芝浦工大、JAXA宇宙戦略基金事業に参画

1億2千万人規模の社会シミュレーションを3Dで可視化し、 防災の意思決定を高度化

2026-01-16 10:00
芝浦工業大学

芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田 純)が連携機関として参画する技術開発課題が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業(第二期)に採択されました。

防災と社会シミュレーションを専門とするシステム理工学部の市川 学教授(社会システム科学研究室)の知見を生かし、日本全体(約1億2千万人)の人の行動を再現する大規模社会シミュレーションを、3Dデジタルツイン上で可視化する技術開発を担います。
これによって災害発生時の被害状況や人の動きを直感的に把握し、自治体や防災関係機関の迅速な意思決定を支援することを目指します。

ポイント

・日本全体を模した1億2千万人規模の社会シミュレーションを3D空間で可視化
・衛星観測データと連携し、災害発生直後の状況変化をリアルタイムに反映
・平時の防災訓練から有事の意思決定支援までを可能にする、デジタルツイン基盤を開発

世界唯一の大規模社会シミュレーションで防災に貢献

市川教授の研究室では、日本全国の人口構成や社会統計データを基に定義された約1億2千万人分の「エージェント(人の行動主体)」が意思決定を行うシミュレーター「デジタルツインジャパン(D2J)」を開発してきました。この規模で社会全体の行動を再現できるシミュレーターは、世界でも例がありません。
本事業ではこのD2Jを活用し、従来はテキスト情報としてしか取得できなかったシミュレーションの実行結果を、3次元空間上で直感的に理解できる形に進化させます。
さらに、衛星観測データと連携させることで、災害発生後の状況変化をデジタルツイン上に即時反映し、避難行動や被害拡大の予測、対応方針の検討などを支援します。

採択情報

技術開発分野・テーマ:
 衛星等(第二期)「地球環境衛星データ利用の加速に向けた先端技術」
技術開発課題名   :
 「フェーズフリー防災対応AI衛星観測指揮とマルチモーダル3Dデジタルツイン基盤開発」
代表機関      :
 株式会社スペースデータ
連携機関      :
 ●国立研究開発法人防災科学技術研究所、●三菱電機株式会社、
 ●衛星データサービス企画株式会社、●東京海上レジリエンス株式会社、
 ●東京大学、●慶應義塾大学、●芝浦工業大学

宇宙戦略基金事業とは

「宇宙戦略基金事業は、産学官の結節点として、我が国の宇宙開発の中核機関である宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置した基金を活用し、民間企業・大学等が複数年度にわたって大胆に研究開発に取り組めるよう支援を行うものです。「宇宙技術戦略」等を踏まえ、内閣府主導の下、4府省(内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省)が連携し、本事業の制度設計を定める基本方針や個別の技術開発テーマを定める実施方針を策定し、民間企業、スタートアップ、大学・国立研究開発法人等に対する、先端技術開発、技術実証、商業化等の支援を行います。」
2023年11月の補正予算成立を受けて創設された宇宙戦略基金の3千億円を活用して、「市場の拡大」、「社会課題解決」、「フロンティア開拓」の3つの出口に向けて、複数年度(最大10年)にわたって大胆に技術開発に取り組めるようにJAXAが産学を支援するものです。2025年から第二期の公募が始まり、「輸送」「衛星等」「探査等」の3つの分野に全24の技術開発テーマが設定されています。

芝浦工業大学とは

工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科
https://www.shibaura-it.ac.jp/
理工系大学として日本屈指の学生海外派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の大学です。東京都(豊洲)と埼玉県(大宮)に2つのキャンパス、4学部1研究科を有し、約1万人の学生と約300人の専任教員が所属。2024年には工学部が学科制から課程制に移行。2025年にデザイン工学部、2026年にはシステム理工学部で教育体制を再編し、新しい理工学教育のあり方を追求していきます。創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。