【名城大学】大野英男 東北大学総長特別顧問が名城大学特任教授に就任

 磁石の性質を持つ半導体を開発し、「半導体スピントロニクス」分野を開拓した東北大学前総長の大野英男総長特別顧問が9月1日付で、本学特任教授に就任しました。

 大野特任教授は、電荷(電気を伝える性質)とスピン(磁石になる性質)の両方の性質を同時に使うスピントロニクス(スピンとエレクトロニクスの造語)研究の第一人者。磁性を持たない半導体と磁性体(磁石)を物質レベルで融合し、磁性を持つ新しい半導体を創成。この技術をプロセッサやメモリーに使うと、電源を切ってもデータが消えないため、待機電力をゼロにでき、書き込みや読み取り速度も速くできます。省電力かつ高性能で、脱炭素社会への有力な技術と期待されており、ノーベル賞受賞者が数多く受賞しているトムソン・ロイター引用栄誉賞を2011年に受賞しています。

 また本学と東北大学は、2019年にそれぞれの特色や教育研究資源を生かして相互に連携協力し、自然災害等の減災研究や次世代放射光施設(ナノテラス)を活用した先端研究等、卓越した学術研究を通した人材の育成や教育の充実に寄与することを目的に、包括連携協定を締結。大野特任教授には研究領域のみならず、日本全体の科学技術や高等教育の在り方に関する議論をリードされてきた幅広い経験、見識を踏まえ、大学運営等への助言・協力も要請しています。今後、特別講演等の実施が決まりましたら、ご案内します。

大野 英男 特任教授のコメント

名城大学の皆さまと、科学技術や高等教育の未来について議論を深めるとともに、スピントロニクスについて新たな可能性を切り拓く機会をいただきました。大変楽しみにしています。

略歴

大野 英男(おおの・ひでお) 名城大学 特任教授
1954年12月18日生まれ、東京都出身。1982年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了(工学博士)。東北大学工学部教授、同大電気通信研究所教授、所長、同研究所付附属ナノ・スピン実験施設施設長、同大スピントロニクス学術連携研究教育センター長などを経て、2018年第22代東北大学総長、2024年から東北大学総長特別顧問。専門はスピントロニクス、半導体物理・半導体工学。2003年The IUPAP Magnetism Prize、2005年日本学士院賞、2011年トムソン・ロイター引用栄誉賞など受賞。

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