バンド結成40周年を迎えたザ・コレクターズ テイチクエンタテインメント・BAIDISレーベル在籍中の初期アルバム4作品を限定アナログ・4タイトルセットとして再発売決定! 初期コレクターズの軌跡を振り返る
結成40周年の節目を迎えた今年もツアーが大盛況、精力的に活動中のザ・コレクターズ。彼らがテイチクのBAIDISレーベル在籍中に発表した初期アルバム4タイトルは、2017年・2018年の「レコードの日」にアナログ盤が発売されるも、瞬く間に完売して入手困難な状況が続いていた。しかし今回、特別にリプレス企画が発足。オリジナルトートバッグ付きのアナログ盤4枚セットが受注販売という形でリリースされることになった。ここで改めて、初期コレクターズの歩みと、今回リリースされる4枚のアルバムについて振り返っておこう。
80年代前半の東京モッズ・シーンで活躍、自主制作でソノシートを発表して注目されたザ・バイク(トリオから4人組に発展してザ・バイクスに改名)。彼らが解散後、元メンバーの加藤ひさし(Vo)とリンゴ田巻(Dr)を中心として1986年に結成されたのがザ・コレクターズだった。メンバーチェンジを経て古市コータロー(G)、チョーキーとしはる(B)が加入、ラインナップが固まる。60’sブリティッシュ・ビートとサイケ・ポップに根差した洋楽志向のバンドだったが、ザ・ファントムギフトを中心とした“ネオGS”のシーンに巻き込まれる形で、メディアに露出し始める。そして87年7月、インディのMINT SOUNDからリリースされた10インチ・アルバム『ようこそお花畑とマッシュルーム王国へ』が評判になった頃には、最もメジャー・デビューが待たれるバンドの筆頭となっていた。
プロデュースを元はちみつぱいの和田博巳が担当、BAIDISからのデビューが決まったコレクターズは、『ようこそお花畑とマッシュルーム王国へ』で共存させていた2面性…ビート・バンドとしての面をファースト・アルバム、サイケ・ポップ的な面をセカンド・アルバムに振り分けることに決めた。つまりメジャー・デビューする段階で作風が変化の過程にあり、どちらの面も殺すことなく世に出て行こうとしたわけだ。そんな異例のスタートが可能なほど、ソングライター=加藤ひさしの創作意欲がほとばしっている時期だった。
記念すべきファースト・アルバム『僕はコレクター』(1987年11月)は、メジャーでの音作りを初めて体験するバンドにとって手探りのレコーディングになったという。インディ時代よりややコンパクトにまとまった部分はあったが、タイトル曲「僕はコレクター」を筆頭に、「TOO MUCH ROMANTIC!」「僕は恐竜」「夢みる君と僕」「僕の時間機械」など、ライブでの定番となる人気曲を満載。デビュー作にしてシングルを切れそうな名曲ばかり揃った、ベスト盤ばりの充実度を誇るアルバムとなった。ザ・バイク時代からの人気曲も多く含む本作はモッズからの支持も根強い。一人称が「俺」のマチズモを打ち出したロック・バンドが主流の時代に、あえて「僕」という視点を貫いたナイーブな歌の世界は、すぐに広い支持を得ることはできなかったが、結果的に今も古びることなくリリース当時の輝きをキープしている。
制作陣から和田博巳が外れ、バンドのセルフ・プロデュースで臨んだ1988年6月発売の2作目『虹色サーカス団』は、当初の予定通りサイケ・ポップ寄りの曲を集め、架空の移動サーカス団を主人公とするコンセプチャルなアルバムになった。ファースト・アルバムがザ・ジャムなどネオ・モッズや初期ビートルズの影響を打ち出したのとは対照的に、本作では「カーニバルがやって来る」「虹色サーカス団」や「魔法のランプ」、シングル・カットされた「太陽はひとりぼっち」など、1967年前後のサイケデリック・サウンドと、それを現代風に表現していたXTC(及びXTCの変名バンド、デュークス・オブ・ストラトスフィア)の影響が顕著に。人気曲の「10月のたそがれた海」「扉をたたいて」「青と黄色のピエロ」で疎外感や厭世観をあらわにした本作は、ビート・バンク主流の時代とは異なるベクトルで、迷える“個”について歌っていた。スピッツの草野マサムネが本作を絶賛したのは、そうした独創性を評価してのことだろう。今も熱心なファンの間では、これぞ最高傑作!という声が根強い、カルト的な人気を保ち続けているアルバムだ。
1989年4月発売の3作目『ぼくを苦悩させるさまざまな怪物たち』は、いち早くコンピューター・グラフィックを導入したジャケットを含めて、新たな方向性を模索し始めたアルバム。短期間でブームが過ぎ去ってしまったネオGSシーンに対するレクイエム的な曲「まぼろしのパレード」で始まり、初期型のビート・チューン「CHEWING GUM」「アーリー・イン・ザ・モーニング」、サイケ・ポップ寄りの「ご機嫌いかが? おしゃべりオウム君」「占い師」、ヘヴィなリフ・ロック作りに挑戦した「スーパー・ソニック・マン」や、ザ・フー『トミー』の影響を初めて具現化したミニ・ロック・オペラ「ぼくを苦悩させるさまざまな怪物たちのオペラ」までと、バラエティ豊富な内容になっている。オリジナル盤発売時はCDのみがリリースされ、ファンサービスとしてLPのジャケットだけが配布されたが、「レコードの日」のタイミングでようやくアナログ盤化が実現した。
前作で作風に幅が出たこと、CDの収録可能時間に合わせて曲数を多くする傾向が進んできたこともあり、1990年4月発売の4作目『PICTURESQUE COLLECTORS' LAND』は全15曲・約60分収録、LPだと2枚組に相当するボリュームの大作になった。コレクターズ流リフ・ロックを極めつつ性的な暗喩も絡めた「ぼくのプロペラ」や、ライブでの人気曲「気狂いアップル」を生み出す一方で、シンフォニックな「地球の小さなギア」や、ドラマティックな名曲「チョークでしるされた手紙」「ロケットマン」も収録。飛びきり洗練されたアレンジの「S・P・Y」は、ポスト・ネオGSの流れから生まれつつあった“渋谷系”の到来を予感させる曲でもある。近年はスカートの澤部渡が本作をフェイバリットに挙げていることから、このアルバムを知ったという人も少なくないだろう。なお、本作もアナログ盤化されたのは「レコードの日」が初めてだった。
どのアルバムもリリース当時はヒットチャートの上位に届かなかったが、聴けばわかる通り、いずれ劣らぬハイクオリティな内容。この後、レーベル移籍に伴ってリズム隊がメンバーチェンジすることになるが、BAIDIS時代の4ピースが持っていたパッションと爆発力は、この時期のメンバーにしか持ち得ないものだったと改めて思う。コロムビアに移籍してからの作品を、より表現力豊かなロック・バンドとして成熟した時代と定義するなら、BAIDIS時代の作品はビート・バンドのフォーマットで表現の拡大を追求し続けたスタートダッシュの時代。今回のリイシューを機に、まだまだ大量に眠っているはずの初期ライブ音源やレア音源の発掘も、ぜひともお願いしたいところだ。
40年もの長い歴史の中で、この初期ラインナップが残したアルバムはたった4枚きり。しかし、この4人が築いたものが、今も続くザ・コレクターズというバンドのスタイルを規定したことは明らかだ。毎回リイシューされる度に争奪戦が繰り広げられてきた傑作群を、この機会に確実に入手して、アナログ盤ならではの奥行きのあるサウンドでじっくり味わい尽くしてほしい。
荒野政寿
■対象商品




THE COLLECTORS 限定アナログ4タイトル・セット
価格:¥20,000(税抜価格 ¥18,182)
商品形態:オリジナルトートバッグ付きアナログ盤LP4枚セット
商品情報詳細:https://www.teichiku.co.jp/artist/collectors/
■ご予約期間
2026年3月20日(金・祝)~2026年5月6日(水・祝)23:59まで
※ただし、予約期間内に規定数以上のご予約に達した場合のみ、生産決定とさせていただきます。予約締切日までに規定数に達しなかった場合は、残念ながら生産はされず、ご予約はキャンセルとさせていただきます。予めご了承ください。
ご予約はこちらから
https://teichiku-shop.com/products/detail/TES0002Q6D
■商品内容
「僕はコレクター」 品番:TEJI-37019 / アルバムLP(30cm)
「虹色サーカス団」 品番:TEJI-37020 / アルバムLP(30cm)
「ぼくを苦悩させるさまざまな怪物たち」 品番:TEJI-37038 / アルバムLP(30cm)
「PICTURESQUE COLLECTORS' LAND ~幻想王国まぼろしのくにのコレクターズ~」
品番:TEJI-59039 / アルバムLP(30cm)2枚組
オリジナルトートバッグ(アナログ盤4枚がすっぽり収まるキャンバススクエアトート)
■お届け時期
2026年6月30日頃のお届けを予定しております。
THE COLLECTORS




