Rd.4を制した下野璃央が フォーミュラ導入初年度のシリーズチャンピオンに輝く
2025 KYOJO CUP Rd.4レポート


2025年のKYOJO CUP Rd.4が10月10日(金)~12日(日)に富士スピードウェイで開催され、2レースを制した#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)が自身初のシリーズチャンピオンを獲得した。
国内最高峰フォーミュラカーレース「全日本スーパーフォーミュラ選手権」と併催されたRd.4ではイベントテーマとして『ハロウィン』が掲げられ、サーキットが賑わいをみせるなかレースウイークの幕が開けた。
11日(土)、8時30分から行われた公式予選は、早朝から降り続く雨によってウェットコンディションとなった。最初のアタックでは位置取りを考えコース入りを遅らせた下野が1分56秒458を記録し、トップに浮上する。各車が2周目のアタックラップに突入するなか、セクター1で好タイムを記録した#38 佐藤こころ(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)がスピンを喫し、100Rアウト側のバリアに接触。赤旗中断となった予選は残り時間3分に再開されたが、トラブルに見舞われた#37 バートンハナ(BigBoss W TOM'S KYOJO KC-MG01)が100Rで停止する。この間に1分55秒628でトップタイムを塗り替えた#7 翁長実希(Kids com KDDP KC-MG01)を含む12台がベストタイムを更新したが、黄旗提示区間通過時の周回とされこのタイムが採択されず、下野が今季2度目のポールポジションを獲得した。



KYOJO Sprint
13時05分から10周で争われたKYOJO Sprintは本降りの雨と濃霧の影響を受けてセーフティカーの先導のもとで開始され、4周目にローリングスタートが切られた。スタート手前の13コーナーでタイミングよく加速し後続を引き離した下野が序盤からレースをリードするなか、4番手の佐藤が4周目のTGRコーナーで翁長にバトルを仕掛ける。しかし翁長も簡単にはポジションを譲らず、佐藤を退けて3番手を死守した。ペースを上げた翁長は2番手の#8 佐々木藍咲(LHG KDDP KC-MG01)を猛追し、5周目にKCMG同士のチームバトルが勃発。ミスを喫した佐々木の隙をついた翁長は一気に間合いを縮めてGR GTコーナーで佐々木を攻略し、2番手に順位を上げた。各所でスピンやオーバーランを喫するドライバーが徐々に出始める一方、下野はファステストラップを記録しながら独走。ペースを落とすことなくチェッカーまで快走を続けた下野がKYOJO Sprint を制し、Rd.3の2レースに続く今季5勝目を飾った。2位には翁長が続き、シフトトラブルによって順位を落とした佐々木に代わって佐藤が3位を獲得した。



第4戦Sprint 優勝:#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
「スタートで後続を引き離せたことで、後ろに気をとられることなくペースを上げて走ることができました。フィーリングも良く、マシンもばっちり決まっていました。明日のKYOJO Finalで勝つことができたらタイトルを獲得できることはわかっていますが、あまり意識しすぎずに目の前のレースに集中します」


KYOJO Final
チャンピオン候補が下野、翁長の2名に絞られるなかで迎えた12周のKYOJO Finalは、12日(日)の12時55分からローリングスタートで開始された。トップの下野が加速で後続を引き離してレースをリードしようとするが、2番手の翁長もペースを上げて下野を猛追。ブレーキングで間合いを詰める翁長は下野との差を約0.6秒まで削るが、6周目のTGRコーナーでブレーキミスを喫し、再び差は拡大することに。ペースが落ちた翁長をかわした#1 斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KC-MG01)が2番手に浮上し、翁長は4番手を走行する#39 富下李央菜(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)にも間合いを詰められていく。2台による3番手争いはファイナルラップに動きを見せ、翁長の背後についた富下がTGRコーナーで3番手に浮上した。トップを快走する下野は最後までペースを保ってチェッカーを受け、今季6勝目を飾るとともにフォーミュラ導入初年度のKYOJO CUPシリーズチャンピオンに輝いた。
2025年シーズン最終戦となるRd.5は11月8日(土)・9日(日)に、2025インタープロトシリーズと併催予定だ。



第4戦Final 優勝:#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
「最終戦を残して、目標にしていたシリーズチャンピオンを決めることができてとても嬉しいです。翁長選手が追い付いてきていることはわかっていましたが、目の前のコーナーに集中して周回を重ねていきました。この結果に一安心していますが、せっかくなら勝ってシーズンを終えたいので、最終戦も頑張ります」

