マクニカ、東郷製作所に製造現場DXサービス「DSF Cyclone」を提供、導入1年で定量的効果を創出
~“感覚”から“根拠ある改善”へ、日次での異常把握とKPI共有により工場全体の生産性向上~
株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、以下マクニカ)は、株式会社東郷製作所(本社工場:愛知県愛知郡東郷町、代表取締役社長:相羽繁生、以下東郷製作所)に対し、製造現場DXサービスDSF Cycloneを提供しました。導入から1年が経過し、同社におけるスマートファクトリー化が大きく推進され、定量的効果が表れましたのでその成果について本日発表いたします。
■背景
東郷製作所は、1881年創業の自動車用小物ばねを中心にグローバル展開を行う老舗メーカーであり、ホースクランプなど多様な製品を手がけています。製造現場のDX化においては従来の手書き記録や自作システムではデータ活用が部分的にとどまり、また改善活動においても現場の経験や勘に依存していたため工場全体の最適化につながらないといった課題がありました。そこで、設備総合効率(OEE)など経営判断にも活用できる指標を可視化し、オンプレミス運用及び部門横断でのデータ共有が可能なDSF Cycloneを1年前に導入しました。導入に際してはマクニカと連携し、ダッシュボードの構成や表示内容について現場フィードバックをもとに何度も改善を重ね、現場への定着を図りました。
■導入効果
DSF Cyclone導入から1年が経過し、以下のような効果が表れています。
共通KPIによる全社的な業務最適化
従来は設備稼働率など部分的な指標しかなく、製品や工程ごとの比較、経営層との共通認識が不足していましたが、DSF Cyclone導入後は、設備総合効率(OEE)など経営判断に使える指標を部門横断で共有することで、製品・工程の違いを超えた生産性比較が可能となり、現場と経営層の意思決定が迅速化しました。これにより、工場全体を俯瞰した改善活動ができるようになり、組織全体のパフォーマンス向上を実現する「全社的な業務最適化」が達成されました。また、共通KPIの確立により、感覚頼りの改善から根拠ある提案へと変わり、改善提案数も増加しています。迅速な立ち上げと柔軟な運用
従来の自作システムは、保守負担が大きく、環境整備に時間がかかっていたため、改善活動が滞る傾向にありました。DSF Cycloneでは導入直後からオンプレミス構成による柔軟な運用が可能なため、パッケージ導入のスピード感で即効性のある成果を実現することができ、現在は部門横断でのデータ共有が定着し、リアルタイムで異常を検知しながら根拠ある改善活動を迅速に進められる環境が整いました。廃棄ロスの削減と資源活用意識の浸透
これまで廃棄ロスについては感覚的な認識にとどまっていましたが、導入直後からリアルタイム異常検知によって廃棄ロスの発生状況が可視化されました。「もったいなさ」が数値として明確になったことで、現場における資源の有効活用意識が浸透し、廃棄ロス削減も目に見える形で進行しています。感覚から根拠ある改善への転換
以前は、改善活動が現場の経験や勘に依存し、異常や停止の兆候をリアルタイムで把握できず、対応が遅れることがたびたびありましたが、DSF Cyclone導入後は、データの可視化が進み、異常検知と情報共有が迅速になりました。また、現場では数値に基づいた議論が活発になり、異常や停止傾向が日次で把握できるようになったことで、改善までのタイムラグが大幅に短縮しました。さらに、現場が自ら原因分析と対策を考える文化が定着しました。

■今後の展望
東郷製作所では、現在ホースクランプの組付工程から前工程への展開を進めており、2027年までに国内4工場すべてにおいて、DSF Cycloneによる可視化を完了させる計画です。将来的には、工場間のデータ連携やAI活用による生産計画の最適化、在庫削減などの分野にも取り組みを広げ、国内外の拠点をつなぐスマートファクトリー化を目指しています。
マクニカは、東郷製作所が描く「人に優しく働きやすい次世代のものづくり」の実現に向け、DXの力で支援してまいります。
*:製造現場 DX サービス「DSF Cyclone」
DSF Cyclone は、製造現場と生産管理を実績データでつなぎ工場の生産効率と生産性の最適化を図る製造実績システムです。データドリブンな工場運営の意思決定が可能となります。データ収集、正規化、利活用が 1 パッケージになっており、工場全体に展開しやすい機能を備えています。DSF Cyclone はマクニカで開発し、多種多様な製造工程へ導入しています。導入いただいた製造現場では、日々の実績データを元に効率的なものづくりを実現しています。
詳細は、Web サイトをご覧ください。
https://www.macnica.co.jp/business/ai_iot/products/service/137029/
【製品/事例の詳細はこちら】
https://www.macnica.co.jp/business/ai_iot/cases/147972/
【製品に関するお問い合せ先はこちら】
株式会社マクニカ DSF Cyclone 担当窓口
TEL:045-470-9118
E-mail:consulting-iot@macnica.co.jp
※本文中に記載の社名及び製品名は、株式会社マクニカ及び各社の商標または登録商標です。
※ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知ください。
株式会社東郷製作所について
自動車用小物ばねの総合メーカー
株式会社東郷製作所は、主にハイブリッドシステムや内外装、エンジン、トランスミッションなどに使用される自動車部品をご提供している会社です。
ばね製造技術を利用した高電圧部品もご紹介しており、「高周波コイル」や「高電圧バスバー」などの様々な製品を通して、お客様の原価低減・品質向上にご協力いたします。
東郷製作所について:www.togoh.co.jp
株式会社マクニカについて
マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界28か国/地域91拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
マクニカについて:www.macnica.co.jp