第一三共ヘルスケアとNTTドコモビジネス、 要指導医薬品の製造販売後調査を国内初の電子化へ

~購入使用者の回答利便性を向上させ、より早く、より正確に情報収集し、業界初のDXを実現~

2025-12-10 11:00
第一三共ヘルスケア株式会社 NTTドコモビジネス株式会社

 第一三共ヘルスケア株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:内田高広、以下「第一三共ヘルスケア」)とNTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小島克重、以下「NTTドコモビジネス」)は、要指導医薬品※1の製品発売後に行う製造販売後調査(PMS)※2において、国内初※3となる電子的調査(以下、本取り組み)を本年11月に開始しました。第一弾として「ロキソニン(R)総合かぜ薬」(要指導医薬品)から導入し、今後、第一三共ヘルスケアでは他の要指導医薬品でも順次電子化を適用していく予定です。

1.背景
 近年、セルフメディケーション※4の推進やOTC医薬品※5市場の拡大に伴い、要指導医薬品の安全性確保と適正使用の重要性が一層高まっています。要指導医薬品は、薬剤師による対面での指導を前提とした販売が義務付けられており、一般用医薬品よりも厳格な安全性情報の管理が求められます。
 医薬品は発売後に実際の使用状況や有害事象の情報を把握するため、製造販売後調査が不可欠です。しかし、要指導医薬品においても従来のアンケート用紙による調査では、購入使用者の再来店の手間や記入漏れ、販売店舗での回収・保管の負担、低い回収率や集計業務の非効率性、情報収集の遅延など、多くの課題がありました。

 そのような課題を持つ中、2025年8月に厚生労働省より「要指導医薬品の製造販売後調査等の実施方法に関するガイドラインにおける質疑応答集(Q&A)について※6」の通知が発出され、要指導医薬品の製造販売後調査において電子的調査が正式に認可されました。これにより、従来の紙面調査に加えて電子的調査が可能となり、電子化によりアンケートの早期回収や回収率の向上、ペーパーレス化による環境負荷の低減、購入使用者と販売店舗双方の負担軽減など、多くのメリットがあり、DXの促進につながることが期待されています。

2.連携概要
 NTTドコモビジネスが提供するデータ収集サービス「SmartPRO(R)」を活用し、要指導医薬品の製造販売後調査における電子化を実現しました。SmartPRO(R)は、臨床試験※7などにおけるインフォームド・コンセント※8とPRO※9収集およびアンケート調査のデータ収集を管理するWebサービスです。スマートフォン等から簡単にアンケート回答が可能で、購入使用者(回答者)・薬局・製薬企業それぞれの負担を大幅に軽減します。購入使用者は、製品のパッケージに貼付された用紙に記載された二次元コードから、自身のスマートフォン等を用いて回答をスムーズに完了できます。直感的な操作画面、入力漏れ防止機能、リマインド通知などにより、調査の品質と回答率向上の両立を実現します。
 また、SmartPRO(R)ではアンケート協力への謝礼として「dポイント※10」を付与する独自の仕組みを導入しています。NTTドコモグループならではのこの施策により、回答者は全国のdポイント加盟店等で利用できる共通ポイントを受け取ることができ、調査の回収率向上を後押しします。
 本取り組み今回の施策では、SmartPRO(R)を要指導医薬品の製造販売後調査に導入することで、従来のアンケート用紙による調査や販売店舗における調査で課題となっていた「低い回収率」「集計業務の非効率性」「情報収集の遅延」などの解決につながります。

電子的製造販売後調査の仕組み

<電子的製造販売後調査の仕組み>

<電子的製造販売後調査の仕組み>

各社の役割

・第一三共ヘルスケア:SmartPRO(R)を用いた要指導医薬品における製造販売後調査の体制構築・実施。
・NTTドコモビジネス:SmartPRO(R)の設定およびサービス提供、製造販売後調査を円滑に実施するための機能改修。

3.今後の展開
 第一三共ヘルスケアとNTTドコモビジネスは本取り組みを通じて、製造販売後調査の電子化をさらに推進し、迅速かつ正確な医薬品の安全性情報の収集体制を強化します。これにより、医薬品の適正販売・適正使用を支える情報提供の質を高めてまいります。

 さらに、購入データや回答データを活用し、より効果的なマーケティングや製品改善につなげる取り組みも視野に入れています。こうした取り組みを通じて、OTC医薬品業界におけるDX推進を加速させていきます。

ご参考

1.第一三共ヘルスケアについて
 第一三共ヘルスケアは、第一三共グループ※11の企業理念にある「多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」という考えのもと、生活者自ら選択し、購入できるOTC医薬品の事業を展開しています。
 現在、OTC医薬品にとどまらず、機能性スキンケア・オーラルケア・食品へと事業領域を拡張し、コーポレートスローガン「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」を掲げ、その実現に向けて取り組んでいます。
 こうした事業を通じて、自分自身で健康を守り対処する「セルフケア」を推進し、誰もがより健康で美しくあり続けることのできる社会の実現に貢献します。

第一三共ヘルスケアロゴ

第一三共ヘルスケアロゴ

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/

2.NTTドコモビジネス株式会社について
 法人向け総合ICT事業を担うNTTドコモビジネスは、企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として「つなごう。驚きを。幸せを。」をスローガンに、人と人をつなぎ、コミュニティをつなぎ、さまざまなビジネスをつなぐことで、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現をめざします。
 詳細はhttps://www.ntt.com/をご確認ください。

NTTドコモビジネスロゴ

NTTドコモビジネスロゴ

https://www.ntt.com/about-us/nttdocomobusiness.html

※1:要指導医薬品とは、効能・効果において人に対する作用が著しくなく、薬剤師などの専門家の情報をもとに購入者の選択により使用されるものであり、且つ、適正使用のために薬剤師による対面での情報提供と指導が必要な医薬品のことです。
※2:製造販売後調査(PMS)とは、医薬品の市販後に、安全性や使用実態を確認するために製薬企業が実施する調査のことです。
※3:2025年11月17日時点、国内の要指導用医薬品の製造販売後調査において、「ロキソニン(R)総合かぜ薬」が初めて電子化を取り入れました。
※4:セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすることです。
※5:OTC医薬品とは、薬局・ドラッグストアなどで処方せんなしで購入できる医薬品のことで、OTCは、「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略です。
※6:要指導医薬品の製造販売後調査等の実施方法に関するガイドラインにおける質疑応答集(Q&A)とは、厚生労働省が公表する補足資料で、要指導医薬品の製造販売後調査に関する具体的な運用方法を示したものです。
※7:臨床試験とは、新しい薬や治療法の有効性・安全性を確認するために、人を対象として行う試験のことです。
※8:インフォームド・コンセントとは、医師と患者との良好なコミュニケーションのもとに、主治医が患者に対して十分な説明を行い、患者自らの意思決定に基づいた同意を得ることです。
※9:PRO(Patient Reported Outcome)とは、臨床試験において被験者や患者から直接得られる経過や症状に関する主観的評価のことです。
※10:dポイントとは、NTTドコモが提供するポイントサービスです。
※11:第一三共グループは、イノベーティブ医薬品(新薬)・ワクチン・OTC医薬品の事業を展開しています。

関連リンク(NTTドコモビジネス)

千葉大学病院とNTT Com、炎症性腸疾患において患者のプライバシーを保護したまま行う日本初の観察研究を開始(2022年11月29日)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2022/1129.html
臨床試験の評価精度向上を実現するデータ収集サービス「SmartPRO(R)」の提供を開始(2022年5月20日)
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2022/0520.html