樹齢1200年を超える「伊佐沢の久保ザクラ」を守りたい!山形県長井市がクラウドファンディングに挑戦中
山形県長井市役所観光文化交流課(所在地:山形県長井市栄町1番1号)が、国指定天然記念物「伊佐沢の久保ザクラ」の保全を目的としたクラウドファンディングを実施しています。目標金額200万円で、令和7年12月31日まで募集し、樹勢回復作業に必要な資金を調達します。
枯死の危機に瀕する1200年の歴史を持つ国指定天然記念物
「伊佐沢の久保ザクラ」は昭和25年に国の天然記念物に指定されたエドヒガン種の桜で、樹齢約1,200年という長い歴史を持ちます。江戸時代には枝の広がりが約4,000m²に及んだことから「四反桜」とも呼ばれ、春には県内外から多くの観光客が訪れる山形県長井市の象徴的な存在です。
しかし、近年は樹勢の衰えによって枯死が進み、樹木医の指導のもとで樹勢回復作業に取り組んでいますが、一進一退の状況が続いています。現在は、「不定根誘導」という治療により新たに発生した若い枝が花を咲かせていますが、枯死により朽ちた枝が落ち、その姿が年々小さくなっています。
地域住民の想いが詰まった伊佐沢の久保ザクラを次世代へ継承するため、地元の桜保護団体や小学生、行政が一体となって保全活動に取り組んでいます。また、桜の開花時期には地元小学生によるガイドも行われ、文化的・教育的にも大切な役割を果たしています。
集まった寄附金の使い道について
今回のクラウドファンディングで集まった寄附金は、以下の3つの樹勢回復作業に充てられます。
- 既存支柱の撤去:安全性確保ため、経年により傷みが激しく倒壊の危険性がある支柱を撤去します。また、現在生育している枝に当たり、健全な枝の成長の妨げとなる支柱を撤去します。
- 支柱の増設・位置調整:かつての大きさを伝える枯死した太い枝や幹を可能な限り保存するため、折れないよう支柱を増設します。また、現在の樹形に合わせ、既に設置している支柱の位置を調整します。
- 枯れ枝の剪定:落下の危険性がある枯れ枝や病気により枯死が進む枝の一部を剪定します。
またかつてのように咲き誇ることを願って
今も懸命に花を咲かせる枝の生きる力に期待し、またかつての大きな姿に育つようそっと手を差し伸べ、地域全体で見守り続けていきたいと考えています。これからの成長や確実な保護管理を第一に考えた場合、枯死した枝を全て剪定することも検討しました。しかし、見るの人の心に強く根付き、朽ちかけてもなお雄大に咲き誇っていた当時の姿を感じられる今の伊佐沢の久保ザクラを、可能な限り現在の状態で保存し、活用することで次の世代へ伝えていきたい所存です。
山形県長井市について
山形県南部の置賜地域に位置する長井市は、人口約2.5万人の自治体です。市内を南北に流れる最上川などの豊富な水資源に恵まれ、江戸時代には舟運のまちとして繁栄しました。当時の舟運文化を今に伝える歴史的建造物や水路が街中に張り巡らされた独自の景観は国の重要文化的景観に選定されています。春から夏にかけては桜やつつじ、あやめなどの花々が咲き誇り、歴史文化あふれる街並みと四季折々の花々が織りなす美しい景観が魅力です。
組織概要
- 組織名:山形県長井市役所 観光文化交流課
- 所在地:山形県長井市栄町1番1号
- 代表:内谷 重治(市長)
- クラウドファンディング実施期間:2025年11月5日〜12月31日
- クラウドファンディングURL:https://readyfor.jp/projects/kubozakura
- 目標金額:2,000,000円