<自転車の安全利用促進委員会レポート> 青森県教育委員会主催 『令和7年度学校安全指導者研修会』にて講演
青森県内の小学校及び義務教育学校教職員等約70名が参加
自転車の正しい利用方法や安全安心な自転車の選び方、メンテナンスの重要性を啓発する「自転車の安全利用促進委員会」と「一般社団法人自転車協会」は、青森県総合学校教育センターで行われた『令和7年度学校安全指導者研修会』(主催:青森県教育委員会)にて、自転車通学指導セミナーを実施し、青森県内の小学校及び義務教育学校教職員等約70名が参加されました。
講師の遠藤 まさ子(自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト)は、自転車事故の傾向や特徴、事故データに触れ、安全な自転車利用に必要な要素を説明しました。
小学生の交通事故状況については、歩行中の事故は小学1年生が最も多いものの、学年が上がるにつれて減少し、一方で自転車乗車中の事故は学年が上がるにつれて増加し、小学5年生が最も多くなることを説明しました。
また、青森県の中学生・高校生の通学時における自転車事故件数については、自転車事故の加害者(第一当事者)となる割合は低く、他県と比較しても事故に巻き込まれないよう指導していくことが有効であると推測されると述べました。
「自転車に乗るためには、さまざまな能力が求められます。リスクを予測・回避する力が十分でない子どもが多く、ヒヤリハットの経験が少ないと、中学生になってからの自転車通学でリスクが生じます。保護者の協力も欠かせず、小学生のうちから交通ルールを確実に身につけておくことが重要です」と強調しました。
さらに、「授業で行われるハザードマップ作成時には、カーブミラーの有無といった分かりやすい注意ポイントや、自転車にとって危険な場所、標識などの要素を加えることで、より注意喚起の効果が高まります」と説明しました。
加えて、自転車そのものの安全性についても触れ、「安全基準を満たしたBAAマーク付きの自転車を選ぶことや、日常的なメンテナンスを徹底することで、事故を未然に防ぐことができます」と述べました。
交通ルールだけでなく、自転車の車体の安全性についても改めて理解いただくことができ、自転車利用の安全教育について考える機会となりました。
参加した交通安全指導員の感想
・学年に応じた指導を行うとともに、保護者への理解を深めていくことも重要だと感じた。
・まずは安全性の高い自転車を選び、日常の点検を習慣づけ、ヘルメットを着用すること。この基本をしっかり定着させていけるよう、今後も指導を続けていきたいと思います。


参考資料
講師略歴
遠藤 まさ子
自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い各誌に寄稿。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアで自転車の利活用、安全指導等解説を行う。

自転車の安全利用促進委員会
自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送っていただくため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しています。
https://jitensha-anzen.com/
BAAマーク
BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。

