ワールドデーリーサミット2025にて「最優秀ポスター賞」を受賞 弘前大学との共同研究による乳製品摂取と健康増進への貢献を発信
雪印メグミルク株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:佐藤 雅俊)は、2025年10月20日~23日に国際酪農乳業連盟(IDF)主催「IDFワールドデーリーサミット2025(チリ・サンティアゴ)」において、弘前大学との共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」の活動をまとめたポスター発表が健康と栄養の分野で優秀賞、さらに8つの分野の中から最も優秀な賞に贈られる「最優秀ポスター賞」を受賞いたしました。
雪印メグミルクは、弘前大学との『ミルク栄養学研究講座』で、乳製品摂取と健康状態の関係を明らかにし、雪印メグミルクが強みとする骨や乳酸菌などの深耕に加え、ミルクの新たな健康価値創出に取り組んでまいります。

【発表内容の概要】
日本の酪農乳業界には、乳製品の日常的な摂取促進が市民の健康増進につながる可能性があると考えている。当社では弘前大学との共同で「ミルク栄養学研究講座」を開設し、弘前大学が主導する弘前COI-NEXTプログラムに参画して、乳製品摂取と健康増進に関する研究や、地域社会における健康増進活動への参加に取り組んでいる。
岩木プロジェクト健診により取得した「岩木健康ビッグデータ」を活用し、網羅的な統計解析を行い、乳製品摂取による健康への影響について調べた結果、乳製品摂取が骨強度や収縮期血圧、それらに関連したバイオマーカーとの関連性を明らかにした。
また、弘前COI-NEXTプログラムにおいて行われた一連の健康増進活動の1つである弘前郵便局での健康増進プログラムでは、健康教育に続く3ヶ月間のカルシウム強化乳製品の継続摂取により、参加者のカルシウム摂取量の増加が認められた。
このようなデータ駆動型研究による健康啓発活動は、酪農業界がウェルビーイングな社会構築に貢献できる、新たなアプローチとして期待される取組みである。

・会合名:「IDF World Dairy Summit 2025」(IDFワールドデーリーサミット2025)
・題 名:「Data-driven research and health promotion initiatives on dairy
consumption at the Hirosaki COI-NEXT program」
(弘前COI-NEXTプログラムにおけるデータ駆動型研究と研究増進に関する取組み)
・発表者:新屋輝長 1,2 河田大輔 1,2 中野礼彪 1,2 上野宏 1,2 
多田羅洋太 2 玉田嘉紀 2 三上達也 2 村下公一 2 中路重之 2 伊東健 2
1 雪印メグミルク株式会社 2 弘前大学
・受賞者:雪印メグミルク株式会社 ミルクサイエンス研究所 新屋輝長
・発表日:2025年10月20日~23日
・会 場:インターコンチネンタルホテル サンティアゴ(チリ・サンティアゴ)
●「ミルク栄養学研究講座」の目的
弘前大学が実施してきた「岩木健康増進プロジェクト」の超多項目健康ビッグデータ解析による健康因子としての腸内菌叢の役割を解明するため、乳製品摂取をはじめとする食事パターンと腸内菌叢の関連において集団および個人の健康状態への影響を調べることを目的としています。
●弘前大学COI-NEXT拠点とは
弘前大学では、2022年10月に文部科学省・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されました。弘前大学COI-NEXT拠点では、健康を基軸に、若者が地域で働きたいと思える成長産業として魅力的なヘルスケア産業を創出することによって、地域の人々を健康にしながら経済発展し、全世代の人々が生きがいをもって働き続けることができ、心身共にQOLの高い状態での健康寿命を延伸する、well-beingな地域社会モデルの実現をめざしています。これまでの弘前大学COI拠点の成果を発展的に承継し、持続的に成果を創出する自立した産学官共創拠点の形成を目指すプロジェクトです。
●岩木健康増進プロジェクトと弘前大学COI拠点
弘前大学が青森県弘前市岩木地区で2005年から継続実施している大規模合同健康調査で、約3,000項目という世界に例のない膨大な健診項目を設けることで、巨大な健康ビッグデータを記録しています。弘前大学では、2013年に文部科学省・JSTによる「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」に採択され、岩木健康増進プロジェクト健診の超多項目健康ビッグデータの解析により、認知症・生活習慣病などの早期発見を可能にし、予防方法の創出と検証を行い、その成果を社会実装する研究活動を弘前大学COI拠点で展開しました。(2013~2022年)