「近畿大学先端技術総合研究所 オープン・ラボ 2026」を開催 生命科学や生物工学に関する研究成果を紹介

近畿大学先端技術総合研究所(和歌山県海南市)は、令和8年(2026年)8月29日(土)、一般の方を対象とした「近畿大学先端技術総合研究所 オープン・ラボ 2026」を、和歌山県看護協会(和歌山県海南市)で開催します。
【本件のポイント】
●近畿大学先端技術総合研究所で行っている研究活動を、一般の方にわかりやすく紹介
●教員による講演や体験・展示に加え、大学院生がポスターセッションで研究成果を発表
●研究成果を通して、科学技術の楽しさや魅力を体感できる機会を提供
【本件の内容】
近畿大学先端技術総合研究所は、海南インテリジェントパーク内の「生物工学技術研究センター」「植物センター」、近畿大学和歌山キャンパス内の「高圧力蛋白質研究センター」の3センターで生命科学や生物工学に関するさまざまな研究に取り組んでいます。
「オープン・ラボ」は平成12年(2000年)から一般の方を対象に開催しており、今回で27回目の開催となります。近畿大学先端技術総合研究所及び近畿大学生物理工学部の教員による講演や体験・展示コーナー、大学院生によるポスターセッションを通して、研究成果を一般の方にわかりやすく紹介し、科学技術の楽しさや魅力に触れていただくことを目的としています。
第1部では、「動物たちの未来をまもる~動物園のやさしい科学~」と、「カヤの分子遺伝学解析によって明らかにされた空海の足跡」の2講演を行います。
第2部のサイエンスツアーでは、がん関連タンパク質の分子運動と創薬、ゲノム編集技術によって誕生した「ダイアウルフ」をめぐる科学的検討、吸血昆虫サシバエをモデル動物として活用する研究などを紹介します。また、近畿大学大学院生物理工学研究科の大学院生が、ポスター形式で研究成果を発表します。
【開催概要】
日時 :令和8年(2026年)8月29日(土)13:00~16:00(受付開始12:30~)
場所 :和歌山県看護協会
(和歌山県海南市南赤坂17番地、JRきのくに線「海南駅」からバス約10分)
対象 :一般の方
(1部・2部定員各90名、入場無料、要事前申込、先着順)
申込方法:WEBサイトから申込み
https://kouza.wbs.co.jp/
申込締切:8月24日(月)23:59
後援 :和歌山県教育委員会、海南市教育委員会、紀美野町教育委員会
お問合せ:和歌山放送内 近畿大学生物理工学部公開講座係 TEL(073)428-1431
【プログラム】
<第1部>講演
13:00~13:05 開会・挨拶
近畿大学先端技術総合研究所長 三谷匡
13:05~14:00 講演1「動物たちの未来をまもる~動物園のやさしい科学~」
近畿大学先端技術総合研究所 生物工学技術研究センター 教授 安齋政幸
14:00~14:45 講演2「カヤの分子遺伝学解析によって明らかにされた空海の足跡」
近畿大学生物理工学部生物工学科 教授 堀端章
14:45~15:00 質疑応答
<第2部>サイエンスツアー
15:00~16:00 体験・展示コーナー、大学院生によるポスターセッション
【講演内容】
講演1「動物たちの未来をまもる~動物園のやさしい科学~」
講師:先端技術総合研究所 生物工学技術研究センター 教授 安齋政幸
内容:動物園や水族館では、動物たちの「いのち」を未来につなぐため、精子・卵子・胚などを冷凍保存する「遺伝資源保存」の研究が進められています。私たちの研究室では、動物園の動物から採取した細胞を、マイナス196℃の液体窒素で長期間保存を実施し、必要に応じて精子の運動性解析を実施しています。また、飼育下鯨類のメス個体より妊娠関連物質の発現同定を解析し、新しい命を育むための研究にも取り組んでいます。見えないところで続けられている「やさしい科学」は、動物たちの未来を支える希望の光になるかもしれません。本講演では、動物園や水族館における研究の役割や可能性について紹介します。
講演2「カヤの分子遺伝学解析によって明らかにされた空海の足跡」
講師:生物理工学部 生物工学科 教授 堀端章
内容:カヤ(榧・栢)は、和歌山県海草郡紀美野町の町の木です。紀美野町には樹齢数百年のカヤの樹が多数存在します。良質の油が取れるヒダリマキガヤが特に多く、これは、カヤの油が高野山に年貢として納められていたことの名残と言えます。この地には、弘法大師空海によってカヤの種子が配られたという伝説があります。私たちは、紀美野町にあるカヤの分子遺伝学解析を行って、ヒダリマキガヤの種子がある特定の時期にこの地に広められたことを発見しました。このことは先の伝説の一部が事実であったことを物語っています。本講演では、分子遺伝学によって明らかにされたカヤの樹にまつわる民俗を紹介します。
【体験・展示コーナー内容】
「創薬を目指したガン関連タンパク質の分子運動と機能の研究」
講師:先端技術総合研究所 高圧力蛋白質研究センター 教授 米澤康滋、准教授 櫻井一正
内容:私たちの体内では、数多くタンパク質が連携して生命活動を維持しています。しかし、細胞分裂制御を担うタンパク質に異常があるとガンとなってしまいます。我々は、これらの異常状態を改善し、元の状態を取り戻すような薬の開発を目指し、ガン特有の糖代謝に関わる「NTPDase」という酵素の分子運動と機能の関係を調べています。本展示では、計算科学(シミュレーション・AI)や実験(NMR)の手法や結果について紹介します。
「ダイアウルフは本当に復活したのか?」
講師:先端技術総合研究所 生物工学技術研究センター 教授 加藤博己
内容:令和7年(2025年)4月、米国コロッサルバイオサイエンシズ社は、約1万年前に絶滅したダイアウルフの復活に成功したと発表しました。
その方法は、(1)現生のタイリクオオカミの血液から血管内皮前駆細胞を採取・培養、(2)ゲノム編集で血管内皮前駆培養細胞の14個の遺伝子に合計20ヶ所の変異を導入、(3)変異導入された細胞とイヌの卵を用いた体細胞核移植で胚を作製、(4)大型犬の代理母へ核移植胚を移植、約65日後、2匹の雄の産子を、(5)別の血管内皮前駆培養細胞株を用いて1匹の雌の産子を得たというものでした。
コロッサルバイオサイエンシズ社はこの成果を"ダイアウルフの帰還"とし、絶滅した動物を初めて復活させたとしています。本展示では、ダイアウルフの復活といえるのかについて生殖生理学や分子生物学の観点から解説します。
「吸血昆虫サシバエの新規モデル動物系の構築と基礎研究への展開」
講師:先端技術総合研究所 植物センター 准教授 瀧川義浩
生物理工学部・食品安全工学科 准教授 白木琢麿、講師 松橋珠子
内容:発生学などの基礎研究では、これまでショウジョウバエが多く用いられてきました。一方、吸血性昆虫であるサシバエはこれとは異なる生理特性を持っています。私たちは、サシバエを年間通して実験室内で飼育する技術を確立しており、新たなモデル動物としての利用が可能となっています。この実験室内で飼育したサシバエの利用により、吸血という特異な生活様式に基づく生理機構の理解に向けた基礎研究への展開可能性を紹介します。
【大学院生によるポスターセッション】
『成熟に伴う香気特性の変化』
大学院生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2年 米本理紗
『不凍タンパク質とリン脂質膜との相互作用』
大学院生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 1年 山﨑優騎
『異種タンパク質分泌発現に関わる出芽酵母由来シグナル配列の変異による動的構造への影響』
大学院生物理工学研究科 生物工学専攻 博士前期課程 2年 光定成倫
『天然コラーゲンをモデル化したコラーゲンの二量体化メカニズム』
大学院生物理工学研究科 生体システム工学専攻 博士前期課程 1年 阿戸菜乃佳
『多剤排出 ABC G2 トランスポーターサイクルにおける薬剤排出後と薬剤取り込み前構造のダイナミクスの違い』
大学院生物理工学研究科 生体システム工学専攻 博士前期課程 1年 松井亜良汰
『パーキンソン病に関わるドーパミン分解酵素 MAO-B の動力学と脂質分子との相互作用』
大学院生物理工学研究科 生体システム工学専攻 博士前期課程 1年 鈴川祐生
【関連リンク】
生物理工学部 遺伝子工学科 教授 三谷匡(ミタニタスク)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/489-mitani-tasuku.html
先端技術総合研究所 教授 安齋政幸(アンザイマサユキ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/502-anzai-masayuki.html
生物理工学部 生物工学科 教授 堀端章(ホリバタアキラ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/505-horibata-akira.html
先端技術総合研究所 准教授 櫻井一正(サクライカズマサ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/310-sakurai-kazumasa.html
先端技術総合研究所 教授 加藤博己(カトウヒロミ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/884-katou-hiromi.html
先端技術総合研究所 准教授 瀧川義浩(タキカワヨシヒロ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/166-takikawa-yoshihiro.html
先端技術総合研究所 講師 松橋珠子(マツハシタマコ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1422-matsuhashi-tamako.html
先端技術総合研究所
https://www.kindai.ac.jp/bost/about/advanced-technology/
生物理工学部
https://www.kindai.ac.jp/bost/
