「学ぶ場所」をもう一度 ── ポーランド・マルキ市の教育センターが、避難した子どもたちの学習環境整備に向けクラウドファンディングを開始
パンデミックと本国の危機で途切れた日常 机・椅子・PCなど、最も基本となる学習環境を整えるために
ポーランド・マルキ市でウクライナから避難している児童を受け入れる教育センター「Educational Center Children of Ukraine（代表 Natalia Voloshko）」が、新校舎の教室に必要な机・椅子・PC・モニターなどを整備するため、日本でクラウドファンディングを開始しました。
現在も施設に対し受け入れの希望は増え続けていますが、設備などの不足によりすべての子どもを迎え入れられているわけではありません。今回の取り組みは、子どもたちが「学ぶ」という行為を再び取り戻すために欠かせない、基礎的な学習環境を整える目的で実施されるものです。
【背景：長く途切れた教育環境と、いま必要とされているもの】
2020年の世界的なパンデミック、そして2022年の本国の危機がシームレスに連続して繋がってしまっていることで、現在のウクライナの子どもたちの教育環境は長期的に不安定な状況に置かれています。子どもたちにとっても避難先での生活は決して容易ではなく、言語・文化・制度が異なる環境で、学び続けていくことは大きな負担を伴う状況です。
このようなギャップを埋める存在として、避難先における民間の教育支援の拠点が重要な役割を果たしています。しかし時間の経過とともに支援活動そのものが疲弊していくなか、現実との間にはさまざまな課題も生まれています。学びたいと願う子どもがいても、座る場所がなければ希望は叶いません。
【現状：基本的な設備や備品の不足が学習機会を制限】
同センターは新校舎のスペースこそ確保していますが、教室として適切に運用するための机・椅子・PCといった備品が十分ではありません。
年齢も学習歴も異なる子どもたちを、限られた設備を活用しながら授業を成立させている状況です。
教育事業においては、理念とともに具体的な教育環境の整備が欠かせません。
従いまして、今回のクラウドファンディングでは子どもたちが安心して学べる環境の整備を目指しております。目標金額は81万円とし、その支援金は、Educational Center Children of Ukraine に全額送金され、現地において教室机・椅子、IT・マルチメディア機器の購入費として使用されます。
本クラウドファンディングは All or Nothing 方式が採用されており、目標金額に届かなければ支援金は一円たりとも受け取れません。
そのため、現在もっとも切実な部分 ──「教室として成立する最低限の備品」── に目的を絞っています。
【Educational Center Children of Ukraineが行う支援活動】
センターでは、避難先での生活を支えるために必要な基礎教育を中心に据えています。
異なる社会のなかで日常の生活を再構築していくためには、学ぶための軸が必要です。
またセンターでは、アートや音楽、ミュージカルといった 文化・表現活動を重視しています。
現代は他者の物語を語りにくい時代です。経験の有無が過度に問われ、想像や創作の役割が見えにくくなることがあります。
しかし、創造的な試みは本来「実存」に根ざした行為です。人は経験の大小を超えて、想像し、世界を捉え直し、未来を描いてきました。
その力が現在の社会のなかで薄れつつあるいま、文化・表現の実践的な教育は、未来を取り戻すための重要な基盤です。
教育とは、知識の伝達にとどまらず、 現実を乗り越え、希望を実現し、未来を描く力を取り戻す営みそのものです。
【現地との接続：センターの日常を共有する】
ご支援くださいました方には、センターの日常や子どもたちの活動を共有するための非公開コミュニティ（Discord）をご案内します。
教室の様子、作品づくり、イベントの準備など、現地の活動を可能な範囲で伝えます。
支援の先が見えにくい取り組みも多いなかで、「どこに届き、何を支えているのか」が見える関係を築くための試みです。
センターと支援者のあいだに継続的な関係を築くことを目指しています。
【クラウドファンディング概要】
今回のクラウドファンディングの目的は「新校舎における学習環境の基盤を整える」こととしております。
目的：新校舎の備品（机・椅子・PC・モニター）の整備
方式：All or Nothing（目標未達の場合は全額返金）
目標金額 : 81万円
期間：2025年12月3日〜2026年1月31日
実行者：Office Giri（クラウドファンディング担当）
運営：Educational Center Children of Ukraine（ポーランド・マルキ市）
【結び】
センターにとって、学習環境の整備は喫緊の課題です。
必要なのは、決して特別な設備ではなく、安心して座り、学び、表現できる環境です。
子どもたちが学びを続けるための環境は、日々の支援に関わる人々の弛みない、不断の努力によって支えられています。
今回のプロジェクトは、現場で子どもたちと向き合う人々の営みが途切れないよう、もっとも基礎となる部分を整えるための取り組みです。
学びを続けるための「場所」を整えることに、どうか力をお貸しください。
どうか、よろしくお願い申し上げます。
【問い合わせ先】
本件に関し、ご不明な点、あるいはご質問等ございましたら、以下の連絡先までお問い合わせください。
Office Giri
担当：阿部 一朗
Email：info@officegiri.com
（Educational Center Children of Ukraine）
https://www.childrenofukraine.net/en
