不登校・引きこもりの子どもたちに「生きる場所」を──Heart for kids、古民家購入のクラウドファンディングを開始
Heart for kids合同会社(所在地:高知県香南市夜須町千切1112、代表:小見山誠)は、不登校や引きこもりの子どもたちが共同生活を送りながら社会と繋がる拠点を拡大するため、クラウドファンディングを開始しました。目標金額800万円を掲げ、より多くの子どもたちを受け入れるための古民家購入資金を募っています。
社会的孤立から包括的参加へ──増え続ける「居場所」を失った子どもたち
現在、日本では約147万人の引きこもり、高校生を含めると70万人以上の不登校児が存在すると言われています。これらの子どもたちは物理的な居場所だけでなく、「心の居場所」も同時に失っているケースが少なくありません。
コロナ禍を経て、子どもたちの社会的孤立はさらに深刻化しており、文部科学省の調査によれば、2022年度の小中学校における不登校児童生徒数は29万人を超え、10年前の約2.5倍に増加しています。家族だけでは問題を抱えきれず、孤立した環境の中で子どもたちが未来への希望を見失うケースが増えています。
Heart for kidsの小見山代表は「ご家族の悩みや問題は、あまりにも多く、深刻です。だからこそ、私たち『第三者』の介入が必要です。子どもたちが『他人』を通して社会を知り、自分は社会に必要とされていると感じられる場所を創りたい」と語ります。
24時間共同生活で「役割」を見つける──単なる居場所ではなく「生きる力」を育む拠点に
Heart for kidsは現在、高知県内で一軒家を借り、元引きこもりや不登校の子どもたちと24時間寝食を共にしながら、小さなカフェを運営する活動を続けています。しかし、年々増加する「居場所を求める声」に、現在の規模では応えきれなくなっているのが現状です。
同団体の特徴は、単に子どもたちの居場所を提供するだけではなく、共同生活や就労体験を通じて社会との接点を作り、「自分の役割」を見つけることに重点を置いている点です。小見山代表は「引きこもりや障がいという問題は個人の事ではなく、役割のない環境に起こることだと思います。全ての人は役割があればそれが居場所になる」と説明します。
実際に、同団体で生活する子どもたちは様々な成果を上げています。昨年は子どもたち自身が企画・運営して地元企業にプレゼンテーションを行い、多くの協賛を集めて1000発の花火大会を成功させるなど、主体的な活動を展開しています。
あるお母さんからは「息子は中学1年から不登校になり、笑顔が失われていきましたが、ハートフォーキッズで同様の経験をした仲間たちと共同生活を送るようになってからは、視野が広がり主体性も芽生え、たくましく成長していると感じています」という声が寄せられています。
クラウドファンディングで目指す「すべての子どもたちに未来を創造できる家」
今回のクラウドファンディングでは、より多くの子どもたちを受け入れるため、新たに古民家を購入し、子どもたちが安心して暮らせる環境を整えることを目指しています。集まった資金は、主に設備費、人件費、広報・宣伝費、リターン仕入れ費などに充てられる予定です。
今後のスケジュールとしては、2026年1月末までに候補物件を決定し、2月に入居希望者向けの説明会を開始。3月上旬から増改築を始め、4月上旬から入居開始、同時に一階部分に入居者が運営する飲食店の開店準備も進めていく予定です。
「『生き場所がない』と諦めている若者たちを受け入れ、次への一歩を踏み出せるよう、日常生活を通して子どもたちが笑顔を取り戻す場所を創造していきたい」と小見山代表は意気込みを語ります。
Heart for kids合同会社の概要
- 企業名:Heart for kids合同会社
- 所在地:高知県香南市夜須町千切1112
- 代表者:小見山誠
- 事業内容:不登校・引きこもりの子どもを預かり、共同生活や就労体験を通じて社会復帰を支援
- 公式サイト:https://heartfor-kids.org/
- クラウドファンディングURL:https://camp-fire.jp/projects/view/741266

