第5戦は山下健太、第6戦は牧野任祐が優勝 。卜部和久が初のシリーズチャンピオンに輝く!
2025インタープロトシリーズPOWERED BY KeePer 第5・6戦レポート


2025 インタープロトシリーズ POWERED by KeePer 第 5・6 戦が 11月 8 日(土)・9 日(日)に、富士スピードウェイで開催された。決勝レースはウエットコンディションのなかで行われ、第5戦は#44 山下健太(NAVUL)が今季初勝利を手にし、第6戦では#55 牧野任祐(人馬一体ドライビングアカデミー)がインタープロト初優勝を飾った。シリーズ争いでは第5戦で4位、第6戦で5位に入った#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)が初のチャンピオンに輝いた。
8月の第2ラウンド以来、約3ヶ月ぶりの開催となったインタープロト。今回も全12台がエントリーし、基本的な顔ぶれに変わりはないが、他のレースとの兼ね合いで参戦が叶っていなかった#32 小高一斗(NETZ NOVEL MIE)と#27 ジュリアーノ・アレジ(表参道メディカルクリニック)が、今季初のインタープロト参戦となった。
予選日は朝から晴天に恵まれるも、気温は20℃を下回るというコンディション。プロフェッショナルレースは今回も白熱のタイムアタック合戦が展開された。様々に作戦が分かれたなか、最終的にポールポジションを獲得したのは牧野。参戦2シーズン目で初のポールポジションに輝いた。ただ後続も接戦で、2番手には0.086秒差で山下、3番手には0.146秒差で#37 福住仁嶺(キーパー号)がつけた。


9日(日)の決勝レースは、一転して雨模様となり、各車ともレインタイヤを履いて第5戦決勝(9周)がスタートした。ポールポジションの牧野はトップを死守したまま序盤の3周を終えたが、4周目のコカ・コーラコーナーでやや膨らんだところを、背後につけていた山下が並びかけ、ADVANコーナー手前でトップを奪取。終盤に2台が接近する場面もあったが、順位が入れ替わることなくチェッカーフラッグとなり、山下が今シーズン初優勝を飾った。
第6戦のスタートでは、山下はトップをキープし、第5戦を3位で終えた福住が牧野をかわして2番手に浮上。この2人が序盤から激しいトップ争いを演じたが、3周目のADVANコーナーで、3番手の牧野が2台の隙をついてトップに躍り出た。8周目に山下を抜いて2番手に上がった福住が牧野に接近しパナソニック オートモーティブコーナーで並びかけたが、牧野も冷静に凌ぎ、そのままトップを守ってフィニッシュ。参戦2年目にしてインタープロト初優勝を飾った。2位には福住、3位には#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)がゴール直前で山下を抜き去って逆転し、表彰台の一角を勝ち取った。



そして、第5戦で4位、第5戦で5位入賞となった卜部が、ランキングトップの座を守り切り、初のシリーズチャンピオンに輝いた。
なお、GR Supra GT4 EVO2で争われたSUPRAクラスには3台がエントリー。予選では、今までクラス最速の走りを見せていた38 坪井翔(P.MU GR Supra GT4 EVO2)を破り、 #17 堤優威(HW GR Supra GT4 EVO2)がポールポジションを獲得。第5戦決勝でも白熱のバトルを展開したが、最終的に坪井が逆転し2連勝を飾った。CCS-Rクラスは#28 中山雄一(KK CCS-R)がクラスポールポジションから、そのままリード。2レースとも#39 平良響(P.MU CCS-R)が背後につける展開となったが、最後までトップを守り続け、2連勝となった。
IPS 第5戦 優勝:#44 山下健太(NAVUL)
「1レース目はタイヤの内圧設定がうまくいって、牧野(任祐)選手を逆転できたことは良かったです。ただ、2レース目の状況を考えると、少し前半にかけすぎたところはあったと思います。レース中は雨も止んで少し乾いていくというコンディションでしたが、それに対して少し内圧が高すぎた感じがありました。でも、自分で決めたことなので仕方ないです。最後も3位で最終コーナーを立ち上がりましたが、クインタレッリ選手も抜かれてしまいました」

IPS 第6戦 優勝:#55 牧野任祐(人馬一体ドライビングアカデミー)
「1レース目で山下選手に抜かれてしまったのは、自分のミスでしたね。後半に追いつくことができましたが、あのまま先頭を守っていたら両方のレースとも勝てていたかもしれません。今回はみんなもタイヤのグリップが落ちきて、結構ギリギリの状態で走っていたと思います。2レースとも周回数は9周でしたが、SUPER GTのように神経を使って走っていたので疲れましたね。個人的には、これがインタープロトでの最後のレースになるので、参戦2年目で最後にマツダの皆さんとルーキーレーシングさんと一緒に勝つことができて、良かったです」


IPS シリーズチャンピオン:#3 卜部和久(INGING MOTORSPORT)
「チャンピオン争いのことは意識しつつも、ポイントのことを気にしてレースをするつもりはなく、レース中もポイントの情報とかは全く聞いていませんでした。2レース目が5位で終わったことで、『これは他の選手にチャンピオンを獲られたんじゃないか?』と思って、思わずチームに無線で確認したくらい、ゴール直後は不安でした。まだ実感はありませんが、いろんな先輩ドライバーから『おめでとう』と言っていただきました。しかも、先輩ドライバーといっても、僕がレースを始める前からSUPER GTやスーパーフォーミュラで活躍していて、テレビで観ていた方がほとんどなので、そういった先輩方と同じフィールドで戦えているというのは、とても良い環境だなと思います」

