Rd.3の2戦を制した下野璃央が ドライバーズランキングのリードを広げる
2025 KYOJO CUP Rd.3レポート


2025年のKYOJO CUP Rd.3が8月15日(金)~17日(日)に富士スピードウェイで開催され、#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)がKYOJO Sprint、KYOJO Finalの2戦を制した。
全5大会で戦われる2025年シーズンはRd.3となり、折り返し迎えたKYOJO CUP。今大会では、開幕2戦を欠場した#10 フレイム・アイリッカラ(CUBE FUNDER KDDP KC-MG01)が初参戦を果たしたほか、車両性能をイコールコンディションに近づけることを目的として、今シーズンから導入されたフォーミュラ車両「KC-MG01」のハイブリッドシステムを使用せずにレースが実施された。
16日(土)、9時25分から行われた公式予選では開始早々、#7 翁長実希(Kids com KDDP KC-MG01)が300Rでマシンを止める。トラブルに見舞われたポイントリーダーの翁長はリタイアを選択し、満足な走行を行えないまま予選を終えることに。各車タイム計測を開始すると、翁長と同点でランキング首位の座に就く下野がトップタイムを記録する。しかし#1 斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KC-MG01)が下野のタイムを0.487秒上回り、トップを奪取。斎藤のマークした1分45秒792は予選終了まで塗り替えられることはなく、2戦連続で斎藤がポールポジションを獲得した。


KYOJO Sprint
14時35分から10周で争われたKYOJO Sprintは、小雨が降るなかローリングスタートが切られた。斎藤がトップを守り、#17 白石いつも(AIWIN Re-Kobe KC-MG01)をパスした下野が2番手に浮上する後方では、最後尾スタートの翁長が着々と他車をかわしていく。12番手まで順位を上げた翁長はさらに4台を攻略し、8番手に浮上した。そんななか、パナソニック オートモーティブコーナー周辺が強い降雨に見舞われ、トップの斎藤を含む3台がスピンを喫する事態に。斎藤は最後尾まで後退することとなり、6周目に赤旗が提示された。雨脚が弱まった後、2周のセーフティカーランを経てローリングスタートが切られると、ラップリーダーの下野が抜群の加速でギャップを築く。引き離された白石は#39 富下李央菜(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)、#4 平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)に先行を許し、富下が2番手、平川が3番手に浮上した。下野の独走はレース終了まで続き、開幕戦のKYOJO Final以来となる今季3勝目を飾った。2位は平川となり、9周目のTGRコーナーでミスを喫した富下が3位に続いた。レース後半、さらに順位を上げた翁長は5位でフィニッシュしたが、スタート時の違反によって30秒のタイムペナルティが科され、16位でレースを終えている。



Sprint 優勝:#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
「まさかとは思いましたが、勝つことができて嬉しいです。雨はスタートから降っていましたが、13コーナーでマシンが滑る感覚があったので、そこは抑えめに走りました。ポイントランキングの点差も離すことができたので、明日は余裕を持ってレースに臨むことができると思います」


KYOJO Final
17日(日)、14時15分から12周で争われたKYOJO Finalはローリングスタートで開始され、加速でギャップを築いた下野がトップを守る。平川、富下がグリッド順のまま続くなか、#8 佐々木藍咲(LHG KDDP KC-MG01)が4番手に順位を上げ、さらに富下をパスする。快走する佐々木は6周目のTGRコーナーで平川も捉えて2番手に浮上した。その後方では前日同様に着実にポジションを上げる翁長が、#46 永井歩夢(NBAありそ鮨しKYOJOフォーミュラ KC-MG01)をかわして10番手に浮上。永井は背後に接近する斎藤に追われる展開となった。レースが残り3周を迎えると4番手の富下が勝負を仕掛け、平川と並走でTGRコーナーへ。2台の3番手争いはダンロップコーナーまで続き、富下が3番手の座を手に入れた。後方では永井と斎藤が軽く接触しながらバトルを展開するも、フィーリングに違和感を覚えた永井がスピンを喫し、ポジションを落とすことに。先頭では下野が独走状態でチェッカーを受け、KYOJO Sprintに続く今季4勝目を飾った。2位の佐々木はキャリア初の表彰台を獲得。3位に富下が続き、猛烈な追い上げをみせた翁長は6位、斎藤は10位で入賞を果たしている。
次戦は10月11日(土)・12日(日)に、今季2度目の全日本スーパーフォーミュラ選手権との併催大会として行われる予定だ。



Final 優勝:#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
「今日は優勝するチャンスだと思っていたので、嬉しいよりもほっとした気持ちが大きいです。ペースについては開幕戦ほどの自信はなくギャップが詰まっていることを知って少し焦りましたが、自分の走りに集中しようと思い前だけを見て走りました。次戦は予選でもレースでも1位を目指して頑張ります」

