無停電電源装置(UPS)の世界市場調査レポート:規模、シェア、成長率(2026-2032年)
無停電電源装置(UPS)市場におけるコアポイント
QYResearchの分析によれば、世界の無停電電源装置(UPS)市場は2025年に10,820百万米ドルへ達した。
2032年の市場規模は16,760百万米ドルに拡大すると予測される。
2026~2032年の年平均成長率は6.7%である。
2025年は上位5社が57.0%、上位10社が67.0%を占め、頭部企業を軸とする梯隊構造が形成されている。

2025年の世界生産量は約2,686万台、平均販売価格は1台当たり402.79米ドルであった。無停電電源装置(UPS)は、停電や電圧変動時に蓄電池、スーパーキャパシタ、フライホイールなどから負荷へほぼ瞬時に給電する装置である。調査範囲はUPS本体と関連システムであり、長時間給電を目的とする非常用発電機は含まない。
市場規模と今後5年予測:AI電力需要と分散配置が牽引
UPS市場は、更新需要中心の成熟市場から、デジタル基盤投資に連動する構造成長市場へ移行している。QYResearchの最新レポートでは、2025年の10,820百万米ドルから2032年には16,760百万米ドルへ拡大すると予測する。6.7%のCAGRは、複数用途が支える安定成長を示す。
最大の牽引役はAIコンピューティングセンター、ハイパースケール型データセンター、クラウド基盤の増設である。高電力密度、供給継続性、設置効率への要求が、高効率オンライン型とモジュール型への置換を促す。エッジ拠点の分散配置も中小容量機の需要を広げる。
成長の質を左右するのは、リチウムイオン電池化、変換効率向上、配電・蓄電・監視機能との統合である。UPSは待機電源からエネルギー管理ノードへ役割を広げる。短期変動はあるものの、重要インフラにおける電源信頼性需要が中期成長を支える。

主要企業ランキングと市場シェア:上位集中と地域分化が併存
主要企業はSchneider、Vertiv、Huawei、Eaton、Kstar、Kehua、CyberPower、Riello、Piller、Deltaの順に位置付けられる。2025年の上位5社シェアは57.0%、上位10社は67.0%であった。市場は完全分散型ではなく、上位企業群が相当部分を構成する。
一方、極端な寡占には至らず、中位企業と地域企業にも余地が残る。高信頼用途ではグローバル企業、中容量帯ではコスト、納期、現地サービスに強い企業が優位となる。競争軸は単体機器から、配電、蓄電、監視、保守を含むシステム提案へ移っている。
主要企業の動向
製品領域の拡張では、2026年1月、米国オハイオ州コロンバスでVertivが600~1,500VAの「PowerUPS 200 Series」を北米向けに投入した。家庭、オフィス、POS、エッジ機器まで対象を広げた。
AIインフラのモジュール化では、2026年1月、米国ピッツバーグおよびベセスダでEatonとFlexnodeが協業を発表した。UPS、ラック、ケーブル管理を統合し、建設期間短縮を目指す。
供給能力の先取りでは、2025年11月、米国ラスベガスでSchneider ElectricとDigital Realtyが3億7,300万米ドルの供給能力契約を締結した。UPS、低圧配電盤、プレハブ式スキッドの調達枠を確保した。
今後の展望
地域面では、AIデータセンター投資が集中する北米と、需要拡大と国産化が並行する中国の重要性が高まる。中国の世界シェアは2025年の20.83%から2032年には21.56%へ上昇する見通しである。用途面では、AI基盤、通信、産業自動化、医療、交通、エッジ設備が有望となる。
競争は企業数の減少よりも、能力差による二極化が進む。高効率変換、蓄電連携、予防保全、長期サービスを一体化できる企業が優位となる。パワー半導体、電池、制御部品の調達安定性も重要となる。
日本企業への示唆
日本企業が市場参入や新規事業を評価する際は、単体UPSの規模だけでなく、配電、蓄電、監視まで含む案件入口を確認する必要がある。提携先の選定では、製品効率、地域サービス網、電池調達、保守体制を比較すべきである。部材・装置メーカーは、パワー半導体、制御機器、熱管理、蓄電連携で自社技術が組み込まれる位置を特定できる。競合追跡では、製品発表に加え、供給契約、モジュール化投資、地域生産体制を把握する必要がある。これらは投資評価、協業候補の絞り込み、社内稟議における市場性と実行リスクの整理に活用できる。
本記事は、QY Researchが発行したレポート「無停電電源装置(UPS)―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」 を紹介しています。
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