若手社員から「勇気づけ」の連鎖を起こす。 OJTトレーナー育成プログラム「ENCOURAGE」をリニューアル
組織・人材開発研修、コンサルティングのインパクトジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:戒能 祥哲、以下、当社)は、OJTトレーナー向けプログラム「ENCOURAGE(エンカレッジ)」を2025年10月6日にリニューアルします。人を指導するためのトレーニングを受けず、新入社員のOJTを担当する若手社員。彼らを支援することで、新入社員の早期戦力化や若手社員(OJTトレーナー)自身の成長、ひいては職場全体のエンゲージメント向上を目指すプログラムです。

開発の背景
新人育成を支えるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)。これは業務の進め方を、実践を通じて段階的に学んでいくことです。一般的にトレーナーには、同じ部署の先輩社員が指名されます。ただ、その実践の場である働く環境は、コロナ禍以降、多様化してきています。テレワークやハイブリッドワークの隆盛により、毎日同じ職場で顔を合わせることが共通の前提ではなくなりました。OJTトレーナーは、自分が教えてもらった時代とは異なる環境で、新入社員を指導し、業務を習得させることが求められています。
環境が変わっている一方、OJTトレーナーが「教え方を教えてもらっている」ケースも稀なのではないでしょうか。そもそも、実務を通じて業務を学ぶOJT自体が持つ性質として、教えるタイミングが場当たり的になること、そして教える水準がトレーナー個人に依存しやすいという特徴があります。教えるタイミングについては、日常の実務において、教えたい当該業務が、体系的に順番を守って生じるとは限らないためです。また教える水準については、OJTトレーナーが専属のトレーニング担当ではないことに起因します。自身の主業務を行いながらトレーニングをするため、指導は追加業務となり、後回しになりやすい。あるいは習得項目一覧に基づき、とりあえず伝えることに留まる構造に陥りやすい前提があると考えます。
そのため、実際のOJTにおいては、新しいことを学ぶ不安を感じている新入社員同様、OJTトレーナー自身も迷いを抱えたまま、手探りで指導していることが多いと考えられます。結果として、うまく立ち上がる新入社員とそうでない新入社員が発生してしまう。場合によっては、OJT期間のままならなさを必要以上に深刻に捉え、離職につながることもあります。このような事態は、人事担当者としても看過しがたいことだと考えます。
長年課題とされている、OJTトレーニング水準のばらつき。この解決の一助として、ENCOURAGEを開発しました。
■コンセプト:「勇気づけ」の連鎖を起こす
本プログラムの狙いは、「教え方がわからない」という不安を払しょくし、OJTトレーナーを勇気づけることで、新しい環境で不安を抱える新入社員を勇気づけることです。ここでいう勇気づけとは、アドラー心理学でいわれる、「困難を克服する活力を与えること」を意味しています。
このプログラムによって、3つの勇気づけを連鎖させ、新入社員を1年で一人前にする流れをつくっていきます。まず、人事がOJTトレーナーに対して、初学者向けのトレーニング方法を学ぶ機会を提供します。次に、指導に自信を持ったOJTトレーナーが新入社員に小さな成功体験を与え、彼らの効力感を高めていきます。そうした経験が積み重なることで、指導を受けた新入社員が2年目となる頃には、トレーナーがつきっきりにならずとも周囲のサポートを得ながら業務を進められる、自分で自分を勇気づけられるようになることを目指します。

プログラムの流れ
勇気づけの連鎖の起点となる本プログラムは、3つの要素を理解していくモジュール設計になっています。「教え方を教わったことがないため、これでいいのかわからない」状態から、プログラム後には「初学者にはこうやって、ここまで教える。そしてこのように接すればいい」という手がかりを得て、「これなら指導できそうだ」とOJTトレーナーが感じている状態を目指します。そのため、初学者を現場に受け入れる前のタイミングである3~4月にプログラムを実施することをお勧めしています。

モジュールごとのテーマ
・Module1 ConteXT→NT:かつて、スキマ時間にその場その場でトレーナーの経験に基づいて教えられた業務。現在の環境下では、限られた時間で、計画的に、手順書などを用いて指導をする必要があります。重要なのは、コンテント(内容)の明確化です。言語化や可視化によって、解釈の余地を少なくすることがポイントだと掴みます。
・Module2 Maturity Spiral:初学者(新入社員)の育成手順を理解します。(1)基準を示す(2)教え込む(3)徹底する。この3つを繰り返していくことで、初学者の学習曲線でいうところの発展期を支えていけると学びます。
・Module3 Radical Cander:新入社員が、教わった業務を求められる水準で常に再現できる状態にするためには、OJTトレーナーがどのようなスタンスで関わっていくのかが重要です。新入社員の成長を心から気にかけることが欠かせない要素であると理解します。
これらを、オンラインと対面の組み合わせにて提供するデザインです。個社の事情や必要なサポート、使用システム等も勘案し、カスタマイズすることも可能です。
期待される効果
新入社員:会社生活を始めるに際しての安心感の向上、トレーナーとの信頼関係の構築、何をどの水準でやるかの明確化によるスタートダッシュ効果
OJTトレーナー:仕事の基本を改めて言語化することでの学び直し、教え方を体系的に学ぶことでの能力向上、自分にとっての育成の意味付けによる成熟
組織全体:教わる側と教える側双方のエンゲージメントの高まり、滑らかなスタートによる新人の離職率低下、準備段階の整った新入社員の活躍による現場の負担の軽減
開発者コメント
新入社員の業務支援において重要な役割であるOJTトレーナー。彼ら自身は十分なサポートを受けているのだろうか。暗中模索で迷いながら指導しなければならない状況にあるのではないか、という問題意識からこのプログラムは生まれました。
必要な教育を受けずにトレーナーにアサインされる。OJTトレーナーとなった若手社員にとっては、追加業務だという認識や自業務の合間にできる範囲で行う扱いになってしまう。一方、OJTを受ける側の新入社員は、コロナ禍において人とのコミュニケーションやチャレンジをする機会に制限があった世代。彼らが新しいことを学び、自立していく過程においては、ある一定の配慮が必要ではないでしょうか。
教え方を学んだトレーナーが、新入社員の育成にコミットする。教える側、教えられる側双方の仕事を通じた自己効力感の高まりが、エンゲージメントと業務品質の向上へとつながっていくことを企図しています。また、これにより結果として管理職の負荷軽減になるという副次的効果も期待できるのではないかと考えています。
インパクトジャパン株式会社について
1980年イギリス発祥。Google、SONY、J&Jなど約400社のグローバル企業に加え、多種多様な国内企業に対して、リーダーシップ・チーム開発の研修事業、チェンジマネジメントのコンサルティングを提供。クライアントとの行動変容へのデザイン共創、独自の経験学習メソッドによる五感を揺さぶる実践的な共有体験の提供、参加者の内省と対話の促進による共通言語の創出が特長。それにより、参加者に対して20年経っても色褪せることのない記憶資産を提供。この資産を活用し、組織と人が未来を開花させていくことを目指す。ミッションは、「人と人、人と組織、組織と組織の相互作用を引き起こすことで、新しい価値をうみ出す」。
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