TETSUYA Billboard LIVE 2025 ライヴレポートが到着!

初のアコースティックバンド編成で観客を魅了

2025-12-10 10:30
株式会社グラヴィス

2025年11月22日(土)、11月28日(金)、TETSUYAが『TETSUYA Billboard LIVE TOKYO』を開催。Billboard Live TOKYOで2日間にわたり4公演を行った。2022年に初のBillboardツアーを行ったTETSUYA。同年から4年連続でのBillboardライヴは、TETSUYAにとって冬の風物詩だ。今回は、Billboardライヴとしては初のアコースティック編成でのライヴとなった。11月22日、2ndステージの様子をお届けする。

TETSUYA Billboard Live 2025

TETSUYA Billboard Live 2025

開演前。食事やカクテルなどを楽しみながらTETSUYAの登場を待つ客席。優雅な時間が流れていく。ステージにはグランドピアノ、パーカッションセット、アコースティックギターなどが配置されている。バンドメンバーがステージへ。続いてTETSUYAが客席を通り、ステージへ向かう。大きな拍手と歓声で迎える観客たちに、胸の前で両手を小さく振って笑顔を向ける。オープニングを飾ったのはピュアなミディアムチューン「ARIGATO」でパーカッショニストが木製のカホンを叩き出す。思わず“やるなぁ、TETSUYA”と思ってしまった。最初の曲で“アコースティックライヴ”というスタイルを音と視覚で強く印象づけたのだ。観客は最初の1曲から、アコースティックモードに集中できたと思う。繊細なピアノの旋律。艶やかなギターの音色。温かみのあるカホンの音。TETSUYAは、正確なピッチで伸びやかな歌声を聴かせる。歌い終わるとスタンドマイクから手を離し、下を向いてバンドの演奏を受け止める。ピアノの和音とTETSUYAの声から始まった「魔法の言葉」は、楽曲の軽快さをボサノヴァ調のアレンジにのせる。ジャジーなテイストが加わり、クリスマスソングのような華やかさがあった。間奏では、客席の上階まで見回しながら、アンサンブルのリズムに合わせて、軽くリズムをとる。その表情は、まるで「お元気?」と問いかけるようだ。声出しを遠慮していた観客も思わず「てっちゃーん!!」と歓声を上げずにはいられないだろう。実際、曲が終わると同時にあちこちから歓声が飛んだ。「Fantastic Wonders」では、綺麗な中低音から高音へと、歌声が滑らかに移行していく。<空に求め>というワンフレーズでは、空中を見上げながらマイクから身体を離し、のけぞるようにしてロングトーンを聴かせる。最初から声圧もばっちり、微塵のぶれも、揺れもない直線のようなロングトーンに、思わず身を乗り出してしまう自分がいた。

MCへ。客席を見まわし「みんな、素敵じゃないですか、オシャレして」と話しかける。「ヒュー!ヒュー!(今日は)何かあったんですか?」というTETSUYAの言葉に客席から「てっちゃんのライヴー!」という声があがる。「ライヴ当日です。夢のようです」とTETSUYAが話し出す。人前で歌を歌うなんて思ってなかった、不思議、人の人生を俯瞰で見ているような感じと述べた後、「これ現実ですか?」と客席に笑顔で問いかける。「現実~」と口々に返す観客。ゆっくり会話を楽しむようなMCに、観客も次第にリラックスしていく。バンドメンバーに話を振りながら和やかにトークは展開。最後、TETSUYAはこう結んだ。「音楽だけやっていいって幸せですよ。夢のようじゃないですか。音楽でみんなと一緒の景色を見られるのが嬉しいなと思います。最後まで楽しんでいってください」

優美なピアノの調べから「READY FOR WARP」へ。爽快なアップナンバーをミディアムチューンにリアレンジしてきたのか……と聴いていたが、サビへ向かいビート感が増していく。曲に合わせ身体を揺らし、クラップする観客の姿も。TETSUYAが作るメロディーは、とてもロマンティックだと思うが、この日の「READY FOR WARP」のサビは、原曲ではわからなかった澄んだ美しさがあったと思う。この曲でTETSUYAは低音域で喉を震わせるようなアプローチ。高音域でもファルセットを使わず、母音を抜いて逃がすように歌うこともない。あくまで身体を使って地声で勝負している。この歌への向き合い方に、TETSUYAのロックに対する解釈が見えていると思った。カラフルなライティングがBillboard LIVE TOKYOを彩った「愛されんだぁ I Surrender」では、Aメロの「ら行」を英語のように発音し、メロディーをつなぐ。ヴォーカリストTETSUYAの引き出しが、ばんばん開いていく様子に、もう、耳は釘付けだ。この曲のお馴染みのパフォーマンス、リズムに合わせて首を左右に傾ける姿も飛び出したが、いつもは上体まで使ったアクションが、小首を傾げるようなパフォーマンスになっていて、失礼だがキュートだなと思ってしまった。

続いて披露されたのは「Time goes on ~泡のように~」。ソッとささやきかけるように歌い出すTETSUYA。声量をコントロールしている中でも、言葉がはっきり聴こえてくる。言葉を意識し、音を前に出すようにして発音しているのがわかる。今回のステージで改めて感じたのは、ヴォーカリストTETSUYAの発音のクリアさ。滑舌がいいというよりも、丁寧にストレートに歌うことにより、言葉を明確に響かせているのだと思った。そして、圧倒されたのは、この曲の後半で繰り返されるサビ。高音へ上がるほど声の響きが豊かになり、倍音成分が出てくる。その結果、サビ全体に奥行きのある広がりが生まれていた。中低音から高音まで段差なく聴かせながらも、一音だけ荒々しい発音を挟み込むなど、発音でもメロディーのもつ豊潤さを存分に表現していく様は本当にお見事だった。自分の声質で歌唱する最適解を見つけたのかなと思うくらいだった。曲が終わると客席から大きな拍手。

「楽しい?」とMCへ。客席から「楽しい~!」のレスポンス。「みんな飲んでる?」「飲んでまーす」「みんないい感じ~」と、友人同士のような会話が続く。「僕も今日、グルテンフリーのデザートいただきました」とTETSUYA。
1年くらいグルテンフリーを続け「ちょっと痩せたかな?」と言うと、客席から「痩せたー」「心配」という声が飛ぶ。何もしてない、小麦を抜くだけで痩せるからダイエット楽勝やな、小麦抜くだけやん、簡単やん……というTETSUYAの言葉に、それが難しい!という観客。TETSUYAが「いやいや、米粉のパンもあるし……」と踏ん張ると、客席に「……(だからそれが難しいんだってば)」という空気が漂い、次の瞬間、会場は大爆笑になった。「そうですね、好きな物、食べよう!」とTETSUYA。拍手。さらにTETSUYAが続ける。「好きな物食べていいけど、僕ね……それ(グルテンフリー)をやっている自分が好き」。観客全員が「あぁ~」と大きな声で納得。「小麦いらん、それで大丈夫な俺、カッコいいっていう」とTETSUYAが言うと、会場から爆笑とともに大きな拍手が起こった。話題は転がりTETSUYAの幼稚園時代の話へ。幼稚園に行くのが恥ずかしくて、家の裏に隠れていたとカミングアウト。「そんな僕がステージに立っているのが不思議。僕、L'Arc-en-Cielの人ですよ? それも不思議。今も歌ってて……僕がこの曲、作っているんですよ……ご存知?」と、客席にいきなり速球を投げる。間髪入れず「ご存知~!!」と返した満員の客席。拍手も起こった。この時の拍手には、TETSUYAから突然投げられたボールに見事にジャストミートした嬉しさと、誇らしさが溢れていた。観客同士を称え合う、そんな一体感が会場を満たしていたと思う。会話のようなMCをTETSUYAはこんな言葉で締め括った。
「本当に音楽に助けられてここまでこれたので。みんなが聴いてくれるから、こうやって集まってくれるから。本当にみんな、ありがとう。本当に幸せです。ありがとう」

ダークな趣のあるエモーショナルなミディアムチューン「FATE」へ。TETSUYAは声量のコントロールで、楽曲にメリハリあるダイナミズムを加えていく。ヴィンテージ&スポンジを赤にしたオリジナル仕様の通称“骸骨マイク”を右手に持ち、シャウトするTETSUYA。ステージも真っ赤に染まった。解放感の中に憂いを忍ばせたメロディーの「REGRET」では、間奏のギターソロもアコースティックアレンジ。軽やかなピアノ、柔らかいドラムのリズムもばっちりはまっていたが、アウトロの最後にジャジーなテイストを入れてきたあたりに、TETSUYAのこだわりを垣間見た。

グランドピアノがナイーヴな旋律を奏で出す。本編のラストを飾ったのは「誰がために鐘は鳴る」。歌い出しではエフェクトがかかっていたヴォーカル。そのエフェクトが少しずつ薄くなっていく。2番の始まりでは、またエフェクトを強くするなど、原曲の象徴的なアレンジを生かしながらも、繊細なアレンジで聴かせるミディアムチューンに仕上がっており、観客はただただ聴き入っていた。

アンコール。2階席から登場したTETSUYAに客席が沸く。客席の階段を下りながら、下を覗き、端の観客にも顔を見せ、手を振るTETSUYAの姿。「てっちゃーん!」の声がやまない。そこにいる全員が順番に「てっちゃーん」と声をかけている。Billboard LIVE TOKYOでのライヴで、2階からサプライズ登場というシーンは何度も見たが、これだけアーティストの名前を1人ずつ次々に呼ぶ(決して叫ぶではなく)客席のムードは初めてだった。それだけ観客がTETSUYAを身近に感じている。そういう空気を彼は作り出したのだと思った。

TETSUYAがマイクを取る。「ありがとう、楽しんでる?(バンドメンバーに向かい)僕たちも楽しんでるよね」と語った後こう言った。
「来週もあるしね。毎週会えるじゃん。すご!12月も会えるし……毎月会えるじゃん!ヒューヒュー!」

観客も「ヒュー!ヒュー!」とレスポンスする。『TETSUYA Billboard LIVE TOKYO』は、11月28日に追加公演が発表になっていた。加えて12月21日からLike-an-Angelのツアー『Like-an-Angel TOUR 2025-2026 “Crash to Rise”』がスタートする。ファイナルは2026年1月31日の横浜 Bay Hallだ。

だからTETSUYAは「毎週会える、毎月会える」と言ったのだ。そしてこんな言葉を残した。
「これからもどんどん新しい景色が見られたらと思います」

ラストソングは「流れ星」。イントロでステージバックのカーテンがゆっくりと開いていく。ステージ背後のガラス越しには、六本木の街のイルミネーションが広がっていた。TETSUYAは優しく、丁寧に歌う。随所随所のトーンでは喉の位置を変え、夜空に舞い上がっていきそうな歌声を聴かせる。一音一音に滲む、感謝。流れ星が流れたら、今、TETSUYAはどんなことを願うのだろうか。どんなことを祈るのだろうか。そんなことを想像してしまうほど、メロディーと言葉が心に刺さってくる。最後にはファルセットも響かせた。歌い終えると「ありがとう。まったねー!」と言い、観客に拍手を送ってTETSUYAはステージを後にした。次はLike-an-Angelのtetsuyaとしてのステージが待っている。

Like-an-Angel TOUR 2025-2026 “Crash to Rise”

12月21日(日) 神戸 Harbor Studio
12月27日(土) 名古屋 THE BOTTOM LINE
12月28日(日) 福岡 DRUM Be-1
1月31日(土)  横浜 Bay Hall

チケット詳細
一般発売(先着)
チケットボード
https://ticket.tickebo.jp/sn/likeanangel25-26-ip
チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/like-an-angel/
ローソンチケット
https://l-tike.com/likeanangel/
イープラス
https://eplus.jp/likeanangel/

TETSUYA Billboard Live 2025

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