北海道からイモベーション!北限のサツマイモで、作る人も食べる人もおいしい未来を!
生産者と消費者がつながる持続的な農業へ
株式会社IMOベーション(本社:北海道旭川市永山1条、代表:松本浩司)は、北海道産サツマイモを活用した付加価値の高い加工品開発と生産者・消費者をつなぐ持続可能な農業の実現を目指し、クラウドファンディングを開始いたします。
🍠 はじめまして、“イモベーター”です!

株式会社IMOベーション代表の松本浩司と申します。サツマイモ×イノベーション=イモベーション。新時代のイモ活を推進してまいります。前職の新聞記者を退職後、北海道に移住し、旭川公園ゲストハウスの運営やライター業務に携わってまいりました。地域農家との交流を通じ、サツマイモの可能性に着目し、イモベーションによる地域活性化を目指しております。

ウェブメディア「くらしごと」の記事。左は農家の千代圭さん、その隣は筆者の松本夫婦。発酵ソムリエの曽川さん(右から2人目)と、高校生の荻生亜紀さんもイモベーションを支えてくれています。
この度、2025年1月から継続してまいりましたイモベーション事業を法人化し、さらなる展開を図るため、クラウドファンディングを実施する運びとなりました。
🍠「イモベーション」で何やるの? なぜやるの?
サツマイモとあらゆるヒト・モノ・コトを掛け合わせて、かつてない価値を創出するのがイモベーションです。大きく分けて、次の3つです。
① 北海道の資源を生かした加工品を開発したい
② みんなで楽しむ「シェアファーム」を広げたい!
③ 異分野とのコラボで、みんなでレベルアップしたい!
加工品では、第一弾として干し芋の製造にチャレンジします。お子さんも安心して食べることができる人気のおやつですが、私たちは「北海道の森」と掛け合わせた独自の「燻製干し芋」でアッと驚く食体験をしていただきたいと思っています。
シェアファームというのは、畑をみんなで使わせてもらう取り組みです。植え付けや収穫だけではなく、サツマイモの可能性を感じてもらえるイベントも開いています。すでに素敵な効果が現れています!
異業種コラボとは、テクノロジーに強い方に農業現場に入ってもらう、生産者ではないサツマイモLOVERに意見をもらうなどして、思いや技術を底上げしていこうというものです。
私たちがイモベーションを始めたのには、ある理由があります。身近な農家さんの困りごとをずっと耳にしてきて、そこにサツマイモのポテンシャルを掛け合わせた時に、「ワクワクできる!」と確信できたからです。
🍠 もはや当たり前に?北海道でサツマイモ
さてさて。そもそもの話ですが「なんで北海道でサツマイモ?」と思われる方も多いでしょう。「北海道といえば、ジャガイモじゃないの?」と。暖かい地方で栽培が盛んというイメージが強いですよね。しかししかし! 最近では、北海道でも生産量が急増しているのです。

北海道開発局資料(https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousa/slo5pa000001knfk-att/slo5pa000001knnf.pdf)
一番大きな要因は、何を隠そう温暖化。栽培の適地がどんどん北上しています。日本の食料供給基地・北海道として、これに適応していくしかありません。
ちなみに…本州に比べると気温が低く、寒暖差が大きいため、「道産サツマイモは甘くてねっとりする」「水分が多い」「糖化する時期が本州より早い」と言われています。さすが農業王国です!!
🍠冬はめちゃ寒い! ノウハウ不足も…課題だらけの現実
最近では、本州の一部の産地で生産量が減っていることもあって、北海道は全国のサツマイモ関係者から注目されるようになりました。が!これから産地として育っていくには、イノベーションと熱量がないと、前に進みにくいとのです。
なぜなら…
① 貯蔵施設が本州の産地のようにはなく、冬の(超)低温をどう乗り越えるか
② 新顔作物なのでノウハウの蓄積や高付加価値化が十分に進んでいない
という問題があるからです(ほかにも、苗の供給などハードルはたくさんあります)。
実はサツマイモは、収穫してから寝かせることでグンと甘くなりますが、気温が低いとダメになってしまいます。設備投資をして最適な環境をつくれば、高いクオリティーで長期間の出荷ができるようになりますが、数千万円の投資が必要になり、体力のある人しかチャレンジできません。単価も伸び悩む中、「商売にならんべや…」とネガティブな気持ちになっている生産者もいらっしゃいます。
🍠「収益」も「張り合い」も! 二兎を追いたい
じゃあ、どうしたらいいのか…。
農業は気候変動や天災、価格の不安定化など、本当にさまざまなリスクに直面しています。トラブルなく育てて出荷するというだけで、消費者には想像できない苦労があるはずです。そんな農家さんに「可能性があるからチャレンジしよう!」「今は単価が安いけど続けてみよう」と意欲を持ってもらうには、明確な“おいしい未来”が必要だと思うんです。

“おいしい未来”を描くためには、「収益」と「張り合い」の両方が必要なんだろうと考えています。
再生産できない単価で歯を食いしばっている農家さんがいます。「安いけどたくさん作ってほしい」とは言えません。「自分たちが作ったものを地元の人に食べてほしい」「旭川のスーパーのサツマイモは旭川産にしたい」と語る農家さんもいます。
お金だけではないけれど、やりがいだけでは仕事は続けられない…。この2つを満たすことはできないか、私は2年ほどモヤモヤしていました。
🍠きっかけは…無限の可能性を知ってしまったから!
私は元々、サツマイモはそれほど好きではありませんでした。しかしアルバイトしたり、ゲストハウスの関係でお付き合いいただいたりと、地元の農家さんと交流する機会はよくありました。そんな中で、「近くに生産者がいることを知って、地元のものを食べてほしい」「70歳を超えて無理がきかない。10年後、農家の数はどうなっているのか…」といった声を耳にしてきました。

そして、ライターとして行政機関の広報誌の取材を手がけるなかで、サツマイモを特集する機会もありました。夢を抱いて前向きな関係者にもお会いし、未来を感じてワクワクしたものです。
調べれば調べるほど北海道×サツマイモの可能性を感じました。「準完全栄養食品」としてヘルシーさは折り紙付き。甘党だけでなく、乳児にもお年寄りもグッド。サツマイモLOVERは人もワンちゃんも多く, 需要は伸びていて、加工の幅は無限大! 捨てるところがない。

さらに、栽培期間中の手間はあまりかからず、他の作物とも組み合わせやすいんです。高齢化と担い手不足で、今後は持て余す農地が増えるかもしれません。そこでサツマイモを育てて有効活用できたら楽しそう…。旭川だけで33万人もいるので、多くの人に関わってもらえるチャンスがありそう…。
そこで、まずは地元のサツマイモを知ってもらい、どんな加工品だったら価値を感じてもらえるのか探ろうと、各地のイベントに出店することにしました。2025年1月、「スイート・イモベーション・プロジェクト」と名付けて、任意団体として活動をスタートさせました。

旭川市の「白樺樹液まつり」で。高校生のイモベーション仲間・荻生亜紀さん

旭川市の今津市長と(旭川市公式Facebookより)
🍠北海道の森が薫る「燻製干し芋」を作りたい
ここからは、イモベーションの具体的な中身をお伝えさせてください。
まずは、加工品の開発です。第一弾として「燻製干し芋」を発売します!
地元のサツマイモを干し芋にして、この地域らしさがある「豊かな森の恵み」をまとわせたものです。上川地方には海はありませんが、四方を山に囲まれています。「北海道の屋根」と呼ばれる大雪山系を擁し、山を起点として、林業から家具産業までが繋がっています。

そんな森で生まれたチップを、燻製材として使わせてもらっています。 お酒のおつまみとして、贅沢なおやつとして、口を含むと北海道の自然を感じたり、北海道に来たくなるような商品を目指しています。

燻製独特の香り、ほどよい歯ごたえを楽しんでいただいた後、噛めば噛むほどにサツマイモの甘みがじんわりと広がります。甘さ一辺倒ではないので、くどさがなく、止まらなくなります(自社調べ)
量産体制が整ったら、ふるさと納税の返礼品を皮切りに、道産品のアンテナショップ、駅・空港のショップ、都市部のスーパーなどにご提案してまいります。お子さまのおやつにぴったりな、燻製していない干し芋もどんどん作っていきますよ!

北海道の上川総合振興局ホームページより
旭川地域では、「川上」の森から出た材が流通するネットワークが充実しています。「川下」の1つは家具産業で、旭川家具は全国区のブランドとして知られています。燻製干し芋では、家具の製造過程で出てくる木っ端(端材)も利用しています。2025年6月と7月には、旭川で最大の家具メーカーであるカンディハウスさんとコラボする機会に恵まれ、イベントに出展しました。

カンディハウスさん本社にて、同社の「北海道燻製珈琲」とともに。国内外の多くの方にお試しいただきました

無印良品コープさっぽろ岩見沢南店で開かれた、「つながる市」にもコラボ出店
イベントに出店したり、試食してもらったりして、多くのフィードバックをいただきました。「これまで食べたことがない味」「バーボンウイスキーに合いそう」「ワンちゃんも止まりませんでした」とご好評いただいた一方で、「燻製が強すぎる。お酒を飲まない人に響くのか」「甘みを強めた方がいい」というアドバイスも。
妥協なきクオリティーを目指すため、本場・茨城県のスペシャリストにご指導いただきながら、干し芋専用の乾燥機を導入することに決めました! 電気式のスモーカーも取得し、クオリティーの安定を図ります。ふるさと納税の返礼品や卸売を皮切りに、広く楽しんでもらえるルートを開拓していく予定です。
🍠みんなで楽しむ「シェアファーム」を広げたい!
次に、みんなでサツマイモを楽しむきっかけづくりとして、農家さんと協働して「シェアファーム」を展開しています。苗を植えるだけでなく、「ツルを食べる会」「リース作りワークショップ」など楽しいイベントも企画しました。

9月下旬と10月上旬には、待ちに待った収穫の日を迎えました。
やってみて良かったなーと思うのは、参加してくれた方から
「素通りしていた場所が寄り道したくなる場所になってめっちゃ嬉しい」
「ツルがおいしすぎて、おかわりをしにまたお邪魔しちゃいました」
という声を聞けたことです。イベントという“ハレ”の日だけでなくて、日常の中で農家さんの顔や農業のことが浮かぶ。私たちが一番大切にしたい、「作る人と食べる人の関係づくり」ができているのかなと思えて、思わずガッツポーズでした!

地元JAのサツマイモ部会は市民向けの「10株オーナー制度」をされていますが、2025年はこれに関連して、旭川を拠点とする動物病院グループの皆さんにも体験いただき、大好評となりました。普段は別の病院で働いている人同士が畑で同じ作業をすると、仕事の時とは違った話が弾みます。
ほかの企業や団体からも「うちもやってみたい!」という声をいただいております。2026年度はより多くの個人や組織に加わってほしいなと願っています。
🍠異分野とのコラボで、みんなでレベルアップしたい!
最後にコラボ事業について。違う領域同士を掛け合わせて、新しいものを生んでいくための取り組みを始めています。例えば、旭川工業高等専門学校(旭川高専)の方々に、収穫する機械の改良や、保管技術の向上などについて、技術的なサポートをいただいています。

農業の現場に「テクノロジー(工業)」が入ることで、お互いに多くの気づきがあり、めっちゃワクワクします! 学生さんにとっても、身近な困りごとをてくので解決する喜びを感じてほしいです。時間のかかる取り組みではありますが、ここで得られた知見を広く地域に還元していきたいと思います。
また、イベントを通してサツマイモに関わるさまざまな人をつなげています。2025年10月には「イモバタ会議。」というおしゃべり会を企画しました。

東京大学発のインカレサークルの元代表に旭川まで来ていただき、道外からの視点で、北海道のサツマイモのこれからを展望してもらうというもの。サツマイモ関係者同士でネットワークができればなという狙いもあります。例えばJAや市町村の境界を挟むと、お互いを知らない、ということはよくありますからね。
サツマイモのような新顔作物だからこそ、境界を超えて、みんなで底上げしていく、築き上げていくという楽しみがあるはずです。現在は、11月23日の「おいもマルシェ」開催に向けて全力で準備をしています!
🍠スケジュールと、将来目指したいこと
やりたいこはたくさんありますが、大まかなスケジュールは次の通りです。
2025年10月 会社設立/加工場を整備/クラウドファンディング終了
2025年11月まで 試作、展示会への出展
2025年11月~2026年3月 旭川市ふるさと納税返礼品の発送/返礼品のリターン発送
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■加工場の整備
加工は、旭川市の隣の比布(ぴっぷ)町の廃校に構えます。イチゴとスキーで有名な町で、サツマイモに情熱を燃やす農家さんも。廃校は旧蘭留小学校で、森のそばにたたずむ、まるでユートピアのような佇まい。雰囲気は抜群なのですが、設備は古くなっていることもあり、いろいろ手を加える必要があります。

■素材を生かし切る商品の開発
干し芋の製造では、どうしても端材がたくさん出てしまいます。これを生かし切るため、小規模ならではの工夫やコラボを重ねていきます。

■シェアファームの拡充
「シェアファーム」は、北海道を旅行する方や、都市部の法人などにもお声がけしたいです。雄大な大地でマイファームを持ち、絆を深め、上川地方と関わり続けてもらえると、みんながハッピーです♪
加工品の開発やシェアファームなどなどで生産者の意欲が高まってくれたら嬉しいですし、サツマイモを入口にした「食べる人と作る人が支え合う地域」にできたらな~と願っています。
■いずれは実践したい「農福連携」
そして長い目で見れば、干し芋などの製造や栽培を通して「農福連携」にも関わりたいです。私たち家族には障がいのある子がいますし、千代さんも旭川市内の事業者と長く農福連携のチャレンジをされています。干し芋は工程が多く製造に時間がかかりますが、軽作業も多いです。さまざまな事情があってもなくても、誰でも関わりやすい「器」をつくることができたら幸せです。
🍠最後に
昭和の面影が残る居酒屋で農家さんと飲んだ時に聞いた言葉が印象に残っています。
「いま買取価格が安いからって、やめちゃダメなんだ。僕にサツマイモに夢があると思ってやっている。夢を見られる作物って、そうそうないよね」
気候変動がこれだけ進み、担い手が減り、いまスーパーに並んでいる食べ物はいつまで、どれだけの量が確保できるのでしょうか。自分で食べる分を自分で作るのが究極の答えなのかもしれないけれど、少なくとも、食べる人と作る人が離れ過ぎているのはヘルシーだと思えません。
味や栄養も大事です。でもそれと同時に、どこの誰が作った作物をどうやって手に入れるのかというのも、大切だと思っています。忙しい毎日で、何もかも理想の食生活なんて私にはできません。それでも生活の一部で、農家さんや地域の農業を感じる場面があったとしたら、めちゃくちゃ豊かなんじゃないでしょうか?
その入り口として、味も栄養も文句なしのサツマイモほどの適任者はいないでしょう! 江戸時代には飢饉から民を救ったように、サツマイモは“令和のお助け芋”として北海道のヒーローになるはずです。
皆さんからのご支援、どうぞよろしくお願いいたします!