再開発で商圏拡大中の街・大塚で“勝ち筋”をつかんだカレー店「Japanese Bistro&Café 東京エイジング・スパイス 代表者 片瀬 開氏」の取材記事を9月16日公開
スープカレーは 、スパイスやスープの種類、ご飯の量、辛さ、素揚げの野菜や肉類のトッピング、サイドメニューなどのバリエ―ションを豊富にすることで自由にカスタマイズでき、週に複数回通っていただいても飽きない店を目指してます。
東京都企業立地相談センターは、再開発で商圏拡大中の街・大塚で“勝ち筋”をつかんだカレー店「Japanese Bistro&Café 東京エイジング・スパイス 代表者 片瀬 開氏」に取材を行い、その内容を東京都企業立地相談センターホームページにて2025年9月16日に公開しました。
■ 再開発で商圏拡大中の街・大塚で“勝ち筋”をつかんだカレー店
2021年3月に駅前の北口広場が再整備されたことに加え、ホテル、商業施設などの再生も進み、美しい街並みが整う山手線大塚駅北口。Japanese Bistro&Café 東京エイジング・スパイスは、その大塚駅北口から徒歩2分の場所に、2024年11月にオープンしたカレー専門店です。
オーナーは、ITを軸に複数の事業を展開する片瀬 開氏。豊島区の「2024年度 空き店舗活性支援事業」に応募し、採用されたことがきっかけとなって同店を開業しました。片瀬氏に店舗の特徴や展望、支援事業の内容、大塚の街の魅力などをお伺いしました。

■“カスタマイズ”と“スピード提供”で約21㎡の縦長狭小店舗を儲かる飲食店に
片瀬氏が飲食業に参入したのは、コロナ禍で経営が行き詰った知人のカフェを買い取った2022年。場所は東京エイジング・スパイスから徒歩1分ほどで、大塚駅北口至近の場所です。片瀬氏にとって、このカフェの経営は初めての飲食業領域への挑戦でしたが、メニュー、オペレーションの見直しや、原価率を下げたことなどが奏功して黒字に転換しました。
「東京エイジング・スパイスはカフェに続く2店舗目の飲食店です。種類は日本人の定番食のひとつであるカレーで、開店当初は人気の高いスープカレーに定め 、スパイスやスープの種類、ご飯の量、辛さ、素揚げの野菜や肉類のトッピング、サイドメニューなどのバリエ―ションを豊富にすることで自由にカスタマイズでき、週に複数回通っていただいても飽きない店を目指しました。さらに他のカレー店と差別化するポイントとして、オーダーから5分程度で提供できる“スピード”を追求しました」
店舗は細長い形状で面積約21㎡、席数は8。注文は入店直後にお客さまがタッチパネルで決め、オーダーがリアルタイムに厨房に届く仕組みです。カレーのベースとなるスープは、先述した近隣のカフェで予め調理しておき、東京エイジング・スパイスのほうへ運び入れているとのこと。トッピング類は店舗で火入れ調理し、スープをかけたご飯に盛り付ければ完成するため、目指す約5分以内の提供が実現できているそうです。
「基本的にワンオペレーションですが、十分に回せていますね。ランチ時には、1時間で20名前後が3回転するペースを保つことができています。開店から約7ヵ月経過し、既に常連の方も多くいらっしゃいます。ここまでの戦略で、徐々に“勝ち筋”が見出せてきたと感じています」


■応募する価値大!豊島区の「空き店舗活性支援事業」
次に、東京エイジング・スパイスが採用された、豊島区の「空き店舗活性支援事業」について聞きました。
「カフェ経営が軌道に乗り、もう1店、異なる業態の飲食店を展開したいと考えて近隣で物件を探し、ここを見つけました。大塚駅北口から徒歩2分と場所は悪くないのですが、約21㎡と狭い上に細長い形状で汎用性に欠けるため、借り手が付いていなかったのです。
豊島区の空き店舗活性支援事業は、物件探しと前後して知人から教えてもらいました。店舗の改修やリノベーションなどの整備費として最大200万円、開業後の店舗賃借料として最大月額7万円が最長2年間補助されるのはやはりありがたいですね。私はこの事業が始まった2024年度に応募しまして、当店を含めた採用3店舗はすべて飲食店でした。ただ、にぎわいをもたらす施設であれば業種は問われません。さらに、豊島区内在住者に限る、開業後は豊島区内に在住するといった条件もなく、求められるのは、基本的に豊島区内の空き店舗を活用することのみ。数ある行政の補助事業のなかでも、かなりレンジが広いのではないでしょうか」
支援事業では他にも、豊島区内での空き店舗活用やにぎわい創出などの豊富な実績を持つコーディネーター2名に困り事などを相談できる上、豊島区役所内の「としまビジネスサポートセンター」でも無料相談を受け付け。「ビジサポ」では、中小企業診断士を含む専門相談員が面談などのサポートを行っています。
「ビジサポでは、事業計画書等の事前確認でお世話になり、さまざまなアドバイスをいただきました。飲食業経営の経験はまださほどないため、非常に助かりました。また、支援事業とは別に、販促などに充てられる『中小企業支援事業補助金』も活用。年15万円ほどの補助金を受けています」


■既存商店と共存共栄、大塚をもっと盛り上げる!
最後に、カフェとカレー、合わせて2つの店舗を構える豊島区大塚の魅力を聞きました。
「私のオフィスは豊島区に隣接する文京区にあり、大塚は車で10数分と比較的近い場所なのですが、実はあまり土地勘はありませんでした。ですので大塚で飲食業を始めた理由は、先述したとおり知人の店を買い取ったためであり、偶然に近かったのです。しかし、カフェを始めてすぐに大塚ならではのメリットに気づきました。
まずは、山手線駅が利用できるアクセスの良さと、下町の親しみやすさが同居していることです。北口は、2018年の星野リゾートの都市観光ホテル『OMO5 東京大塚』の開業を契機として、格段に街並みが美しくなりました。そしてその一方、昭和の雰囲気を漂わせる元気な飲食店街があったり、都電がのんびり走っていたりするのもおもしろい。池袋からたったひと駅しか離れていないのがちょっと信じがたい、良い意味でのローカル感がありますね。
また、商圏が整っており、なおかついまも拡大中であることも魅力でしょう。池袋に比較すると宿泊施設は相対的にリーズナブルで、コロナ禍以降は海外からの旅行客がかなり増えました。私のカフェにも多くのインバウンドが訪れていて、SNSで評価してくださるので新たな海外からの旅行客も集客でき、好循環が生まれています。さらに、商店街を抜けて駅から徒歩5~10分程度の場所に一戸建て、マンションなどの住宅街があるため、地元住民のお客様も多いですね。おまけに現在も駅南口の目の前で大規模マンション工事が進んでいます。開発されつくした感のある都心部のなかで、今なお伸びしろを残している街だと思います」
令和8年度(2026年度)も豊島区の空き店舗活性支援事業が継続されるかについては、今のところ、公的発表はありません。それでも家賃相場は池袋に比べればかなり割安ながらアクセスは良いため、大塚での出店を検討する価値はあると片瀬氏は言います。
「既存の商店街の店主も、新しく参入してくる飲食店と一緒に大塚を盛り上げていきたいと考えていて、この街で商売を始める方を快く迎えてくれます。当店は大塚駅南北広場と自由通路で毎年行われる、大塚の大規模イベント『大塚商人(あきんど)まつり』に参加しており、地元商店街やお客様との交流を深めてきました。魅力ある街・大塚に、ぜひ注目いただければと思います」

■企業概要
商号:Japanese Bistro&Café 東京エイジング・スパイス
住所:東京都豊島区北大塚2-25-11グラヴィータ大塚1階
代表者:片瀬 開
設立:2024年(令和6年)11月
事業内容:飲食店
ホームページ:https://www.instagram.com/tokyoagingspice/
■情報配信元
東京都企業立地相談センター
ホームページ:https://www.ilsc.metro.tokyo.lg.jp/
■東京都企業立地相談センターとは
企業や個人事業者様を対象に創業や事業拡大する「場所」探しのご相談を不動産専門アドバイザーが無料で承っております。ご希望条件をお伺いし、事務所、店舗、工場、事業用地などを取り扱う民間不動産事業者に一斉照会いたします。
その他、都や都内区市町村の公的物件情報や支援制度もご案内しております。
(東京都企業立地相談センターは東京都産業労働局が運営しております。)
■記事掲載
東京都内に立地し活躍されている企業様や区市町村の企業支援担当者へのインタビュー記事を東京都企業立地相談センターホームページに掲載しております。
ページURL:https://www.ilsc.metro.tokyo.lg.jp/voice/057.html