日本オラクル、トランスレーショナル医療を支援する製品群の最新版「Oracle Health Sciences Translational Research Center 3.0」を発表
日本オラクル株式会社(本社:東京都港区北青山、執行役社長 最高経営責任者:デレク・エイチ・ウイリアムズ)は、トランスレーショナル医療1を支援する製品群の最新版「Oracle Health Sciences Translational Research Center 3.0」(オラクル・ヘルスサイエンス・トランスレーショナル・リサーチ・センター)を本日より提供開始することを発表します。「Oracle Health Sciences Translational Research Center 3.0」は、創薬、臨床開発、トランスレーショナル医療のためのバイオマーカー2の迅速な開発に有効です。
*1トランスレーショナル医療:橋渡し医療ともいわれ、基礎研究で得られた成果をもとに新しい医療を開発し、臨床の場でその有効性と安全性を確認して、医療や医薬品へと応用していくまでの一連の研究過程のこと
*2バイオマーカー:人間の健康状態や治療に対する薬理学的な反応を定量的かつ客観的に判断、評価するための科学的指標
現在の臨床研究者は、医療機関や研究機関が所有する医療データの二次利用を発展させ、個別化医療の本来の可能性を最大限引き出すことに積極的に取り組んでいます。この取り組みを支援するため、最新版の「Oracle Health Sciences Translational Research Center 3.0」では、幅広いオミックス*3(ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスなど)および臨床データモデル、患者の分類とレポート作成のための新しいユーザー・インターフェースおよびワークフロー、遺伝子変異部分の発見を容易にする高度な分析機能、役割に応じた高度なデータ・アクセス・セキュリティなどの機能が搭載され、個別化医療の発展に必要な知見の入手に貢献します。
*3オミックス:遺伝子の発現やたんぱく質の構造解析など、包括的に生命情報を扱う研究分野のこと
幅広い知見と発見のための基盤を築くために、最新版ではオミックスおよび臨床データモデルのサイズが約2倍に拡大されました。
- 臨床データモデルに含まれる主要テーブルの数が約35から70以上に増加し、問診、治療結果、患者家族の病歴などの属性が新たに追加されました。
- オミクッス・データモデルには新たに約50のテーブルが追加され、総数は100を超えました。これは、がんや遺伝子の突然変異に関するデータベース「Catalog of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC)」および「Human Gene Mutation Database(HGMD)」からの組織構造および変異データに対応しており、構造の種類も拡大しました。
より多くののリファレンスゲノム*4がサポートされるようになり、研究者はリファレンスゲノムと比較するだけでなく、患者のゲノムの変化を疾病のライフサイクル全体で簡単に特定、追跡、分析することができます。
*4リファレンスゲノム:すでに配列が決定された代表的ゲノム配列のこと
今回の機能強化により、ゲノム研究を臨床環境に取り入れるために重要な「Genome Variant Call Format(GVCF)」*5にも対応します。この新機能により、医師は患者向けに配列されたゲノム領域をより簡単に適切な参照対象と比較できます。
*5 Genome Variant Call Format(GVCF):ゲノム配列情報のフォーマット
最新の「Oracle Health Sciences Translational Research Center」には、20以上の新規ユーザー・インターフェースとワークフローが提供されています。また研究に利用できる概念を拡張し、レポート作成とコホート調査後の分析を迅速化する30の拡張されたユーザー・インターフェースが用意されています。
新たに追加されたコラボレーション機能により、ユーザーは患者の分類条件やその他の調査結果を別のユーザーやユーザー・グループと共有することができ、これらの機能すべてを直観的なユーザー・インターフェースから操作できます。
高度なデータレベルのセキュリティ機能により、研究者がコラボレーション範囲を拡大しても、データの安全は確保されます。
日本オラクルでは、医療に携わる方を対象にした医療データの運用と活用に関するセミナー「Oracle ヘルスケア フォーラム2014」を2月20日(木)に開催します。同セミナーの詳細と参加申し込みについてはhttp://www.oracle.com/goto/jpm140220をご覧ください。
本発表に向けたコメント
テキサス州立大学MDアンダーソンの最高医療情報責任者であるジョン・フレンゼル博士(Dr. John Frenzel)は、次のように述べています。「MDアンダーソンでは、Moon Shotsプログラムを通じて個別化医療を推進しています。これはより的確なターゲット療法につながり、最終的にはがん患者の治療結果の改善につながります。この目標を達成するには、複雑な遺伝子型と表現型のデータを統合して分析することが欠かせません。ここではMoon Shotsアーキテクチャの重要コンポーネントになることを期待して、2012年11月に『Oracle Health Sciences Translational Research Center』を導入しました。プラットフォームの今回のバージョンに追加された新機能は、進化する臨床診療の中で、ゲノム技術のニーズに今後も対応してくれるはずです」
Oracle Health Sciencesのグローバル・バイスプレジデントであるジョナサン・シェルドン博士(Jonathan Sheldon, PhD)は、次のように述べています。「個別化医療の未来は、医療情報の二次利用を迅速に展開し、そこから新しい知見を得られるかどうかにかかっています。『Oracle Health Sciences Translational Research Center』は、この目的専用に開発されました。このソリューションの最新バージョンは、数多くの新しい遺伝子型および表現型分析機能に対応しており、バイオマーカーの識別とその後の治験および診療環境双方への適用を迅速化します」
Oracle in Industriesについて
オラクルのインダストリー・ソリューションは、クラス最高の製品ポートフォリオを活用することでヘルスサイエンスに関連する複雑なビジネス・プロセスに対応し、市場投入までの時間の短縮、コストの削減、競争力の獲得に役立っています。
Oracle Health Sciencesについて
オラクルは、より予測的、予防的、かつパーソナライズされた参加型のシステムが人々の健康増進に役立つと考えています。当社はテクノロジー、データ、知見を通じてオーダーメイド医療の迅速な発展を支えています。オラクルのソリューションは、診療の質と結果の改善、コストの削減、新しい治療法と機器の市場投入までの時間の短縮を目的とした業界イニシアティブをサポートしています。「Oracle Health Sciences」は、世界のライフサイエンスおよびヘルスケア企業・機関向けの総合的ビジネス・アプリケーション、データベース、ミドルウェア、ハードウェア・ソリューションを提供しています。詳細については、http://www.oracle.com/jp/industries/health-sciences/overview/index.htmlをご覧ください。
●オラクルについて
オラクルは、クラウド環境と皆様のデータセンターの両方においてハードウェアとソフトウェアが連携して稼働するよう設計します。オラクル(NYSE:ORCL)に関するより詳細な情報については、http://www.oracle.com をご覧ください。
■本件に関するお問い合わせ先
日本オラクル株式会社 広報室 石川
Tel: 03-6834-4837 / Fax: 03-6834-6129/ E-mail: pr-room_jp@oracle.com
プレスルーム http://www.oracle.com/jp/corporate/press/
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