AIで解析業務を自動化するCAEソフト 「ADVENTURECluster2026」リリース
~「誰が解析するか」問題解消の一手~
株式会社アライドエンジニアリング(SCSKグループ、本社:東京都江東区、代表取締役社長:高口 英樹)は、CAE構造解析ソフトの最新バージョン「ADVENTURECluster2026」を2026年10月1日にリリースします。
ADVENTURECluster(アドベンチャークラスター)は、数千万から一億節点を超える大規模メッシュモデルの構造評価を超高速で実現する国産ソフトウェアです。2001年の初版リリース以来、主要自動車メーカーをはじめ、建機・農機、重電・重工、精密機械、電気電子など国内100社以上に導入されています。本バージョンでは、自然言語による指示だけで解析条件の設定から解析実行、結果確認までを自動化する「AI Expert」を新たに搭載しました。これにより、解析業務の属人化解消と、設計者自身によるCAE活用の拡大を支援します。さらに、位相最適化における計算時間の短縮と振動特性を考慮した設計への対応、薄物形状やゆがんだ要素を含む大規模モデルへの解析適用範囲の拡大、接触解析の高精度化、変形評価の精度向上など、設計・製造現場が直面する課題の解決に直結する機能強化を実施しました。

- 新製品 AI Expert
AIによる解析業務の自動化
●自然言語だけで解析設定から結果確認まで自動化
自然言語で指示するだけで、解析条件の設定から実行、結果確認までの一連のプロセスを自動化できるようになりました。
従来、ADVENTUREClusterによる解析には専門知識や運用経験が求められ、結果の確認にも解析担当者への依頼が必要となるケースが多く、CAE活用の拡大における課題となっていました。
本バージョンでは、新製品「AI Expert」を搭載。例えば設計者は「最大応力はどこか」と質問するだけで、解析結果を迅速に確認できます。これにより、解析の専門家でなくても必要な情報へ容易にアクセスでき、CAE活用の裾野を大きく広げます。
また、解析担当者にとっても、AIが過去の類似モデルとの違いを判断しながら解析条件の設定を支援するため、繰り返し発生する設定作業の負担を軽減できます。これにより、より高度な解析や課題解決に注力できる環境を実現します。

- 新機能
解析準備・実行の高度化
●位相最適化の計算時間を短縮し、振動特性を考慮した設計にも対応
位相最適化の計算時間を短縮するとともに、振動特性(固有振動数)を取り扱えるようになりました。
型抜き制約を含む位相最適化は非線形性が強く、収束しにくいため計算に時間を要していました。計算アルゴリズムを改善した結果、計算時間を数割削減できるようになり、モデルによってはこれまでの15%程度まで短縮する効果も確認されています。位相最適化を活用した設計検討を従来より短期間で進められます。
振動特性については、既存のバージョンでは最適化形状を得た後に振動解析で評価し、必要に応じて設計を見直す必要がありました。新たに固有振動数を評価関数や制約条件として設定できるようになったことで、軽量化と振動性能を両立した形状を最適化の段階から導き出せます。例えば、固有振動数を初期形状から50%向上とする条件を設定して最適化することで、目標とする振動特性を満たす形状を求めることができます。エンジンやトランスミッションのマウント設計など、振動特性が重要な部品開発において、軽量化と振動性能を両立した設計検討を効率的に進められます。

●薄物形状やゆがんだ要素を含むモデルへの対応を強化 ― AMG法対応
薄物形状やゆがんだ要素を含む大規模モデルに対する解析の適用範囲を拡大しました。
従来、このようなモデルでは計算が収束しにくく、解析条件によっては十分な結果を得ることが難しい場合がありました。
AMG(Algebraic Multigrid)法への対応により、これまでは収束が難しかったモデルにも適用できるケースが広がりました。薄物形状やゆがんだ要素を含むモデルに対する解析活用の幅が広がり、設計段階での評価や検討に役立ちます。AMG法は収束が難しい問題への適用が期待できるほか、比較的少ないメモリー使用量で解析を実行できるため、より幅広いモデルへの解析活用を支える基盤技術となっています。

評価精度の向上
●ボルトの緩み予測など接触解析の高精度化を実現 ― 新摩擦モデル搭載
接触部で発生する複雑な挙動を、より高精度に評価できるようになりました。
製品や機械の接触部では、繰り返し荷重や振動によって微細な滑りが発生し、その蓄積が性能低下や不具合につながることがあります。しかしこれまでの解析では、こうした現象を十分に再現することが困難でした。
適用例の一つとして、繰り返し荷重によるボルトの緩み挙動の予測があります。自動車部品や産業機械の締結部評価をはじめ、接触や摩擦が重要となるさまざまな解析への活用が期待されます。
この機能は、新たに搭載した「Hashiguchi摩擦モデル」により実現しています。接触面で発生する微細な滑りの蓄積挙動を再現できるため、従来より高精度な接触解析が可能になります。

●変形の“本当の原因”だけを可視化し評価精度を向上 ― 位置合わせ機能
製品品質に影響する「そり」や「ゆがみ」を、より正確に評価できるようになりました。
部品の変形を評価する際、本来確認したい形状の変化だけでなく、部品全体の移動や回転も結果に含まれてしまうため、実際にどこがどの程度変形したのかを把握しにくい場合がありました。
新たに追加した位置合わせ機能により、変形前後の形状を自動的に重ね合わせ、本当に評価したい形状変化だけを可視化できるようになりました。これにより、部品のそり評価や収縮補正、治具の精度評価などにおいて、変形の原因をより正確に把握できます。
この機能は、変形後の形状を変形前の形状に位置合わせすることで、部品全体の移動や回転の影響を除去し、純粋な形状変化のみを表示することで実現しています。

- 今後の展望
AIの発展により、ものづくりの現場やエンジニアリングの手法、そしてCAEのあり方そのものが大きく変わろうとする時代を迎えています。当社は、こうした変化のなかで新しいCAEとAIの未来を切り拓くべく進化を続け、お客様とともに次世代のCAEのあるべき姿を追求してまいります。特に注力するのが、AIエージェントやプラットフォーム連携による、自動化・省力化にとどまらないCAEの新たな活用です。解析専任者をはじめ人材不足が進む現場において、「AI Expert」はAIエージェント構築の重要な構成要素として、その不足を補います。今後は形状生成AIを活用した発想支援機能の開発や、計算パフォーマンス・解析技術・ユーザビリティの強化にも取り組み、お客様が開発スピードと品質を高め、競争力を強化していけるよう支援してまいります。
株式会社アライドエンジニアリングについて
株式会社アライドエンジニアリングは、1981年の創業以来「技術革新の追求」「お客様への貢献」「社会への貢献」を目指す姿とし、高い技術力で産業界のニーズに応え、技術革新と社会の発展に貢献しています。
・所在地 : 東京都江東区豊洲3-2-24 豊洲フォレシア13階
・事業内容: CAEシステム ADVENTURECluster 開発・受託解析・販売、
部品構成展開システム開発・販売、受託開発、コンサルティング
・会社URL : https://www.alde.co.jp/index.html
※掲載されている製品名、会社名、サービス名はすべて各社の商標または登録商標です。









