日本の野外教育を支える花山キャンプ場の橋を再生 クラウドファンディングで600万円の建設資金を募集開始
幼少年キャンプ研究会(所在地:茨城県つくば市大曽根3765-4、代表:岡村泰斗)は、宮城県くりこま高原に位置する花山キャンプ場の橋再生プロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で支援の受付を開始しました。老朽化により車両通行が困難になった橋の建て替えに必要な600万円の資金調達を目指しています。
子どもたちの成長を支える施設の危機的状況
花山キャンプ場は、1985年に日本の野外教育のパイオニアである故飯田稔により建設されました。40年間にわたり、延べ13,000人の子どもたちが参加し、1,000名以上のキャンプカウンセラーを輩出してきた日本を代表する教育キャンプ施設です。現在、年間を通じて幼稚園年長児から高校生までを対象とした教育プログラムを提供しています。
施設へのアクセスに不可欠な橋が、近年の行政サービスの大型化に対応できなくなりました。ゴミ処理車やし尿汲み取り車の大型化により、従来の木製井桁構造では通行許可が取得できず、基礎から鉄骨による建て替えが急務となっています。2024年には車両の通行が完全に不可能となり、現在スタッフが手作業でし尿処理を行うなど、運営に深刻な支障が生じています。
花山キャンプ場は私有地に建設されているため、公的資金による修繕は利用できません。行政サービスの変化に伴う基準の厳格化により、民間負担での橋梁再生が不可欠となったのです。
野外教育研究における国内随一の貢献実績
幼少年キャンプ研究会は1969年、東京教育大学の野外運動研究室を母体として設立されました。教育的な観点からキャンプ活動を実施する団体としては日本で最初の組織です。
創設者の飯田稔は、1972年から1976年にかけてアメリカで野外教育に関する博士号を取得した日本人として初めての研究者でした。彼が日本に導入した冒険教育や環境教育の概念は、今や国内の野外教育業界における基本理念となっています。特に「Leave No Trace」という自然環境への配慮の考え方と実践技法は、花山キャンプを通じて日本全国へ波及し、現在ではLeave No Trace Japanとして独立した組織となり、アジア地域での野外指導のイニシアティブを取っています。
これまでに100編を超えるキャンプに関する研究論文が花山キャンプのデータを基に発表されており、日本の大学や民間企業への指導者輩出も数えきれません。参加児童のリピート率は75%に達し、親の世代もキャンプ経験者という家族が現在参加者の約50%を占めるなど、世代を超えた信頼と実績を築いています。
地域と共生し、人間力を育てる学びの場
花山キャンプ場は宮城県くりこま高原の自然に囲まれた立地です。キャンプ場に到着するためには必ず橋を渡らなければならず、その橋は子どもたちにとって「新たな自分を発見するための聖域への一歩」として象徴的な意味を持っています。緊張と期待を胸に橋を渡り、自然体験と人間関係の構築を通じて成長し、大きな自信を携えて再び橋を渡り日常へ戻っていく。その過程全体が教育的価値を有しています。
現在、AI化による利便性の向上と同時に、自分で考える力や判断する力の低下が教育現場で指摘されています。自然環境での野外活動は、意思決定と判断の連続です。特に花山キャンプの自然環境と立地条件は、子どもたちの人間力育成に最適であり、これほど恵まれた教育施設は国内に類を見ません。
スタッフ全員がボランティアとして、高度なキャンプ指導教育を受けながら献身的に活動しています。現在、し尿処理という本来的な教育活動とは関係ない作業を強いられていますが、子どもたちへの清潔な環境提供という使命感から、誰ひとり業務放棄することなく対応しています。
橋再生プロジェクトの全体像
クラウドファンディングの目標金額は600万円で、全額が橋の建設費用に充てられます。スタッフの作業費および交通費は団体およびボランティアで負担し、支援金の透明性を確保しています。
プロジェクトのスケジュールは以下の通りです。2025年11月に3社からの相見積を取得し発注業者を決定済みで、2026年2月末のクラウドファンディング終了後、支払いスケジュールの最終調整を行います。2026年3月に発注と資材加工を開始し、ゴールデンウィーク期間中に業者と共同で橋の解体作業を実施します。新橋は2026年7月に完成予定で、同年7月30日には花山キャンプのAコース参加者と共に完成式典を開催する予定です。
支援者に対するリターンは、非営利団体であるため物品提供ではなく、子どもたちへの質の高い教育体験の継続提供という形で還元されます。10,000円から750,000円までの支援レベルに応じて、参加費割引チケットが提供されるほか、キャンパーからのお礼の手紙が送付されます。
後継者への思い、40年の歴史を未来へ
飯田稔は2023年4月に逝去し、2025年8月の花山キャンプ場40周年記念イベント開催予定時期には現存しませんでした。40周年記念事業の一環として10年前に埋めた30周年タイムカプセルが開封された際、飯田の遺した一文が発見されました。「10年後、2024年俺は生きているのか。例え俺がいなくとも、花山の自然と花山キャンプの精神は永遠に続き受け継がれていくだろう」。
代表岡村泰斗を中心とするスタッフ一同は、このメッセージを受け継ぎ、花山キャンプを次世代へ引き継ぐ決意を新たにしました。橋の再生は、単なる施設修復ではなく、日本の野外教育の伝統と精神を守り、未来の子どもたちへ継承するための重要なプロジェクトなのです。
概要
プロジェクト名:花山キャンプ場橋再生プロジェクト
クラウドファンディング開始日:既開始
目標金額:600万円
現在の支援状況:23万円(2026年2月3日時点、支援者11名)
募集終了予定:2026年2月末
プロジェクトURL:CAMPFIRE内「花山キャンプ場橋再生プロジェクト」ページ
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