大同メタル工業、環境配慮型水処理装置 「脱イオン水処理装置」が初の受注を獲得 ~環境負荷低減と水処理コスト削減に貢献する新技術~
大同メタル工業株式会社(以下当社)は、独自に研究開発を進めてきた電気式脱イオン法(Battery Deionization)(以下BDI)(注1)を用いた脱イオン水処理装置について、初めて受注を獲得しました。
脱イオン水処理装置は、当社の既存製品であるキャパシタ用電極シート「デルエコー(R)」(注2)の技術を応用し、水中のイオンを電極に吸着する方法で、従来技術に比べて省薬品性・省電力性・水回収率に優れる環境配慮型の水処理技術です。
本技術は、社内実証試験や学会発表を通じて、学術的な裏付けを進めながら、展示会等での実機展示と技術PRを行い、製造現場を有する企業や水処理関連企業から高い評価を受けてまいりました。
今回の受注は、これらの活動成果が実を結び、当社技術が社会実装の第一歩を踏み出したものです。
脱イオン水処理装置の仕組み

受注品概要
導入先 :国内企業(詳細非公開)製造工場
技術 :BDI(Battery Deionization)(電気式脱イオン法)
用途 :純水製造工程
処理能力:1日あたり最大58トン(装置構成により調整可能)
除去対象:カルシウムイオン、ナトリウムイオン、塩化物イオン など
水回収率:90%
特長 :
・塩酸、苛性ソーダなどの環境負荷の高い薬品を使用せず一般的に取り扱い可能なクエン酸のみを使用
・従来技術と比較して低電力である電気式脱イオン法と独自ノウハウにより最適化された電力制御により省電力を実現
純水製造コストの削減イメージ

※数値は、当社社内工場における実証試験での結果を記載
技術開発の背景と展望
当社は社会課題である環境や省電力問題への対策必要性が世界的に高まる中で、キャパシタ用電極シート「デルエコー(R)」の技術を水処理用途に応用したBDI技術による資源循環型社会への貢献を目指し進めてまいりました。今後は、純水製造工程以外の用途も視野に入れた技術開発や要素開発を進め、BDI技術の更なる可能性を拡大してまいります。
(注1)BDI:Battery Deionization(電気式脱イオン法)
キャパシタ用電極シート「デルエコー(R)」の技術を応用し、水中のイオンを電極に吸着する方法で、従来技術に比べて省薬品性・省電力性・水回収率に優れる環境配慮型の水処理技術です。
(注2)キャパシタ用電極シート「デルエコー(R)」
リチウムイオンキャパシタの正極や電気二重層キャパシタの正・負などに用いられている電極シートです。アルミ箔に活性炭シートを接着する構造で、自動車・船舶・一般産業用軸受の量産製造技術で培った成形、圧延、接着の技術を応用して、高密度・高精度で優れた耐久信頼性を実現した製品です。
お問い合わせ
大同メタル工業株式会社
新製品開発ユニット
新規ビジネス開発推進センター
新規ビジネス製品開発室 開発2グループ
TEL:0568-61-1498
製品関連URL : https://www.daidometal.com/jp/sustainability/eco-friendly-products
お問い合わせ: https://www.daidometal.com/jp/contact-us/products/
関連情報
当社について:
当社は、1939年(昭和14年)の創業以来、自動車、船舶、建設機械、一般産業向けなど、多種多様な産業分野で使用される「軸受(ベアリング)」を製造・販売している「総合すべり軸受メーカー」で、日本、北米、欧州、アジア、中国の5つの地域において、生産・販売・研究開発体制を構築しています。
自動車のエンジンに使用される半割軸受では世界シェア約38.7%、大型船舶のエンジンに使用される軸受では同約75.0%と、いずれも世界トップのシェアを有しています。(シェアは2024年暦年ベース/当社推定)
関連サイト
キャパシタ用電極シート「デルエコー(R)」 https://www.daidometal.com/jp/capacitor-del-eco/