【どこでもマンション鑑定団】 Vol.12 “住みたい人気の街”ランキング上位の『埼玉県川口市』|property technologies

2025年(令和7年)3月18日、国土交通省は全国およそ2万6000地点を対象に1月1日時点の価格を調べた公示地価(価格)を公表しました。全用途平均で2.7%上昇し、全国では4年連続の上昇傾向にあります。
詳細は、「令和7年 地価公示の概要」をご参照ください。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000444.html
本企画【どこでもマンション鑑定団】では、公示地価(価格)の変動が見られた各エリアについて、『KAITRY(カイトリー)』エンジンのデータを活用し、標準地周辺(今回は埼玉県川口市)の「マンション一般市場価格/直近5年」の事例調査をしていきます。
【調査条件】
※エリア:公示地価(価格)の変動率が高かった東京23区内の標準地(川口-19)周辺のマンション
※築年数:築10年~19年、築20年~29年、築30年~45年のマンション
※広さ:専有面積70㎡
※間取り: 3LDK
※階数:3階
※価格データについて:方位、角部屋、階数、室内コンディション、売主属性(不動産業者・法人・個人)などの価格変動要因を排除し、画一的な条件下で価格を抽出しています
※対象査定年月:2021年4月1日/2022年4月1日/2023年4月1日/2024年4月1日/2025年4月1日
※株式会社property technologies PropTech戦略部 ビッグデータ活用
- 住宅地は全国平均で2.1%上昇
住宅地は全国平均で2.1%上がっています。また、東京、大阪、名古屋の3大都市圏は平均3.3%上昇しています。東京23区は全ての区で上昇幅が拡大し、中央区や港区、目黒区などの中心部では10%を超えました。都心部ではマンション価格が高騰しており、都心にアクセスしやすい周辺部でマイホームを求める動きが広がっています。東京都に隣接・近接するJR京浜東北線及び埼京線沿線では堅調なマンション需要を反映し、地価上昇が継続しています。埼玉県川口市では、平均上昇率が5.8%でした。
(標準地「川口-19」では上昇率が8.1% ※【図1】参照 )
【図1:標準地「川口-19」】

※引用元:国土交通省土地鑑定委員会地価公示データ
今回は、標準地(川口-19)周辺の下記エリア内のマンション事例①(築10年~19年)、マンション事例②(築20年~29年)、マンション事例③(築30年~45年)を対象に、過去5年の一般市場価格を抽出します。
【図2:抽出エリア(埼玉県川口市)】

※出典:国土地理院ウェブサイト(https://maps.gsi.go.jp/)
※「地理院地図」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/)をもとに当社作成
2.川口市って、こんな街
伝統と未来が融合する、東京に最も近い中核市
埼玉県川口市は、荒川を挟んで東京都に隣接する、人口約60万人を擁する県内第2位の中核市です。かつて「鋳物の街」として日本の近代産業を支えた歴史的背景と、都心への抜群のアクセスを誇るモダンなベッドタウンという二つの顔を併せ持つ、ダイナミックで多様性に富んだ街です。
- 都心と直結する圧倒的な交通利便性
川口市の最大の魅力は、その交通アクセスの良さにあります。市の中心を走るJR京浜東北線を利用すれば、川口駅から東京駅まで約25分、品川駅へも乗り換えなしでアクセス可能です。また、市の東部を走る埼玉高速鉄道は東京メトロ南北線と直通運転を行っており、六本木や麻布十番といった都心部へもスムーズに移動できます。首都高速や東京外環自動車道のICもあり、電車・車を問わず交通網が充実しています。
2.「鋳物の街」の誇りと歴史
川口市のアイデンティティである「鋳物」の歴史は江戸時代から始まり、明治以降は日本の近代化を支える基幹産業として発展。東京タワーの骨組みの一部やオリンピックの聖火台もここで作られました。工場の数は減った現在もその技術と精神は受け継がれ、街を歩けば芸術的なマンホールの蓋やオブジェなど、随所に「鋳物の街」としての誇りを見出すことができ、街に独特の深みを与えています。
- 多様な顔を持つエリア
川口市は、エリアごとに異なる特色を持っています。
川口駅周辺エリア:
タワーマンションが林立し、駅直結の商業施設「キュポ・ラ」や百貨店が賑わう市の中心地。近代的な都市景観が広がります。
西川口エリア:
かつての姿から変貌し、本格的な中華料理店が軒を連ねる「リトルチャイナ」として知られます。多様な文化が共生するエネルギッシュなエリアです。
東川口エリア:
JR武蔵野線と埼玉高速鉄道が交差する交通の要衝。区画整理された閑静な住宅街が広がり、ファミリー層に人気です。
安行(あんぎょう)エリア:
江戸時代から続く「植木の里」として有名で、広大な「川口市立グリーンセンター」は緑豊かな川口を象徴する市民の憩いの場です。
暮らしやすさを支える充実した環境
「アリオ川口」などの大型商業施設から、スポーツやレジャーを楽しめる荒川の広大な河川敷まで、日々の暮らしを豊かにする環境が整っています。子育て支援にも力を入れており、ファミリー層が安心して暮らせる街づくりが進められています。
川口市は、「東京に一番近い街」という利便性を享受しながら、歴史と誇りを大切にし、エリアごとに多様な文化を育んできました。歴史と未来、産業と暮らし、日本文化と国際色が巧みに融合し、あらゆるライフスタイルを受け入れる懐の深さが、この街の最大の魅力と言えるでしょう。
※引用元:ようこそ川口へ(川口市公式サイト)
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01010/020/6/index.html
3.川口市の地価動向をマンション価格で見てみると・・・
まずは、マンション事例①(築10年~19年、以下Aマンション)について、
該当エリア内に位置するマンションを選定し、調査条件を満たすお部屋の一般市場価格(2021年/2022年/2023年/2024年/2025年)を『KAITRY』エンジンで抽出してみます。
【図3】調査対象 Aマンション(70㎡/3LDK/3階/2013年築)

※マンションの特定に至らないよう、物件の詳細は伏せています
Aマンションの一般市場価格・坪単価の推移は上記【図3】の通りです。
2021年は3,950 万円(坪単価:約186万円(以下 @186万円))でしたが、翌2022年は4,380万円(@206万円)と上昇、2023年は4,340万円(@205万円)と微減でしたが、2024年は4,450万円(@210万円)と再び上昇、2025年は4,640万円(@219万円)と上昇を続けていることがわかります。
つぎは、マンション事例②(築20年~29年、以下Bマンション)について、
該当エリア内に位置するマンションを選定し、調査条件を満たすお部屋の一般市場価格(2021年/2022年/2023年/2024年/2025年)を『KAITRY』エンジンで抽出してみます。
【図4】調査対象 Bマンション(70㎡/3LDK/3階/2002年築)

※マンションの特定に至らないよう、物件の詳細は伏せています
Bマンションの一般市場価格・坪単価の推移は上記【図4】の通りです。
2021年は2,610万円(@123万円)でしたが、翌2022年は2,920万円(@137万円)と上昇、2023年は2,910万円(@137万円)とほぼ横ばいでしたが、2024年は2,990万円(@141万円)と再び上昇、2025年は3,090万円(@145万円)と上昇を続けていることがわかります。
さいごに、マンション事例③(築30年~45年、以下Cマンション)について、
該当エリア内に位置するマンションを選定し、調査条件を満たすお部屋の一般市場価格(2021年/2022年/2023年/2024年/2025年)を『KAITRY』エンジンで抽出してみます。
【図5】調査対象 Cマンション(70㎡/3LDK/3階/1995年築)

※マンションの特定に至らないよう、物件の詳細は伏せています
Cマンションの一般市場価格・坪単価の推移は上記【図5】の通りです。
2021年は2,010 万円(@94万円)でしたが、翌2022年は2,240万円(@105万円)と上昇、2023年は2,250万円(@106万円)とほぼ横ばいでしたが、2024年は2,310万円(@109万円)と再び上昇、2025年は2,410万円(@113万円)と上昇を続けていることがわかります。
公示地価(価格)とマンション価格
今回、「Aマンション(築12年)」「Bマンション(築23年)」「Cマンション(築30年)」のマンション一般市場価格を『KAITRY』エンジンを使って過去5年に遡って調査しましたが、公示地価(価格)同様、マンション価格も上昇している結果となりました。2021年の坪単価と2025年の坪単価を比較しますと、5年間で17~20%の上昇が見られます。中古マンション価格は、新築マンションの価格上昇や、低金利による需要増、建設費の高騰など、さまざまな要因が絡み合って上昇していると考えられます。
🎯ワンポイント
マンション購入を検討するとき、みなさんは何を基準に「高い」「安い」を判断されているでしょうか?多くの方は価格や間取りなどで比較しているかもしれませんが、不動産のプロはもっと正確な指標を使っています。
不動産のプロが物件価値を見極める際に活用しているのが「坪単価」や「㎡単価」です。この指標を使えば、マンションを公平に比較することができます。
坪単価の基礎知識
「坪」の定義:1坪 = 約3.3㎡
坪単価の算出方法:マンション価格 ÷ 専有面積
具体的な計算例
たとえば、2,500万円の70㎡のマンションの場合:
2,500万円 ÷ 70㎡ = 約35.7万円/㎡
35.7万円/㎡ × 3.3 = 約117.8万円/坪
単価で比較すると、以下のような利点があります:
▶広さの異なるマンション同士でも公平に比較できる
▶エリア相場から見た割高・割安が一目瞭然
▶リノベーションや売却時の参考指標になる
マンションを検討(売却・購入)する際は、所有しているマンションや気になっているマンションの坪単価や㎡単価を必ず計算してみましょう。同じエリアの似た条件の物件と比較することで、そのマンションが適正価格かどうか判断できるようになります。

気になっている人は、『KAITRY』で簡単に価格がわかる
今回は埼玉県川口市に焦点を当てまして、「マンション一般市場価格」を見てきました。
本記事を読まれまして、マンション価格の変動(推移)に驚かれた方もいらっしゃれば、現在マンションにお住いの方であれば、”わたしの地域だと、どうなのだろう”と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もし、ご所有のマンション価格を調べたい場合は、
AI査定プラットフォーム『KAITRY』を利用してみてみましょう。
マンション名を入力し、
① 広さ (例えば 65㎡)
② 間取り (例えば 3LDK)
③ 階数 (例えば 4階)
を入力すると最短5秒で買取参考価格(※)が表示されます。
※査定結果は、AIによる参考価格となります。
昨今の不動産価格変動の影響により、売却価格が上下する可能性がございます。
正式な価格は現地での訪問査定実施後に確定しますのでご了承ください。
『KAITRY』は、「住み替えを、もっと気軽に。もっと楽しく。」をコンセプトとした日本最大級のiBuyer(アイバイヤー)プラットフォームです。
ユーザーは、最短5秒のAI査定によって、PC(パソコン)やスマホ、タブレットなどでいつでもどこでも自身のマンションがいくらで売却できるかを確認できます。売却依頼から最短3日で現金化も可能です。
(編集・執筆/property technologies 永江 直人)
適用に際しての具体的な注意点
・上記は令和6年10月末時点の適用法令・通達等に基づき記載しております。
・上記事例等は一例であり実際に適用する場合にはご自身が適用要件を満たしているか専門家等にご確認の上適切にご対応頂きますようお願い致します。
・本記事の記載内容にあてはめて適用することを保証するものではありませんのでご留意願います。
株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)について
「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げています。年間36,000件超の不動産価格査定実績やグループ累計約13,500戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で実現する「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来に向け、手軽でお客様にとって利便性の高い不動産取引を提供しています。
<会社概要>
会社名:株式会社property technologies
代表者:代表取締役社長 濱中 雄大
URL:https://pptc.co.jp/
本社:東京都渋谷区本町3-12-1 住友不動産西新宿ビル6号館12階
設立:2020年11月16日
上場:東京証券取引所グロース市場(5527)
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