【岡山理科大学】岡山理科大学と台湾の明新科技大学がダブルディグリーで覚書調印
半導体分野の人材養成で連携

半導体分野を中心とした教育連携を目指し、岡山理科大学は台湾の明新科技大学と10月23日、両大学で学士の学位取得を可能にするダブルディグリー・プログラム実施に関する覚書を調印しました。理大は1984年に明新科技大学(当時は明新工業専科学校)と教育交流協定を締結しており、40年以上経過したことから昨年9月に加計学園と明新科技大学で同協定を再締結。今回の覚書はその協力関係をさらに強化していくのが目的です。
調印式は岡山キャンパスの加計学園創立50周年記念館で行われ、加計学園の加計役理事長、理大の平野博之学長、南善子副学長と明新科技大の呂明峯学長、高國檳・日本プロジェクトオフィス執行長らが出席しました。
式ではまず理大工学部電気電子システム学科の笠展幸教授が「明新科技大学では世界初の半導体学部で、半導体製造の最先端機器を備えた研修施設で実践的な教育を提供し、卒業生は台湾をはじめ世界の半導体企業に就職しています。ダブルディグリー・プログラムでは、岡山理科大学に入学した学生が半導体の知識と留学に必要な語学を履修した後、明新科技大学に留学します。このプログラムを修了した学生は、卒業時には両大学の学位を取得でき、台湾および岡山県の半導体企業で活躍できる人材となることが期待されます」とプロジェクトの概要を説明しました。
続いて、挨拶に立った平野学長は「世界基準の専門知識および技術を習得することで、グローバルな視座で活躍できる人材の養成を目指します。この覚書をきっかけに岡山と台湾の産学官が国を超えて協力し、岡山が半導体産業の国際拠点となるのを切に願っています」と述べ、「半導体人材の育成に加えて、半導体研究においても両大学の研究者間の交流を活発化させ、世界を牽引する半導体研究の拠点形成に努めたいと思います」と述べました。
一方、呂学長は「台湾は半導体製造では世界有数です。台湾でも少子化で他の大学が学生数を減らす中でも、明新科技大学は逆に学生数を増やしており、半導体の人材育成には強みがあります。岡山理科大学と一緒にこの分野の人材育成を進めていきたいと思います。学生たちは台湾で仕事をしてもいいし、日本に戻っても最適な仕事があると思っています」と今回の連携に強い期待感を表明しました。
覚書調印後、加計理事長は「今後、人材育成に向けた拠点をつくり、お互いの交流を深めて講義や実習を共同で行うなど、自治体も含めて連携をさらに深めていけたらうれしいと思っています。岡山の良さを今回感じていただいて、工場なり支社なり、半導体企業に来ていただければ、岡山の発展にもつながると考えています」と締めくくりました。
式には、台湾のシリコンバレーと呼ばれる「新竹サイエンスパーク」の半導体企業をはじめ、岡山県庁、岡山県産業振興財団、おかやま半導体関連コンソーシアム参加企業の皆さんも出席して調印の様子を見守り、半導体産業を担う人材養成への関心の高さをうかがわせました。
式に続いて理大A1号館ラウンジでレセプションが行われ、日本企業と台湾企業など出席者が名刺交換するなどして和やかに交流しました。
明新科技大学は新竹サイエンスパークに隣接し、2021年に台湾初の半導体学部を創設して半導体製造工程の先端的教育に取り組んでおり、TSMCなど世界を代表する半導体大手企業に多数の人材を送り出しています。






