鳥谷敬が到達したノーエラーの哲学。最新刊『ミスをしない選手』9/18発売。阪神の守備も解説

株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2024年9月18日に『ミスをしない選手』(鳥谷敬著/税込1,320円)を発売します。5度のゴールデン・グラブ賞に輝いた守備の名手・鳥谷敬さんが、ミスをなくすために取り組んできた考え方や練習法について、そして、春季キャンプの臨時コーチを務めた阪神タイガースの守備陣について、源田壮亮選手、矢野雅哉選手ら現在のプロ野球を彩る名手についても語った1冊です。

■下手すぎて叱責ばかりだった

現役時代、ゴールデン・グラブ賞に5度も輝いた鳥谷さんですが、プロ入り3年目までは守備は下手だったと吐露しています。「俺が投げる時は試合に出るな」「おまえ、今までレフトから見てきた中で一番下手なショートだぞ」など、先輩選手からの厳しい叱責も日常茶飯事。なんとか正遊撃手としてレギュラーに定着した2006年にはリーグワーストの21エラーを記録してしまいます。このままではプロ野球で生き残れないと感じた鳥谷さんは、大リーグの守備の名手たちをお手本に守備の研究を開始しました。トライ&エラーの結果、「ミスの原因をきちんと分析して課題に置き換えれば、原因を消し去るための作業に入れる」という、鳥谷流ノーエラーの哲学に到達したのです。本書では、本番までの準備、ミスを次に生かす分析法、メンタルの鍛え方、技術の身につけ方を詳細に解説しています。

■リーグ最多のエラー数で阪神が優勝できた理由

徹底的にミスをなくす努力をしてきた鳥谷さんですが、エラーの数そのものよりも、エラーが起きた状況や試合への影響度が重要だと述べています。例えば、2023年シーズンの阪神は85エラーを記録し、リーグ最多でしたが、勝負に直結する致命的なエラーが少なく、接戦での勝利が増えたことが優勝の要因だったと指摘しています。2024年シーズンの阪神は再びミスが目立っていますが、それは守備力向上の過程で、リスクをとった挑戦からくるものであり、これらのミスを成長の材料とすることが不可欠だと分析。木波聖也選手や中野拓夢選手、佐藤輝明選手などの持続的な努力が続けば、阪神が「守備王国」と呼ばれる日が必ず来る、と確信しています。守備は一気に向上するモノではありませんが、マニュアルを超えた試行錯誤の練習や準備を重ねてこそ、ミスの回数をゼロに近づけられるのです。鳥谷さんの哲学はプロ野球選手だけではなく、全ビジネスパーソンにとっても仕事の成果アップやチーム力向上のヒントになる考え方だと言えるでしょう。

■内容例

●落球ミスの裏に隠された本当の原因   
●脱力することで近くに落とす
●スムーズになった木浪、力を抜けばいい中野
●上半身は器用、下半身は不器用な佐藤輝明
●内野の名手はサッカーがうまい
●新たな目標「四十歳でショートを守る」
●阪神タイガースを退団した理由
●「岡田ルール」に感じること
●大谷翔平選手のスイングを真似していいのか
●ダルビッシュ有投手の「走り込み不要論」も背景を知るべき   
●捕球時の「腰高」はダメなのか   
●打球は最後まで見続けないといけないのか

■『ミスをしない選手』について

【著者】
鳥谷 敬(とりたに たかし)
1981年生まれ。東京都出身。聖望学園高校、早稲田大学野球部を経て、2003年ドラフト自由枠で阪神タイガースに入団。2019年までの16年間プレーし、ゴールデン・グラブ賞5回(遊撃手4回、三塁手1回)、ベストナイン賞6回受賞。史上50人目の公式戦2000本安打および、史上15人目の1000四球を達成。2020年に千葉ロッテマリーンズに移籍、2021年シーズンをもって引退。引退後は、野球解説や、社会人野球部の指導を行うなど活動の幅を広げている。

【目次】
第1章 ミスの定義 「準備」「分析」「練習」のサイクル
第2章 実力を見極め、正しい準備をする
第3章 ミスを分析して改善する
第4章 年齢を重ねてもミスをしない
第5章 プロ野球はショート目線で見れば面白い
第6章 ミスを成長につなげる教え方

【書誌情報】
タイトル:ミスをしない選手
著者:鳥谷 敬
価格:1,320円(10%税込)
判型・製本・頁数:新書判・並製・224ページ
ISBN978-4-569-85774-9
レーベル:PHP新書
発行:PHP研究所

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