【名城大学】総合学術研究科が三河湾で海洋実習を実施
愛知県水産試験場と国土交通省との連携事業として三河湾の海洋環境調査を実施
大学院総合学術研究科が8月22日、海洋実習を実施しました。海洋観測を通して総合学術研究科の研究分野の一つである海洋環境研究の基礎を体験できるのがこの実習の魅力です。この日は名城大学から担当教員の鈴木輝明特任教授、景山伯春教授、本田真己准教授と学生7人が参加。総合学術研究科の大学院生だけでなく、農学部と理工学部の学生も参加し、三河湾域の海洋環境の実態を学びました。
三河湾内を船舶で一周 7ポイントで様々なデータを収集
当日は天候に恵まれ、国土交通省所有の船舶「しおさい」に乗船して三河湾内を一周しました。全国有数のアサリ稚貝の発生場所である六条潟、人工的な埋め立て地に囲まれた大崎地区窪地や三河湾口に位置する中山水道航路など、湾内でも環境が大きく異なる計7ポイントで水質調査(透明度、水温、塩分、溶存酸素、クロロフィル)、砂泥採取、プランクトン採取といった様々な調査を行いました。
参加した学生は「慣れない船上での作業は大変だったが、実際に海の環境を肌に触れて新鮮だった」と話し、積極的に作業を行いました。
採取したプランクトンは試験場で顕微鏡観察
午前中の海洋調査の後は、水産試験場で採取したプランクトンの顕微鏡観察を行いました。様々な種類の植物プランクトンと動物プランクトンの高倍率観察を体験しました。
鈴木輝明特任教授、愛知県水産試験場、国土交通省「身近な海域の現状を知って、考えてほしい」
水産試験場の漁場環境研究部・中嶋康生部長から「伊勢・三河湾の漁場環境」と題して話題提供がありました。そこでは環境調査で収集したデータをもとに三河湾の現状を知り、現在どのような取り組みが行われているかを考えました。また、国土交通省三河港湾事務所の松永洋明課長からは「三河湾の環境課題と環境改善に向けた取り組み」と題して三河湾の環境改善に向けた取り組み状況の説明がありました。
鈴木特任教授からは、「身近な浅い海域は本来生き物にとって豊かな環境だったが、異変が起こっている。愛知県はアサリの漁獲量全国1位を保っているものの、2014年ごろから急激に減少している。その理由が研究の積み重ねによって分かってきており、現在社会実験を行っているところだ。若い人たちにも身近な海域の現状を知って、何ができるか考えてほしい」と話していました。
本企画は、名城大学「2024年度学びのコミュニティ創出支援事業」のサポートによって実施されました。
【大学院生募集】
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