魔除け・招福の心を描く――上床加奈×宮間夕子二人展「INOME〜猪目〜」銀座YOHAKUにて
この年の瀬は“逆さハート”の世界へ

Lotus Gallery(ロータスギャラリー)は第11回目のキュレーション企画として、
日本伝統文化に登場する文様「猪目(いのめ)」をテーマにした二人展
「INOME 〜猪目〜」 を開催いたします。
「猪目」とは、古来より神社仏閣・日本刀・建築装飾などに幅広く使われてきた逆さハート型の文様です。
その起源は「猪(いのしし)の目」に似ていることに由来すると言われ、
魔除け・厄除け・福を招くといった縁起の良い意味を持ち、
1400年以上にわたり日本文化に受け継がれてきました。
本展では、この日本固有の文様と精神性に着想を得て、
上床加奈・宮間夕子の両名が描く神秘的かつ情緒豊かな世界観を融合。
古来より語られる狐や鬼、天狗、神事、社寺などのモチーフが、
どこか懐かしさと温かさを湛えながら現代アートとして表現されています。
作品に散りばめられた「猪目」は、魔除けや招福の象徴でありながら、
一方で愛らしく親しみやすい印象を与える造形でもあります。
年の瀬を迎えるこの季節、心の厄除け・招福を願いつつ作品の世界をご堪能ください。
展示コンセプト
"INOME
猪目" <魔除け・招福>日本には、古来からよく使われる図柄の中に実は「ハート」がありました。
猪目(いのめ)と呼ばれるもので、ハートそのものと言うより、現在のハートを逆さにした文様で使用されており、
これは、「逆さハートの形」が「猪(いのしし)の目」(=『猪目・いのめ』)に似ていることが由来していると言われており、
古来、獣の目には魔力が宿ると考えられていたことから、「魔除け」、「厄除け」、「火災除け」や「福を招く」など護符の意味合いがあり、
縁起の良い文様として、1400年前の奈良時代から神社や伝統的建築の装飾をはじめ、日本刀の鍔など幅広く使われてきました。本展は、そんな日本伝統・伝承文化を題材にした企画展示をしたいとの思いから実現しました。
題材からイメージする神聖な世界観と二人が描く作品・作風の神秘性などに親和性を感じることから二人展の開催に至りました。狐、物の怪(モノノケ)、鬼、天狗、神社、神事など古来からの日本伝統文化の伝承に係わるものが描かれる作品の世界観は、
少しおどろおどろしい部分があるものの恐怖や畏怖などを感じることはあまりなく、逆にどこか懐かしさや癒しなど温かみさえを感じます。
また、日本古来の逆さハート型の「猪目」をよく見ていると魔除け・招福の意味合いとは一見相反する様な可愛らしさや親しみさを
感じられます。
それは1400有余年続いて来た日本文化の特徴なのかもしれませんし、日本人だからその様に感じるのかもしれません。
そんな縁起の良い猪目を含む日本伝統文化の要素を盛り込んだ神秘性をまとう世界観が表現された作品たちは、
それぞれが織りなす物語に引きずり込まれていくことでしょう。是非会場まで足を運んでいただき、時期的にも年の瀬の厄除けなどの意味を込めて、作品を通じて日本伝統・伝承文化に
触れることで、魔除け・招福があらんことを願っております。
作家紹介
● 上床加奈

猪目というハートマークに見える日本の伝統的な文様とモノノケたちを融合。
魔除け、癒し、愛しさなど多様なテーマの作品を制作。
● 宮間夕子

日本やアジアに広がる神や精霊をモチーフに、目には見えない存在やエネルギーを表現。
独自の神仏観と空想世界を描き、自然崇拝(アニミズム)や山岳信仰とも繋がる世界観を持つ。


展覧会概要
タイトル: 上床加奈・宮間夕子 二人展「INOME 〜猪目〜」
会期: 2025年12月20日(土)〜 12月28日(日)
Weekdays 15:00〜19:00
Weekends 13:00〜19:00
最終日 13:00〜17:00
入場料: 無料(ENTRANCE FREE)
会場: 銀座アポロ昭和館 YOHAKU
〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目12-20
銀座アポロ昭和館 B1F
(日比谷線・浅草線「東銀座駅」徒歩1分)
curated by Lotus Gallery(ロータスギャラリー)
アクセス

• 東京メトロ日比谷線・都営浅草線「東銀座駅」:3番出口より徒歩1分
• 東京メトロ銀座線・丸ノ内線「銀座駅」:A7出口より徒歩5分
• JR「有楽町駅」:中央口より徒歩10分
※会場は「銀座アポロ昭和館」地下1階にございます。