神奈川県議会 共生社会特別委員会の議員が近畿大学農学部を訪問 障がいのある方の農業参入の取り組みを視察

近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、令和7年(2025年)11月6日(木)、「なら近大農法(ICT農法)」を活用した障がいのある方の農業参入の取り組みの視察として、神奈川県議会 共生社会特別委員会の議員12名、職員4名の訪問を受け入れます。
【本件のポイント】
●「なら近大農法(ICT農法)」の視察のため、神奈川県議会 共生社会特別委員会の議員12名、職員4名が近畿大学奈良キャンパスを訪問
●障がいのある方の農業参入をめざした「なら近大農法(ICT農法)」と農福連携の取り組みについて調査・視察
●農学部生が視察・訪問を通じて、社会的な交流を深める機会とする
【本件の内容】
近畿大学農学部では、奈良キャンパス内のICT設置温室において、農学部農業生産科学科 植物感染制御工学研究室教授(アグリ技術革新研究所兼務)野々村照雄の指導のもと、農業の自動化と省力化を可能とする「なら近大農法(ICT農法)」を用いて農作物を栽培しています。現在、農業未経験の農学部3年生16人が中心となり、「近大ICTイチゴ(品種:とちおとめ、紅ほっぺ)」の定植から収穫までの栽培ノウハウを学んでいます。また、近年は、障がいのある方の農業参入をめざした農福連携での「近大ICTメロン」の試験栽培や、奈良キャンパス内で障がいのある方と農学部生が「近大ICTイチゴ」を収穫するイベントを行っています。
今回、神奈川県議会 共生社会特別委員会の議員12名、職員4名を奈良キャンパスに迎えます。当事者目線の障がい福祉・障がい者雇用などに取り組んでいる同委員会での今後の運営の参考とするため、「なら近大農法(ICT農法)」と農福連携の取り組みについて調査・視察をしていただきます。
視察に先立ち、奈良県食農部 担い手・農地マネジメント課課長補佐 野村昌敏氏による「なら近大農法(ICT農法)」の概要・経緯説明と、野々村照雄による「なら近大農法(ICT農法)」の取り組みの説明を行います。また、農学部生5名も参加し、社会的な交流を深める機会とします。この視察を通じて、「なら近大農法(ICT農法)」の進展とICT技術を利用した農業の他県への展開・拡大が期待されます。
【開催概要】
日時 :令和7年(2025年)11月6日(木)14:00~15:30
場所 :近畿大学奈良キャンパス 多目的ホール内「いおり1」、ICT設置温室
(奈良県奈良市中町3327-204、近鉄奈良線「富雄駅」からバスで約10分)
参加予定:
神奈川県議会 共生社会特別委員会 委員長 ます晴太郎氏(自由民主党神奈川県議会議員団)、副委員長 野内みつえ氏(立憲民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団)、小林武史氏(自由民主党神奈川県議会議員団)、武田翔氏(自由民主党神奈川県議会議員団)、田中信次氏(自由民主党神奈川県議会議員団)、内田みほこ氏(自由民主党神奈川県議会議員団)、土井りゅうすけ氏(自由民主党神奈川県議会議員団)、原聡祐氏(自由民主党神奈川県議会議員団)、森田学氏(立憲民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団)、望月聖子氏(立憲民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団)、岸部都氏(かながわ未来神奈川県議会議員団)、亀井たかつぐ氏(公明党神奈川県議会議員団)、職員4名
奈良県食農部 担い手・農地マネジメント課 課長補佐 野村昌敏氏
近畿大学農学部 農業生産科学科 教授(アグリ技術革新研究所兼務)野々村照雄
近畿大学農学部 農業生産科学科4年生 5名
【プログラム】
14:00~14:05 ご挨拶
神奈川県議会 共生社会特別委員会 委員長 ます晴太郎氏
14:05~14:10 「なら近大農法(ICT農法)」の概要・経緯説明
奈良県食農部 担い手・農地マネジメント課 課長補佐 野村昌敏氏
14:10~14:30 「なら近大農法(ICT農法)」の取り組み紹介
近畿大学農学部 農業生産科学科 教授
(アグリ技術革新研究所兼務)野々村照雄
14:30~15:15 ICT設置温室の見学
15:15~15:25 質疑応答・意見交換
15:25~15:30 ご挨拶
神奈川県議会 共生社会特別委員会 副委員長 野内みつえ氏
【なら近大農法(ICT農法)】
近畿大学農学部は、少子高齢化に伴う農業従事者の減少や休耕地、耕作放棄地の増加といった社会問題を解決するため、「なら近大農法(ICT農法)」を利用した栽培管理方法の確立をめざしています。一般的に、農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、所得確保の不安定さが問題とされていますが、農作物の栽培に必要な温度調整などの管理機能にICT(情報通信技術)を導入することで、農業初心者でも容易に栽培管理することが可能になり、一定以上の収穫量の確保が期待されます。
「なら近大農法(ICT農法)」では、土壌センサーと日照センサーを連動させた装置によって、作物に水分と液肥を自動的に供給します。これらの情報は蓄積され、スマートフォンなどで遠隔地からもデータを確認することができます。また、ハウス側窓の自動巻上げ機が温度センサーと連動しており、ハウス内の温度をほぼ一定に保つために自動的に開閉が行われます。このような完全自動化肥培管理システムの導入により、農作業の時間を大幅に削減するとともに、水や液肥の低減が可能となり、収穫量の増加と品質の安定化へと繋がることが期待されます。
平成29年度(2017年度)から、近畿大学農学部農業生産科学科教授(アグリ技術革新研究所兼務)野々村照雄が中心となり、奈良キャンパス内にあるICT設置温室で、農学部生とともに「なら近大農法(ICT農法)」を用いて「近大ICTメロン」を栽培しており、令和3年(2021年)9月からは「近大ICTイチゴ」の栽培、令和7年(2025年)5月からは「近大ICTスイカ」の栽培にも取り組んでいます。これらの栽培マニュアルは、毎年、次の新たな農学部生へと受け継がれていきます。
【神奈川県議会 共生社会特別委員会】
当事者目線の障がい福祉・障がい者雇用、高齢者支援・認知症対策・ケアラーへの支援の推進、高齢者・障害者等介護の支援、特別支援教育、インクルーシブ教育・人権教育、デフリンピック・パラスポーツの推進、部活動の地域移行、多文化共生に向けた取組、人権男女共同参画社会の推進について調査しています。
URL:https://www.pref.kanagawa.jp/gikai/index.html
【奈良県食農部 担い手・農地マネジメント課】
農業の担い手育成、農業への新規参入、農業経営基盤強化、農業経営の支援、農業制度金融に関することを行っています。
URL:https://www.pref.nara.jp/4606.htm
【関連リンク】
農学部 農業生産科学科 教授 野々村照雄 (ノノムラテルオ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/162-nonomura-teruo.html