【ライヴレポート】Royz、初の日本武道館単独公演を開催! 新たなワンマンツアー&「ROAD TO ARENA」となる “Capture II”を発表、「共に生きよう、共に歩もう」
ヴィジュアル系ロックバンド“Royz”が、自身初となる日本武道館での単独公演を9月16日に開催した。
結成から16年、不撓不屈の精神で歩み続けてきた彼らが満を持して立つ大舞台に掲げたのは、『「GIANT KILLER」-下剋上、その先へ-』。本公演の開催が発表されたのは、昨年11月3日に豊洲PITで行われたフリーライヴでのことだった。昴(Vo)が「醒めない夢を見ようぜ!」と叫び、“日本武道館”の文字を堂々と掲げた瞬間が、今でも鮮明に思い出される。
あれから約10か月。ONEMAN TOUR「GIANT KILLER」を2段階に分けて開催し、さらに3度のフリーライヴを行うなど、すべての照準はこの日に向けられていた。日々実感が増していく一方で、“Royzが日本武道館に立つ”という重責ものしかかっていたはずだが、そんなものに怯むRoyzではない。これまでにあったたくさんの笑顔も、もしかするとそれ以上に流したかもしれない涙も、すべてを連れて魅せたRoyzにしか成し得ない“KILLER SHOW”が、ここにはあった。

Dream a dream that never ends.――オープニング映像に映し出された、先述した昴の“あの日”の言葉からいよいよ幕を開けた夢の舞台。メンバーがゆっくりとせり上がってくると、たちまち場内は厳粛な空気に包まれた。そこへ「PHOENIXXXX-フェニックス-」が立ち上がる火柱と共に放たれると、力強い演奏に乗せて日本武道館で伝えるべき“永遠”を見据えた想いが浮かび上がっていく。昴が「手を伸ばせ」と呼びかけ、杙凪(Gt)の壮大なギターが響く中でオーディエンスが掲げた手の先にあるのは、この聖地のシンボルである“日の丸”。まるで、この場にいる全員で夢を掴んだことを証明するような絶景に、思わず胸が熱くなった。文字通り“始まり”を彩った「THE BEGINNING」が、かすかに漂っていた緊張を解きほぐす。「VENOM」で見せた偏愛の世界観、強さを纏う変身願望を込めた「TRANSFORM」と楽曲を重ねるごとに、この日を迎えるまでにRoyzが紡いできたものがピースとなって一つひとつハマっていく感覚が、なんとも気持ちがいい。

壮観なまでのヘッドバンギングが広がった「witch in the HELL」からは、活動初期の楽曲が並ぶセクションへ。タオルを振り回した「疾風迅雷」、公大(Ba)のスラップを筆頭にスキルフルな演奏で会場を縦に揺らした「クロアゲハ」。そして、いつだって心を一つに前を向き続ける意志を確かめ合ってきた「ACROSS WORLD」。ステージを右往左往しながらこれらの楽曲を披露する4人の姿に重なったのは、仲間と音楽をやることそのものを純粋に楽しんでいたかつての姿だった。ふいに「楽しいっ!」と声を漏らした昴だったが、時を経て今の4人は、この日本武道館という大舞台で過ごす時間を誰よりも楽しんでいる。これが、Royzが自ら勝ち取ってきた強さを物語っているようでもあった。

「日本武道館でライヴやらせてもらってます、Royzです。皆さん改めてよろしくお願いします!(歓声を受けて)最高やん!16年目で念願の日本武道館、夢を叶えることができて、今も夢を見ている途中です。本当にありがとうございます!」と挨拶した昴は、“Royzを見つけてくれたきっかけ”にちなんで、その大きなきっかけを生んだ楽曲として「丸の内ミゼラブル」を紹介した。ここで冴え渡ったのは、「丸の内ミゼラブル」「紫苑」と一連のストーリー性を持った楽曲で見せた、ノスタルジックな表現力。特別な演出など必要ないほどに、せつなさを掻き立てる昴の歌声と緻密に繰り広げられる演奏が観客を魅了していた。

ここでステージには楽器隊だけとなり、個々をフィーチャーしたセッションを繰り広げる一幕を経て、再び4人が揃うと「START LINE」からラストスパートへと突入。智也(Dr)の2バスが一段と気合いを高めた「Killing Joke」と、まさに音楽人生を全うする想いを刻む「RAIZIN」の和様な旋律が武道館の空気にもよく馴染み、その決意の固さがより一層浮き彫りになっていく。そして、“今は消せない過去に泣くよりも 消えない今を”というフレーズがひと際響いた「NOAH」に続いて、“今”を必死に生きる誓いを強く刻み込んだのが、本編ラストを飾った「ANTITHESIS」だった。「さぁ、夢の1日にトドメを刺しに行こうか! ただし、夢は終わらせねぇ! まだまだ行くぞ!」と昴の意気込みもさることながら、演奏に負けじと響く観客の歌声が重なり合うと、バンドとファンとの間に揺るがないテーゼが生まれていく。これが、また新たな“始まり”へと確実につながっていった。

4人揃って再びステージに登場すると、ごくいつも通りの和気あいあいとしたMCが繰り広げられた。メンバーの家族から「日本武道館が叶ったら目を入れてくれ」と手渡されたという達磨に目を入れ、「叶ったぞー!」と昴が高らかに掲げる場面も。1人ひとりが思いを伝える場面では、智也が「デカイ目標にむかってみんなで突き進んでいくって、素敵ですね。僕らが夢を叶えたのを見て、“僕、私も行けるんちゃうかな?”って思ってもらえたら嬉しい」と持ち前の笑顔で語った。出会いと別れを重ねながら4人で音楽ができている幸せ、そして「“音楽に生き、音楽に死ぬ”という人生を送っていきたい」と語った公大。この日を大きな“節目”としながらも、「また、必ず会えたら」と伝えた杙凪。そして昴は、「生きてて良かった。これに尽きる」と改めて実感を口にしながら、「夢が始まる日にもしたい」と“その先”をしっかりと印象付けた。

4人それぞれの言葉を届けた後、「愛を込めて歌います」と贈られた「Aerial cord」をはじめ、武道館でやるのをずっと夢見ていたという「SOUTHERN X -サザンクロス-」、共に歌い合いながら一体感を生み出した「AFTER LIFE」など、全6曲を披露。ライヴの幕締めを飾ったのは、もちろん「GIANT KILLER」だ。絶望を見た“最果て”から、未だ見ぬ希望に満ちた“最果て”へ。きっとこれからも、足並みを揃えて突き進んでいくアンセムとなり続けるだろう「GIANT KILLER」で宙を舞った銀テープが、新たなスタートの合図を告げるかのように眩しく輝いた。これからも、この情景だけは決して忘れることはないだろう。

まさに“下剋上、その先へ”という言霊通り、Royzは記念すべき初の日本武道館公演を決して思い出に終わらせなかった。さっそく11月からは全11公演からなるRoyz ONEMAN TOUR「BEYOND THE DREAM」がスタートし、デジタルリリースの決定もアナウンスされた。さらに、夢を叶え、約束を果たしたこの日を“Royz第一章 完結”とし、「共に生きよう、共に歩もう」と伝えた昴の言葉をキーワードに掲げるかのような“Capture II ROAD TO ARENA”と銘打った次なる展開にも期待が高まるところだ。“片翼”では成し得なかったこと、乗り越えられなかったことはこれまでも、これからもたくさんある。16年前に始まったRoyzという名の道には、“共に”という選択が不可欠だったのだ。だからこそ、Royzがこの世に名を受けた瞬間から、翼というモチーフは天命だったのだと思う。確かな両翼は、これからもRoyzを大きく飛躍させていくはずだ。

Photo :田辺 佳子(Keiko Tanabe)
上溝 恭香(Kyoka Uemizo)
Report:平井 綾子(Ayako Hirai)
-SET LIST-
- PHOENIXXXX-フェニックス-
- THE BEGINNING
- VENOM
- TRANSFORM
- witch in the HELL
- 疾風迅雷
- クロアゲハ
- ACROSS WORLD
- 丸の内ミゼラブル
- 紫苑
- バンドセッション
- START LINE
- Killing Joke
- RAIZIN
- NOAH
- ANTITHESIS
[ENCORE]
- Aerial cord
- 星に誓いを
- 0
- SOUTHERN X -サザンクロス-
- AFTER LIFE
- GIANT KILLER








