都心から約90分の“日本の原風景” 千葉・鴨川の里山エリアで楽しむ 古民家宿&カフェ5選
温暖で自然豊かな安房地域[館山市・鴨川市・南房総市・鋸南町]。中でも、鴨川市にある、都心から一番近い棚田「大山千枚田」の周辺はどこか懐かしさを感じる、日本の原風景が残る場所です。里山の中にある古民家を改修した宿泊施設やカフェでは、まるでこの地に暮らしているような気分で、滞在を楽しむことができます。現在、大山千枚田で、この時期ならではのイベントも開催中!都会の喧騒を離れて、心温まる里山トリップに出かけてみませんか。

心も体もととのう宿泊体験を「るうふ別邸 鴨川919」
サウナと囲炉裏のある大人の隠れ家宿

自然に囲まれた静かな高台に昨年春オープンした「るうふ別邸 鴨川919」は、100年以上の歴史を持つ茅葺屋根の古民家を丁寧にリノベーションした、1日1組限定の一棟貸し宿。居間には調理にも使える囲炉裏があり、昔懐かしい温もりが感じられる、趣のある空間が広がります。5,000坪もの広大な敷地には、薪ストーブの本格フィンランド式サウナや水風呂、焚き火スペースなどの設備も充実。寝室は3部屋あり、最大8名まで宿泊することが可能で、家族や仲間と一緒にプライベートな滞在を楽しむことができます。
開放的なテラスデッキで“ととのい”体験

セルフロウリュもできる本格サウナで体を温め、水風呂でリフレッシュした後は、広々としたテラスデッキでのんびりと外気浴をするのがおすすめ。北西方向に開かれたデッキからはのどかな里山の景色が一望でき、夕暮れ時には、だんだんと茜色に染まっていく空のグラデーションを堪能できます。余計なことを考えず、里山の静けさの中で、まるで自然と一体になったような時間を過ごす…そんな心も体も“ととのう”贅沢な体験を、ぜひ味わってみてください。
所在地:鴨川市宮山919 / HP: https://loof-inn.com/hotels/kamogawa919
棚田米を味わうカフェ&ゲストハウス「KOZUKA513 cafe&guesthouse」
ブランド米が自慢のカフェ&農家民宿

大山千枚田の美しい風景に魅せられて移住したという店主が2019(令和元)年に仲間と共にオープンした「KOZUKA513」は、里山ならではのメニューと体験を提供する古民家カフェ&ゲストハウス。滞在中に近隣の田畑で農作業に参加したり、地元の食材を使って店主と一緒に料理をしたりと、ゲスト一人ひとりの“やりたい”気持ちに寄り添った宿泊体験が魅力です。食事のテーマは、地域の恵みを活かした“ローカルメニュー”。特に店主自ら棚田オーナー制度に参加し栽培する地元産のブランド米「長狭(ながさ)米」が自慢で、朝食にいただく、土鍋でふっくらと炊き上げられたごはんは格別です。
里山の恵みを一皿に。旬を味わうランチプレート

カフェの人気メニューは、週替わりの“ランチプレート”。長狭米に地元産の古代米を合わせたもちもち食感が特徴の“長狭黒米”と、6種類の総菜が盛り付けられた一皿です。また、その時期に一番美味しいと思える野菜を組み合わせ、味付けにもこだわった“季節のスープ”や、丁寧に煮込まれた“チキンカレー”のほか、濃厚でなめらかなベイクドチーズケーキなどスイーツも充実。カフェのみの利用も可能なので、ドライブの途中に立ち寄るのもおすすめです。
所在地:鴨川市金束513 / HP: https://kozuka513.com/
棚田の景色を次世代につなぐ「大山千枚田保存会」

都心から最も近い棚田として知られ、農林水産省の「日本の棚田百選」「つなぐ棚田遺産」にも選ばれている大山千枚田。四季折々に表情を変える美しい風景は、地元のNPO法人「大山千枚田保存会」の取組により守り続けられています。
2000(平成12)年にスタートした作業参加・交流型の「棚田オーナー制度」は、区画ごとにオーナーを募り、地元農家に教わりながら、田植えから稲刈りまでを手作業で行うもの。都市と農村とをつなぐ交流の場にもなっており、耕作放棄地問題への対策や、子どもたちへの食育事例としても全国的に注目を集めています。
所在地:鴨川市平塚540 / HP: http://www.senmaida.com
“自然と調和した食”を楽しむ「FUSABUSA」
巡る生命を感じる、里山のグローサリーブランド

自然と調和する食と暮らしをテーマに、里山里海で見過ごされてきた素材を生かした商品を企画・開発・製造するグローサリーブランド「FUSABUSA」。摘果で間引かれたみかんを使ったシロップや、地元の漁師らと連携し規格外の未利用魚や魚のアラを活用した「房総ブイヤベース」など、“いのちの循環”を感じられる逸品が揃います。特に人気なのが「長狭米」で作る米麹を使った発酵調味料「魚麹」。持続可能な農業・漁業や、地元の食文化に根差した“自然と繋がる食”を、気軽に食卓に取り入れることができます。
アトリエオープンデイに特別な体験を

古民家の納屋を再生したアトリエ「naya」は、オリジナルグローサリーを加工する工房兼実店舗。週末を中心に“アトリエオープンデイ”として買い物を楽しめるほか、FUSABUSAの調味料を使ったパスタやせいろ定食など日替わりメニューも味わえます。また、「手前味噌づくり」など家庭でも活かせる“食のワークショップ”が開催されることも。作ることや食べることを通して、自然の営みに思いを馳せる特別な時間を過ごしてみてください。
所在地:鴨川市釜沼638 / HP: https://fusabusa.jp/ (営業日要確認)
旅先で暮らすように泊まる宿「MUJI BASE KAMOGAWA」
全国初!無印良品が手掛ける一棟貸し宿

2023(令和5)年にオープンした「MUJI BASE KAMOGAWA」は、無印良品を展開する良品計画が全国で初めて手掛けた一等貸しの古民家宿。伝統的な「田の字型」の住居である築100年の古民家の特徴を生かしてリノベーションされており、無印良品らしいシンプルで快適な空間となっています。“旅先に暮らす体験”がコンセプトで、その土地の家に住まうようにのんびりと過ごせるのが特徴です。家具や家電、アメニティも充実しているので、到着したその日から快適な“生活”を始めることができます。
“農”のある暮らしを体感する里山ステイ

敷地内には畑があり、農薬を使わずに育てられた季節の野菜やハーブなどを自由に収穫することができます。広い土間を活用したキッチンダイニングで、大切な人と交流しながら、収穫した野菜を使って調理や食事を楽しむのもおすすめです。また、宿泊者限定特典として、車で40分ほどの場所にある須藤牧場(館山市)での酪農体験も可能。エサやり体験や牛乳の飲み比べなどを通して、いのちを育む、食と農のつながりを感じてみませんか。
所在地:鴨川市大幡(詳細は宿泊予約後に案内) / HP: https://stay.muji.com/ja/base/kamogawa/
里山の恵みが集う交流拠点「里のMUJI みんなみの里」

地域の総合交流ターミナルとして誕生し、良品計画が運営する複合施設「里のMUJI みんなみの里」。館内の農産物直売所には、天皇陛下への献上米にもなった地元産の「長狭米」をはじめ、新鮮な農産物が彩り豊かに並びます。
併設のレストラン「Cafe&Meal MUJI」では、旬の野菜をビュッフェ形式で楽しめる「里山のサラダバー」が大人気。2024(令和6)年には屋外に「里山デッキ」が新設され、季節の花々や田園風景を眺めながら、のんびりとテイクアウトメニューを味わうこともできます。
所在地:鴨川市宮山1696 / HP: https://www.muji.com/jp/ja/shop/detail/046602
【農と食と人がつながる。「苗目」が描く里山の未来図 naeme farmers stand/株式会社苗目 代表 井上 隆太郎氏】
鴨川市の里山エリアを拠点に、ハーブ・エディブルフラワーの栽培や古民家カフェの運営、里山整備などを通じて新たなコミュニティを創造する株式会社苗目。代表の井上 隆太郎氏に、ハーブの魅力や今後の展望について伺いました。

<プロフィール> 井上 隆太郎(いのうえ りゅうたろう)
東京都出身。2014年より鴨川市でハーブやエディブルフラワーの栽培を始め、2018年に農地所有適格法人「株式会社苗目」を設立。耕作放棄地や空き家を利用したカフェ「naeme farmers stand」、農地公園「Soil to Soul FARMPARK」などの運営を通じ、農業を軸にしたコミュニティ作りに取り組む。里山の再生活動にも注力し、自然と共生する持続可能なあり方と、ハーブの新たな可能性を追求し続けている。
消費から共生へ。自然と向き合う農業を
ー「苗目」を設立した経緯と、その取組について教えてください

都内で長年携わってきた空間装飾の仕事の中で、大量消費されていく植物の在り方に違和感を抱き、自然により近い環境で植物と向き合いたいと考えました。その後息子の誕生を機に自然豊かな鴨川へ移住し、本格的に農業へとシフト。現在はハーブやエディブルフラワーの栽培、里山に自生する植物の採取、そしてシェアファームの運営など農業を軸としたコミュニティ作りの三本柱で活動しています。「naeme farmers stand」は、増え続ける耕作放棄地をなんとかしたいと、相続放棄された約5,000坪の農地付き物件を取得し、自分たちの手で改装して古民家カフェとしてオープンしました。
気軽に立ち寄れるカフェでハーブの魅力を体感
ーカフェのこだわりとメニューについて教えてください

多くの人にとって、ハーブやエディブルフラワーは“新しい味覚”ではないでしょうか。カフェでは、カレーやハンバーガーなど親しみやすいメニューを中心に提供しているので、気軽に味わって「あれ、なんか美味しい」と感じてもらえたら嬉しいです。自社栽培のものをはじめ、全て農薬や化学肥料を使わずに生産された地元の食材を使用しており、“美味しい”をきっかけに、オーガニックや環境への関心が広がっていけば良いと考えています。
「ハーブ蔵」で見つける、自分だけのブレンド
ー「カスタムブレンドティー販売会」について教えてください

敷地内にある「ハーブ蔵」では、自社栽培のハーブを乾燥させてハーブティーとして販売しています。国産のハーブを使ったハーブティーは希少で、まずは純粋に味を楽しんでほしいと思っていましたが、その効能に期待する方が多いので、専門家がそれぞれの悩みや好みに合わせて作るカスタムブレンドティー販売会をスタートしました(月1~2回、予約制)。蒸留酒や化粧品の原料としての需要もあり、ハーブの新たな可能性をこれからも追求していきたいです。
里山文化とハーブを、鴨川から海外へ
ー今後の展望について教えてください

約8年前から里山の整備にも力を入れており、昨年は自社農場を開放して「Soil to Soul FARMPARK」という公園を作りました。今後はより広い視点で、商店街の活性化や棚田保全などのプロジェクトにも携わっていきたいです。
また、里山に自生する植物に興味を持つ海外の方が非常に多いので、日本の里山文化の魅力発信とともに、海外市場へハーブを輸出することも検討しています。
<naeme farmers stand> 所在地:鴨川市細野1125-1 / HP: https://naeme.farm
里山を照らすライトアップイベント「棚田のあかり」開催中!

鴨川の冬の風物詩となっている、大山千枚田のライトアップイベント「棚田のあかり」。稲刈り、脱穀を終えた375枚の田んぼが連なる棚田の曲線を、カラフルな1万本ものLEDライトが彩ります。橙、青、緑、紫と15分ごとに色合いが変わり、まるで光の波が押し寄せてくるような光景はこの季節ならでは。棚田を照らすLEDライト「ペットボタル(R)」に寄付をすることで、大切な人へのメッセージや願いを書いたライトを設置することも可能です。
開催期間:2025年10月25日~2026年1月12日 17:00~20:00ごろ※時間の変動あり
所在地 :鴨川市平塚540 / HP: http://www.senmaida.com
にっぽんの原風景~古民家宿&カフェ満喫MAP

【アーカイブ紹介】夏でも冬でも楽しめる!都心から90分のリゾート地で羽を伸ばそう!
■都心から約90分!千葉県の『AWA(安房)』地域でリゾートを満喫しよう!アクティビティや絶品グルメなど四季折々の楽しみ方が満載!

千葉県の『AWA(安房)』地域には、リゾート地ならではのアクティビティやグルメが充実!グランピングやリゾートホテルで羽を伸ばしながら、SUPやサーフィンなどのマリンアクティビティ、フルーツ狩りを体験できます。美しい海と山々に囲まれたリゾート地“AWA”で身も心もリフレッシュしてみませんか。
千葉県PRプロジェクトとは・・・
千葉県各地のブランディングを目的に、千葉ならではの価値や魅力を発信するプロジェクトです。企画や取材などで情報をリサーチされている方は、お気軽にご連絡ください。
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