【調査レポート】 約65%の職員が「感染者・濃厚接触者が発生したことへの対応」を経験済み 保育施設職員へのワクチン優先接種の実施は約80% 2回接種完了は約47%にとどまる
株式会社コドモンは、こども施設向けICTシステム「コドモン」をご利用の全国の保育施設を対象に、長引くコロナ禍における保育所運営への影響について、昨年に引き続きアンケートを実施いたしましたのでお知らせいたします。
【アンケート概要】
・調査対象:コドモンを利用する全国の保育施設、職員
・調査方法:メール案内、WEB回答方式
・調査期間 : 2021年8月6日 - 2021年8月14日
・回答数:361件
・調査会社:株式会社コドモン
※前回調査
調査期間 : 2020年3月13日18時 - 2020年3月18日11時
https://newscast.jp/news/201272
【アンケート結果サマリー】
*新型コロナワクチンを2回とも接種完了済なのは全回答者の約47%に留まり、接種に当たり自治体等から優先的な配慮があったとの回答は約80%でした。このことから、保育施設職員の接種の遅れは全体的な問題と考えられます。
*全回答者中64.3%が「コロナ感染者・濃厚接触者が発生したことへの対応」をあげており、感染や濃厚接触の機会が身近にあることがわかります。
*昨年3月よりも、全回答者の60.5%がさらに「とても忙しくなった」「少し忙しくなった」と回答しました。長引くコロナ禍の業務負荷が懸念されます。
*前回調査より1年以上経過後も、現場のマンパワーによる対策が継続しています。
*最新の情報にアクセスしやすくなるための支援を全回答者の約40%が求めており、パンデミック発生から1年半以上が経った今でも、現場が最新情報や対策についての情報を得ることに苦慮している事がわかりました。
【アンケート結果】
Q1 新型コロナウイルスの感染拡大により、1年前と比べてご自身の勤務状況にどのような影響が出ましたか
2020年の前回は、全回答者の80.4%が「とても忙しくなった」「少し忙しくなった」と回答しました。2021年は全回答者の60.4%が1年前よりもさらに「とても忙しくなった」「少し忙しくなった」と回答しました。長引くコロナ禍の業務負荷が懸念されます。
Q2 具体的にどのような業務が増加しましたか(複数選択可)
昨年と比較し、ほぼすべての項目で回答%がアップしており、各種感染対策を複数実施する園が増加しています。また、全回答者中64.3%が「コロナ感染者・濃厚接触者が発生したことへの対応」をあげており、感染や濃厚接触の機会が身近にあることがわかります。
複数の業務が同時に増加している状況、また基本的に保育施設は一斉休園等の措置を行っていないので、常に感染と隣り合わせの状況が、長期間続いていることがうかがえます。
Q3 新型コロナウイルスの影響によって、現在起きている問題を教えてください(複数選択可)
全回答の約80%において、保護者が園での子の様子を知る機会・行事を見学する機会が少なくなっています。
また消毒作業についても約70%もの施設が負担に感じていることがわかりました。
5%と少ない割合ではありますが、外遊びができないという回答もゼロではなく長期化による悪影響が懸念されます。文部科学省は昨年より正式に「健康保持の観点から、子供たちの運動不足やストレスを解消するために運動の機会を確保することも大切であると考えており」とこどもの外遊びを認める情報を発信していますが※、正しく情報が市民に行き渡らず、誤った認識に基づいたクレームによって子どもたちの生活が脅かされていることが明らかになりました。
※ 学校臨時休業に関するQ&A (子供たち、保護者、一般の方へ)
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00517.html#q3
回答者のコメント
・子どもたちに顔が見せられないことによる発達の遅れの懸念・保護者ともマスクをしたままなので信頼関係を作っていくのに時間がかかる。
・夏場のマスク着用や換気の為冷房をつけるが室温が下がりにくくなるなど、熱中症対策
Q4 問題に対し、どんな工夫をされていますか(複数選択可)
本設問も昨年に引き続き複数の項目で全回答施設の70%以上の回答となり、保育現場職員が同時に複数の点に配慮して業務にあたっており、負担が増加していることがうかがえます。
また回答者の約1/4が、行事や園での子の様子を保護者に伝えるため動画コンテンツの配信を実施していることは注目すべき点です。
Q5 あれば嬉しい支援を教えてください(複数選択可)
昨年のような急激な物資不足は解消されたようですが、負担が増え支援が必要な状況は変わりませんでした。また特徴的なのは、最新の情報にアクセスしやすくなるための支援を回答者の約40%が求めている点で、パンデミック発生から1年半以上が経った今でも、現場が最新情報や対策についての情報を得ることに不安を持っている事がわかります。公的な機関から、さらなる正しく系統だった発信が必要と思われます。ワクチンについては後述します。
保育施設、職員からのコメント
・PCR検査や抗体検査の情報、実施を求める
・メディアの情報が錯綜し、国、自治体は大雑把な同じ指示を繰り返しているばかり、保育園は開園していて良いのでしょうか?
・清掃消毒要員の支援がほしい
Q6 ご入力者の新型コロナワクチン接種状況についてうかがいます(任意回答)
ワクチン接種状況について、回答は任意としました。こども施設の職員は、マスクの使用や自ら感染症対策のできない乳幼児・児童等と接し、身体的距離の確保が難しい状況もありますが、接種完了済は過半数に満たない47.5%となっています。
Q7 新型コロナワクチンの摂取に関して、管轄の自治体では保育施設職員への優先接種の配慮がありましたか?
優先接種については、回答者の約80%が自治体等から優先的な配慮があったと回答していることから、接種の遅れは保育関係者だけではなく全体的な問題と考えられます。また保育士等のこども施設職員は、医療従事者と同じく一律に優先して接種できるようにするべきだという声も多く聞かれました。
保育施設、職員からのコメント
・介護や保育の現場は常時感染の危険と背中合わせの中で勤務している。
・子どもたち、保護者、職員のこころを特に支援していく必要性があるとおもっている。
・職員の負担が、消毒作業などだけではなく、プライベートでも心理的負担(出かけられない、自分がもし感染源になったら大変など)が非常に大きい。
・医療関係者もそうですが、保育士が疲弊している。
・小さい子どもがいる家庭の保護者も優先的にワクチンを打てるようにするべき。
・保護者の仕事が確保できず、入園園児の減少が見られる。
・身体的理由からワクチン接種できない職員のケア。
・介護施設等は国から補助を受けて定期的なPCR検査を受けていると聞いています。保育園等も同様の対応を国にお願いしたい。感染の不安を抱えながらの保育士にとっても、またこれからの日本を担う子どもたちにとっても必要と思っています。
・子どもたちは我慢している、たくさん我慢しているということを大人にもっと知ってほしい。子どもたちは頑張っていると思う。
【株式会社コドモン 会社概要】
◆所在地:東京都港区三田3丁目13−16 三田43MTビル 3F
◆資本金:68,250,000円
◆代表者:代表取締役 小池義則
◆事業内容:保育業務支援システムの開発・提供。2021年8月初旬時点で、全国約8,600施設、保育士約16万人が利用。全国152の自治体で導入および実証実験の導入が決定。導入施設数・自治体導入施設数・契約自治体数でシェア1位(2021年1月株式会社東京商工リサーチ調べ)
ご参考:令和3年4月1日 特定地域型保育事業を含む全国保育所数は38,666園※
◆サービスHP:https://www.codmon.com/
※「保育所等関連状況取りまとめ(令和3年4月1日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000821949.pdf
【こども施設向けICTシステム「CoDMON」概要】
コドモンは、保育園や幼稚園で働く先生と保護者に対して、こどもたちと向き合うゆとりを持っていただくための各種支援ツールを提供するSaaS※1です。
園児情報と連動した成長記録や指導案などをスマートに記録する機能をはじめ、登降園管理や、保護者とのコミュニケーション支援機能など、先生の業務負担を大幅に省力化しながら、保育の質を高める環境づくりの支援をしています。また同時にベビーセンサーなどのIoTデバイスとAPI連携するなど、園内のICT/IoT環境を統合管理できるソリューションを提供しています。保護者アプリでは施設との連絡機能のほか、こどもの成長管理や写真アルバム、保育料の支払い機能といったサービスを展開しています。
※1 SaaSとは、ネットワークを通じて顧客にアプリケーションソフトの機能を必要に応じて提供する仕組みのこと
【本データの引用について】
本調査結果データを一部引用・二次利用等される場合は、「株式会社コドモン調べ」と表記の上、リンクのご協力をお願いいたします。
リンク先:https://www.codmon.co.jp/?p=5150
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