95歳の宗教学者・山折哲雄が、混迷する時代を生き抜くための日本精神を説く『死の覚悟』10/16発売。
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、『死の覚悟――日本人らしさとは何か』(山折哲雄著/税込1,320円)を2026年10月16日にPHP新書創刊30周年記念ラインナップの1冊として刊行いたします。国際情勢の混迷や自然災害、テクノロジーの急伸により揺らぐ現代社会において、長年、日本精神史を探求してきた宗教学者の山折哲雄氏が、古典から現代文化、最新政治まで縦横無尽に読み解き、「日本人らしさ」の核心と「死の覚悟」の意味を問い直す渾身の一冊です。

■不確実な時代に日本人が立ち返るべき精神
戦争の足音が絶えず、気候変動や巨大地震の脅威、さらにはAI(人工知能)の急速な台頭によって文明そのものが変容を迫られる現代。「日本人らしさとは何か」「いかにして不確実な時代を生き抜くか」という問いに対して、従来の思想や既成概念だけでは答えを見出すことが困難になっています。数々の著作で日本の宗教観・精神史を照らし出してきた山折氏は、歴史の転換点に立つ現代日本に必要なヒントとして「死の覚悟」という言葉に着目しました。先人たちが災害や戦乱をいかに乗り越えてきたかを紐解き、日本人が立ち返るべき精神的基盤を提示します。
■本書のポイント
- 政治手法からカルチャーまで――身近な現象に潜む「死の覚悟」
『葉隠』や『曽根崎心中』といった古典文学にとどまらず、歴代首相の政治パフォーマンス(もどき・かぶく・尉面)、大ヒット映画『国宝』における「死ぬ(る)覚悟」の演劇的表現、さらにはフィギュアスケート選手(羽生結弦氏・浅田真央氏)の舞いに宿る能楽的身体感覚まで、多彩な切り口から日本人の死生観・精神構造を抽出します。
- 文明の「三層構造」と先覚者たちの知恵
日本列島と日本人の意識を「縄文(深層観点/無常観)」「弥生(中層観点/勤勉・対症療法)」「近代(表層観点/合理主義)」の重層構造として捉え直します。寺田寅彦の「天然の無常」や和辻哲郎の「モンスーン的風土」、明治の先駆者(福澤諭吉・内村鑑三・柳田國男)の思想を対比させながら、災害や危機に柔軟に対処してきた日本独自の知恵を再評価します。
- AI・科学技術時代における「いのち」の探求
終章では、松下幸之助による家電普及から「三種の神器」による欲望の拡大、筑紫哲也氏が問いかけた20世紀史と『鉄腕アトム』の葛藤を俯瞰。超絶一神教の衝突やAIの「神格化」が進む未来において、単なる機能やパワーの追求ではなく、アニミズムに根ざした「いのち」や「こころ」の感覚をいかに守るべきかを問いかけます。
■『死の覚悟』について
目次
第一章 老化する文明と日本人
もどく首相、かぶく首相/岸田首相と「尉面」/小泉首相の叫びと「死ぬ覚悟」/『国宝』の「死ぬ(る)覚悟」/「怨念の連鎖」を止めるには/戦友たちの無念を抱えて/超絶一神教の嵐
第二章 解体する文明と日本人
ロンドン大学と鈴木大拙/「人権」を守るために戦う/井伏鱒二『黒い雨』の真実/英国に学ぶ「継承」の本質
第三章 蘇生する文明と日本人
日本列島の三層構造/寺田寅彦の「天然の無常」/和辻哲郎の「モンスーン」的風土/関東大震災/内村鑑三の先駆的な政策課題/大谷翔平とメッシ――「神への感謝」と胴上げ
第四章 京都と日本人
京都御所:姿をかき消した聖空間/鷹峯:キレる万能のアーティスト/松尾大社:上半身は「神」、下半身は「仏」/洛中の路地:京都人の誇りの核心
終 章 科学技術と日本人
松下幸之助がともした灯/『鉄腕アトム』のエネルギー/AIは「神」になるか/「神殺し」の欲望
著者プロフィール
山折哲雄(やまおり・てつお)
宗教学者・評論家。
1931年、米国サンフランシスコ生まれ。岩手県花巻市出身。東北大学インド哲学科卒業。国際日本文化研究センター名誉教授(元所長)、国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。著書に『悲しみの精神史』『宗教の力』(いずれもPHP研究所)など多数。

書誌情報
タイトル:死の覚悟
サブタイトル:日本人らしさとは何か
著者:山折哲雄
判型・製本:新書判並製
ページ数:184ページ
定価:1,320円(税込)
発売日:2026年10月16日
ISBN:978-4-569-86188-3
レーベル:PHP新書
発行元:PHP研究所

PHP新書創刊30周年について
PHP新書は、本年10月に創刊30周年を迎えます。PHP研究所が創設50周年を迎えた1996年10月に、「めまぐるしく変化する現代において、人生の確かな価値を見出し、生きる喜びに満ちあふれた社会を実現したい」という願いを込めて、PHP新書は産声をあげました。 以来30年。先達が培ってきた知恵を紡ぎ直し、自分たちがおかれた現実と未来を丹念に考える「思索の旅」を、多くの読者の皆様と共に歩んできました。創刊30周年を通過点として、これからも多様な「知る喜び」をお届けしてまいります。
【創刊30周年記念ラインナップ】
9月刊
『武器としての経営思考』岩尾俊兵 著
『ジャパン・アズ・オンリーワン』佐宗邦威 著
『独裁者の手口』大澤 傑 著
10月刊
『思考の方法』養老孟司 著
『経済のニュースは噓ばかり』髙橋洋一 著
『死の覚悟』山折哲雄 著
11月刊
『未練がましく生きる』藤原正彦 著
PHP研究所について
PHP研究所は、「繁栄によって平和と幸福を(Peace and Happiness through Prosperity)」というスローガンを掲げ、1946(昭和21)年11月3日、松下幸之助によって創設されました。以来、人と組織の成長発展に貢献すべく、研究・出版・人材開発の3つの事業を展開しています。



