内視鏡で「異常なし」でもツラい過敏性腸症候群(IBS)の正体。平日に悪化する理由と、お腹の弱さを克服する最新治療

「通勤電車や大事な会議の前に、突然激しい腹痛に襲われてトイレに駆け込んでしまう」「旅行に行きたいけれど、近くにトイレがない環境が怖くて外出をためらう」……。 そんな、病院の検査では「どこも悪くない」と言われるのに、日常生活に深刻な支障をきたすお腹のトラブルに悩まされていませんか?
夏本番を迎えるこの時期は、冷房による冷え(寒冷刺激)や、仕事のプレッシャーによる自律神経の乱れから、こうしたお腹の不調が特に悪化しやすい季節です。
池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院の柏木宏幸院長が、ストレスや冷えでお腹が痛くなる現代病「過敏性腸症候群(IBS)」について徹底解説。普通の腹痛との見分け方や避けるべきNG食品、そして「体質だから」と諦めていたお腹の弱さに対する最新の医療アプローチまで、お腹の専門医の本音をお届けします。
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💡 内視鏡では「異常なし」…なのに生活が崩壊する病気「IBS」とは?
過敏性腸症候群(IBS)とは、大腸に炎症や潰瘍といった目に見える異常がないにもかかわらず、腹痛を伴う下痢や便秘が慢性的に続く病気です。
「IBSは腸の『機能(動き)』の問題なので、基本的に内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)で中を見ても異常が見つかりません。しかし、患者さんにとっては非常に深刻で、日常生活や仕事に大きな支障をきたすことが多いのが特徴です(柏木院長)」
腸には膨大な数の神経細胞が分布しており、脳からの指令がなくても自ら動けるため「第2の脳」とも呼ばれます。この腸管神経系と脳(中枢神経系)は、自律神経を介して双方向に情報をやり取りしており、これを「脳腸相関(brain-gut interaction)」と呼びます。 そのため、ストレスやプレッシャー、あるいは夏特有のエアコンによる急激な寒暖差などが加わると、腸が過剰に反応して暴走してしまうのです。
【IBSの3つのタイプ】
下痢型: 突然激しいお腹の痛みに襲われ、トイレに駆け込む。通勤・通学、外出が最も恐怖になるタイプ。
便秘型: 腸の動きが悪くなり、お腹の張りや痛みが続く。ガスが溜まってさらに苦しくなる。
混合型: 下痢と便秘が数日ごとに交互に繰り返され、お腹の状態が一定しない。
💡 普通の腹痛と何が違う?「平日に悪化して土日に治る」謎
食べすぎや消化不良による「普通の腹痛」は、排便に関係なく痛みが持続することが多いものです。しかし、IBSの腹痛には明確な特徴があります。
それは、「排便をすると、急激に腹痛がラクになる(軽快する)」という点です。腸が過剰に動きすぎていることが痛みの原因であるため、出してしまえば一度は落ち着きます。
また、IBSはスケジュールやメンタルの状態に驚くほど左右されます。 「仕事がある平日は朝からお腹が痛くて最悪なのに、お休みの土日になると嘘のように症状が消えてラクになる」というケースは、典型的なIBSのサインです。
💡 【食事で防ぐ】お腹を刺激するNG食品と、プロ推奨の「低フォドマップ食」
IBSの症状は、毎日の食事を少し意識するだけでもコントロールしやすくなります。まずは、腸に過度な負担をかける以下の食品をできる限り避けましょう。
避けるべきNG食品: カフェイン(コーヒー・緑茶)、アルコール、脂っこい食べ物、激辛などの香辛料、炭酸飲料、人工甘味料。
牛乳・乳製品にも注意: 飲むとお腹を下しやすい人は「乳糖不耐症」の可能性があるため、控えた方が無難です。
★専門医が注目する「低フォドマップ(FODMAP)食」とは?
フォドマップとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵してガスを発生させやすい「特定の糖質」の頭文字をとった言葉です。これらが少ない食材(米、魚、肉、熟しすぎていないバナナなど)を選ぶ「低フォドマップ食」を取り入れることで、お腹の張りや痛みが大幅に改善することが期待できます。 ※便秘型には玄米や根菜などの食物繊維が有効ですが、下痢型が摂りすぎると逆効果になる場合もあるため注意が必要です。
💡 「一生このまま…」と諦めないで!IBSには「専用の治療薬」がある
お腹が弱い人の中には「ただの体質だから、一生付き合っていくしかない」と思い込んでいる方が非常に多くいます。しかし、現代の医学において、IBSには非常に優れた「専用の治療薬」が存在します。
「実は、私自身もIBSの症状に困ることがすごく多いんです(笑)。でも、今は良いお薬がたくさんあります。下痢型に有効な専用の治療薬に加え、腸の動きを整える薬、便の水分バランスを調整する薬などを症状に合わせて組み合わせることで、外出や通勤の不安が大きく軽くなる方が多くいらっしゃいます(柏木院長)」
便秘型には慢性便秘症の最新薬、どちらの症状も出る混合型や腹痛・お腹の張りには漢方薬を用いるなど、オーダーメイドの治療が可能です。
🦉 20代・30代のビジネスパーソンが続々来院。まずは「安心」を手に入れよう
池袋という場所柄、同クリニックには「仕事のプレッシャーでお腹を下すようになった」という20代・30代のビジネスパーソンや、「中学時代からずっとお腹の弱さに悩んできた」という方が数多く相談に訪れます。適切な処方によって「外出や会議が怖くなくなった!」と笑顔を取り戻していく患者さんが大勢います。
IBSの治療を始める上で最も大切なのは、「まず内視鏡検査を行い、大腸がんや潰瘍性大腸炎など、他の重い病気が隠れていないか(本当に異常がないか)を確認すること」です。
「ただのお腹の弱さ」と我慢せず、まずは気軽に消化器内科のドアを叩いてみてください。
【クリニック概要】
院名: 医療法人社団アイメッド 池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院
院長: 柏木 宏幸(かしわぎ ひろゆき)
所在地: 〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-21-1ラグーン池袋6F

