替品の脅威
7.3 主要需要指標
7.4 主要価格指標
- 競争環境
8.1 サプライヤー選定
8.2 主要グローバル企業
8.3 主要地域企業
8.4 主要企業の戦略
8.5 企業プロファイル
8.5.1 Feed One Co., Ltd.
8.5.1.1 企業概要
8.5.1.2 製品ポートフォリオ
8.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.1.4 認証
8.5.2 Marubeni Nisshin Feed Co., Ltd.
8.5.2.1 企業概要
8.5.2.2 製品ポートフォリオ
8.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.2.4 認証
8.5.3 DAINICHI Corp.
8.5.3.1 企業概要
8.5.3.2 製品ポートフォリオ
8.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.3.4 認証
8.5.4 Nissui Corporation
8.5.4.1 企業概要
8.5.4.2 製品ポートフォリオ
8.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.4.4 認証
8.5.5 Nosan Corporation
8.5.5.1 企業概要
8.5.5.2 製品ポートフォリオ
8.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.5.4 認証
8.5.6 Nutreco N.V.(Skretting)
8.5.6.1 企業概要
8.5.6.2 製品ポートフォリオ
8.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.6.4 認証
8.5.7 ADM Co.(Bern Aqua NV)
8.5.7.1 企業概要
8.5.7.2 製品ポートフォリオ
8.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
8.5.7.4 認証
8.5.8 その他
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