「年齢のせい」で片づけていませんか?
認知症の初期症状と早期受診の重要性

「最近、物忘れが増えた気がする」「年齢的に仕方ないのかもしれない」
こうした変化を感じたとき、「加齢によるもの」と捉えて様子を見る方も多いのではないでしょうか。
一方で、その中に認知症の初期サインが含まれている可能性もあると指摘されています。
初期の段階では変化が小さいため見過ごされやすい一方で、
対応のタイミングによってその後の経過に影響する可能性も考えられています。
■「様子を見る」ことによって考えられる影響
変化に気づきながらも、「もう少し様子を見よう」と考えることは自然なことです。
しかし、受診や相談のタイミングが遅れることで、
・症状が進行してからの対応になる可能性
・日常生活への影響が徐々に大きくなる可能性
・適切な支援につながる機会を逃す可能性
などが指摘されることもあります。
また、状態の変化により、本人が受診に対して抵抗を示すようになるケースもあるとされています。
■見逃されやすい初期症状
認知症の初期段階では、大きな異変というよりも、
日常の中の小さな違和感として現れることがあるとされています。
例えば、以下のような変化です。
・同じことを何度も尋ねることが増える
・約束や予定を忘れることが目立つようになる
・物の置き場所を頻繁に忘れる
・金銭管理や手続きが難しく感じられるようになる
・これまで問題なくできていた作業に時間がかかる
こうした変化は「うっかり」と受け止められることもありますが、
繰り返しみられる場合には注意が必要と考えられることがあります。
■「年齢のせい」と捉えやすい背景

年齢とともに記憶力や判断力に変化がみられることは一般的とされています。
そのため、こうした変化を「加齢によるもの」と受け止めること自体は自然なことです。
一方で、その認識が、必要な相談のタイミングを遅らせてしまう可能性もあると考えられています。
加齢による物忘れと認知症には、いくつかの違いがあるとされています。
例えば、加齢による変化では、会話の一部を忘れてしまったり
ヒントがあれば思い出せ、日常生活への影響は比較的少ないとされています。
一方で、認知症の場合には、会話したこと自体を覚えていなかったり
ヒントがあっても思い出せないことが増え、生活の中で支障がみられることがあります。
ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、個人差がある点にも留意が必要とされています。
■家族が気づくサイン
初期の変化は本人よりも、周囲の家族が気づくケースも少なくないとされています。
例えば、
・以前と比べて会話の内容に違和感がある
・同じ話題を繰り返すことが増えている
・判断に迷う場面が増えている
・性格や行動に変化がみられる
こうした変化に気づいた場合には、無理に指摘するのではなく、
状況を見守りながら、必要に応じて相談を検討することが一つの方法とされています。
■早期受診で考えられる変化
比較的早い段階で医療機関に相談することで、次のような対応が可能になると考えられています。
・認知症かどうかの評価を受けることができる
・他の疾患との区別がつく可能性
・進行を緩やかにするための治療や支援の検討
・生活環境やサポート体制の見直し
また、診断の有無に関わらず、現状を把握することが、本人や家族の安心感につながる場合もあります。
すべての物忘れが認知症につながるわけではありません。
一方で、「気のせいかもしれない」と感じる段階が、
相談を検討する一つのタイミングになる可能性もあると考えられています。
「年齢のせい」と決めつけるのではなく、
変化に気づいたときに専門家の視点を取り入れること。
それが、これからの生活を安心して過ごすための一歩につながる可能性があります。
■医療機関プロフィール

医療法人大壮会 久喜すずのき病院
埼玉県久喜市にある精神科・心療内科の専門医療機関。
うつ病や不安障害、認知症など幅広い心の不調に対応し、
患者一人ひとりに寄り添った医療を提供しています。
外来診療に加え、デイケアやリハビリテーションなど継続的な支援体制も整え、
地域に根ざした医療に取り組んでいます。
▶ 公式サイト:https://suzunoki.net/
▶電話番号:0480-23-654




